贈り物
あぶねー刑事シリーズの2作目。
ちょっと短目です。
香港で大暴れした後、ユオとおっぱいは退院して、日本へ戻って来た。
おっぱいの正体は、ボッサン、ユオ、モリモリの胸の内に仕舞っておくことにした。
日本へ戻って来て1週間、大した事件も無く時は過ぎていた。
川口警察署捜査1課
「しかし何だな、こう事件が無いと退屈だな」
と言いながらゴルフクラブを磨いているラッキーデカ長。
「平和でいいじゃないスか」
と言いながら新聞を読んでいるボッサン。
「なんかドカーンと事件が起きないかな~」
と言いながらPSPでモンハンをやっているユオ。
「ユオ、不謹慎だぞ。まったく!」
と言いながら、アコギを小脇に抱え“Oh! darling”を歌って…
これはちょっとやり過ぎ。
MUSICAを読んでいるホヘト。
「今日の晩ご飯なんだろな~♪」
と言いながら、デスクに飾ってある『なおなお』の写真を眺めているモリモリ。
その時、勢い良くドアが開いた!
「なんだ!事件か!」
椅子から立ち上がるラッキーデカ長。
ヘルメットを被ったバイク便の兄ちゃんが入って来た。
「お届け物でーす」
「なんだよ、バイク便かよ」
渋々座るラッキーデカ長。
「荻野目勇次さんってどなた?」
「ん?俺にか?」
ボッサンの前に紙袋を置くと
「ありがとうございました」
と言って部屋を出て行った。
「おい、ちょっと‥?」
みんなが興味津々で集まって来た。
「おかしくね~か?受け取りのサインってあるよな?」
「そんな事より、なんなのこれ。誰から?」
ボッサンが紙袋から箱を出す。手紙も入ってる。手紙を広げる。
「『開けてビックリしないでね。ボッサンを愛する者より』だとさ」
ボッサンは、箱を耳に当てたり振ったりしてから、
箱に掛かっているヒモを解いて取る。
箱の中で何かが弾ける金属音がした。
「ん?」
ちょっと考えるボッサン。
ボッサンの顔色が変わる。
いきなり走り出して、窓の外に箱を投げた!
ラッキーデカ長はクラブで背中をかきながら聞いた。
「どした?爆弾でも入ってたか?」
下の駐車場に停めてあるパトカーの屋根に箱は落ちた。
「まさか~。え?」
みんなで窓の下を覗き込む。
箱はパトカーの屋根の上でじっとしている。
「なんだよ。脅かすなよ~」
ラッキーデカ長がパトカーから目を離した瞬間!
凄い爆発音と共に、建物に地響きが走った!
「わ~!!」
モリモリが叫んだ!
ボッサンが窓の下を見ると、煙の向こうにさっきのバイク便の兄ちゃんがいた!
とっさに部屋を飛び出すボッサン!
署の外に出ると、パトカーの屋根はベッコリへこんで穴が空いていた。
署の門まで走って行くと、遠くに走り去って行くバイク便の後ろ姿が見えた。
そこにミニパトが巡回から帰って来て、レミが窓から顔を出した。
「あらボッサン。お出かけ?」
「ああ、急ぎの用だ!乗せてくれるか?」
「いいわよ」
と言い終わる前に、助手席のドアを開けて婦人警官を下ろすと、素早く乗り込んで
「ここから走り去ったバイク便を追っ駆けてくれ!爆弾魔だ!」
「ちょっと待って!」
と言うと、ノーマルのシートベルトを外して、
WILLANSの4点式シートベルトを締め直す。
「つかまっててよ!」
次の瞬間、激しいスキール音とともに、ボッサンの体はシートに押しつけられた!
「うわ~!!」
レミとボッサンの乗ったミニパトは、フル加速で追撃を開始した!