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アプリアル!  作者: 華月蒼.
第一話―――「アプリアルファイト」
7/18

2-2.累

 

 

 

 洗濯物を干し終えてひと段落した頃、部屋の呼び鈴が鳴った。続いてノックが3回。此処に来たことのある人物である合図だ。


 ジョギングに出ていた梓が戻ってきたのかと思って、僕はドアの覗き穴を見た。そこに映る人物は兄よりも小柄な体躯だった。


「ずいぶん早かったですね」


 ドアを開け彼(正確な性別を聞いたことはないが、便宜上「彼」と呼ぶことにしている)を部屋に招き入れる。梓が戻っていないが、彼なら問題ないだろう。


「まぁ、仕事ですしー?……で?」


 彼は僕の開けたドアから部屋に入ると、早速本題に入ろうとする。


「あぁ、兄さんは今出ているんですよね。戻ってくるまで待っていてもらえますか?」


 僕は居間(仕事に関する資料は既に片づけてある)に彼を通すと、台所に向かった。


「今日のランチはー?」

「そうですねー。ピラフにしようかな」

「じゃ、ピラフを頂きながら話しましょーかー」

「そうしましょう」


 間延びした彼の言葉に賛同し、お茶を出した僕は再び台所に立った。じきにジョギングから帰るだろう梓の機嫌を損ねないためにも、兄の戻るタイミングに合わせてピラフを完成させなければならない。

 

 

 

 

 

「ただいまー」


 買い物をした店の紙袋を抱えて梓が帰宅した。すぐに玄関に並べられた来客の靴に気づいたようだ。


「お帰りなさい、兄さん」


 梓から紙袋を受け取り、中身を確認する。頼んだものの他にも少し買ってきたようだ。


「お、昼はピラフかー。ってか、もう来たの?早くね?」


 スポーツウェアの上着のファスナーを開けながら居間に入った梓は、来客に少しだけ驚いたような表情を見せたが、構わずに汗で濡れたウェアを着替え始めた。


「まぁお仕事ですしー、緊急だと聞きましたしー。あとお昼食べれるかなって思ったんでー」

「で、ヒカリからもう何か聞いたのか、(カサネ)?」


 客――カサネと話しながらもさっさと着替え終えた梓は、累の向かい側に座る。


 (カサネ)は僕達と同じ情報屋、いわゆる同業者だ。もちろん名前は情報屋として使っている偽名だろう。今回のように、調査に行き詰まった時などに、お互いに情報を売買し合っている関係だ。性別を聞いたことはない。梓よりも小柄な体躯は女性のもののようではあるが、だぼだぼのサイズの洋服に隠された体のラインからは、女性特有の丸みを帯びたフォルムだとかそういったものも感じられない。僕たちの部屋に来るときには帽子は取っているが、普段は表情もわからないくらいキャスケット帽を目深にかぶるので、顔を判別するのも一苦労だ。そのキャスケットから垂れている髪は彼の鳩尾のあたりまで伸びた白で、瞳は紫色をしているが、おそらく梓と同じアルビノ種であるだろう事が分かる。


「まだ何も聞いてませんよー。今はピラフ待ちです」


 そう言ってスプーンを左手に持ちドヤ顔で答える累。その目の前に、僕は完成したピラフの入ったフライパンを置いた。


「……オレじゃなくて? 待ってたのはオレじゃなくてピラフなの? メインはピラフなの!?」


 ショックを受けた、と言わんばかりの表情を作り累の方を揺さぶる梓。累は梓に構わず、取り皿から吸い込むようにピラフを平らげていく。


「兄さんも食べないと……全部累さんに食べられてしまいますよ?」


 取り皿に盛ったピラフを梓の方に差し出す。梓も累に負けじとピラフを掻きこんでいく。二人の食べっぷりを嬉しく思うと同時に、その小柄な身体のどこにそんなに入るのだろうと疑問に思う。


 米3合分炊いたはずのピラフは、ものの10分もしない間に僕たち3人の腹に収まったのだった(そのうちの2.5合以上は僕以外の二人が平らげたものである)。


「さて、僕が今日呼ばれた理由を話してもらいましょーか?」


 食後のお茶を飲んで一服すると、累の方からそう切り出してきた。

 

 

 

 

 

累くんについてはもうしばらくしてから紹介文を書こうと思ってます。

まだ誰の紹介文も書いてないけど……

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