タイムリミット
ボッサンとユオを乗せたGTRは、けたたましくサイレンを鳴らしながら、猛スピードで浦和ICに向かう!
「飛ばすのもいいけど、事故らないでよ!」
「当たり前だ!俺の腕を信じろ!」
そう言うとボッサンは、シフトダウンして反対車線に飛び出して加速していった!
「ひぇ~!」
しばらくして、浦和市内の渋滞にハマった。
「なにチンたら走ってんだよ!みんな知らねーのかな。有名な交通標語。
『狭いニッポン、急いで行けば、早く着く』
ってやつ」
「ムチャクチャだな」
渋滞で浦和ICまで20分かかった。
あと40分!
ここからがGTRの本領発揮だ!
ジェット機の様なタービン音をたてながら、ロケットの様な加速をしていく。
シートに押さえつけられる!
みるみるうちに、視界が狭くなる!
その5㎞先を走るフェラーリF50。
金持ちのボンボンが運転、助手席には彼女。
「ねぇ、ローさん。200キロ出てるよ。大丈夫?」
「フェイフェイ。このF50に追いつける車なんていないのさ。な~んて結構いる。ンフッ。あ、パトカーだ」
ルームミラーの遠くに、パトカーの回転灯が見えた。
「え~い、返り討ちにしてくれるわ。見せてやるか、このF50の真の力を。国産車とは違うのだよ、国産車とは。ラテンブラッドの血が騒ぐぜ‥」
「もう行っちゃったよ。パトカー」
「ねー、気づかなかったのかな。ラッキー、なんつって。ンフッ」
ボッサン「あと25分!今、なんかいたか?」
「なんか赤いのがいたみたい。」
アクセルベタ踏みで巡航速度280㎞。
エンジンが保つかどうか。
ラッキーデカ長から無線が入る。
「バス会社に連絡したけど、運転手は携帯持ってないんだと。次のPAで連絡が来るらしいけど、それじゃ間に合わんから、とにかくバスを見つけてくれ~い。
バスの色は、赤地に白のナックルラインだ。たのんだよ、ボッサン!」
「了解!」
「あと20分!ヤッベ。水温が上がってきた!」
「車の中、暑くなって来ない?」
「あ~、水温が100℃超えた~!!」
「なんか煙出て来た~!」
GTRはスローダウン。徐々にスピードが落ちて行く。
そして
路肩に寄せて止まった。
降りてボンネットを開けると、もうもうたる煙が立ち上がる。
「何やってんのGTR!こんなとこでオーバーヒートしてる場合じゃないでしょ!バカじゃねーの!」
「あ~あ、やっちゃった!」
そこへ、さっきぶち抜いたF50が横に来て、
「どったの~?」
「あと15分!まだ間に合う!」
ボッサンとユオを乗せたF50は、猛スピードで点になっていった。
煙が上がってるGTRの前で、2人たたずむローさんとフェイフェイ。
「ガビーン」
フェラーリで疾走するボッサンとユオ。
「悪い事しちゃったね」
「これが2人乗りなのがわり~んだよ!無線で応援呼んどいたから、大丈夫」
アクセルベタ踏み!
時速250㎞!
「また壊さないでよ!これ高いよ~」
「何言ってんのオマエ。壊したんじゃなくて、壊れたんでしょ!」
「大して変わんないよ~。」
さらに疾走するフェラーリ。
「あと10分!お!あれじゃねーの?」
赤地に白のナックルラインのバスがいた!
バスの右に並んで窓を開ける。
「警察だ~!バスを止めろ~!」
運転手は、見て見ぬ振りをしてバスを止めない。
ボッサン、銃を抜くと空に向かって1発発砲!
銃口を運転手に向ける!
「早く止めろっつってんだろ!このボケ!」
「ひぇ~!」
バスは路肩に止まった!
バスに乗り込むボッサンとユオ!
「警察だ!このバスに爆弾が仕掛けられてる!みんな外へ出ろ~!」
全員バスの外に出す!
あと5分!
バスの中を探す!
「これか?」
ボッサンが駆け寄る!
シートの下に紙袋がある!
そっと取り出す!
あと3分!
袋を開けて箱を出す!
正方形の木箱で、蓋はテープで留まってる。
テープを剥がして蓋を開ける。
あと2分!
箱の四隅にM67!
安全ピンとレバーは無い!
中央にデジタルタイマー!
タイマーからM67にコードが2本ずつつながっている!
タイマーがカウントダウンしている
あと1分!
「ユオ!どうするよ!」
「コードを切っちゃえ!」
「切って大丈夫か?」
「わかんない!」
あと30秒!
ボッサンはコードを引きちぎった!
そして、カウントが0になった!
爆発はまぬがれた!
「ふぅ~!」
「間に合った~!」
2人はその場に座り込んだ‥
その100m後ろに止まっている黒いバン。
その男は時計を見ながら11時を過ぎると
「チッ」っと舌打ちをして、車を出した。