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アプリアル!  作者: 華月蒼.
第一話―――「アプリアルファイト」
5/18

1-3.依頼受理

お兄ちゃん結構好きなのに今回あまり出てきていないので、

テンション下がってます(´・ω・`)

 

 

 

「何なんだあの女……」


 そう言いながら、梓は風呂上りの濡れた頭をタオルでガシガシと拭く。僕は部屋の隅に置かれたパソコンに向かう身体の向きを変えずに、自分が使用した後に置いておいたヘアドライヤーを渡した。


 轟音を放ちながら髪を乾かす兄を尻目に僕はキーボードを叩く手を止めないでいた。ハナハナからの依頼について、わかる所までは自力で調べなければいけないからだ。


「で、何かわかった?」


 梓の細い猫っ毛の頭髪はすぐに乾き、ドライヤーを折りたたみながらそう尋ねてくる。

 僕は椅子の背もたれをギシギシと言わせながら後ろに仰け反るように筋肉の凝りをほぐした。


「……少なくとも、よくわかんないってことだけは解りましたよ……」


 そう答えながら、マウスを操作して画面をスクロールして見せる。画面に出てきたのは巨大掲示板のタイトルのリンクばかりで、内容のあるような結果は得られなかったことも同時に示している。


「なんっじゃこりゃ……『【わけが】異次元いってきたったw【わからないよ】』、『【あれは】変な世界に迷い込んだ話をするから誰か聞いてくれ【夢だったのか?】』、『【ホラー】異世界言ったことある奴集合www【しようぜw】』……マジかよ、こんなんばっかりか……」

「内容もチェックしたんですけど、正直マユツバモノばっかりってとこかな……」


 画面のタイトルを読み上げる梓に、僕は首を振りながら答える。


「あ、運営のコンピュータはもうハッキングしたのか?」

「とっくにね。めぼしい情報はほとんど無かったよ」

「そうか……」

「所謂フツーの法人のコンピュータの内容ってカンジだったけど?」

「ま、そんなアヤシイ情報うかうか残してはくれねーよな……」


 梓はベッドに勢いよく寝転がった。ぼふりと鈍い音を立てて仰向けに寝転がるその表情は、眉間にシワを寄せている。


「何なんだよ、『異世界に渡る力(優勝賞品)』って……」


 

  

 

 

「何なんだよ、ソレ!?」


 ハナハナの言葉に、兄さんは勢いよく喫茶店のテーブルに拳を振り下ろした。もうこの喫茶店は使えないな、と思う僕は、もしかしたら割と疲れているのかもしれない。


「だから、優勝賞品です」

「いやいやいや……」

「この優勝賞品『異世界に渡る力』について、お二人に調べていただきたいのですが」


 そう言うハナハナの表情はとても落ち着いている。正直、頭を抱えて口が引きつっている表情を隠せていない梓の反応こそ正しいもののような気がするのだが。


「あの、ハナハナさんは、どこでそのこと(優勝賞品)について知ったんですか?」

「噂です。私は兄から聞いたのですが、ネットで一部の人たちが大騒ぎしているって」

「その、一部というのは?」

「そこまでは聞きませんでした。でも、そういう情報で騒ぐ人たちのコミュニティなんて、限られてますよね?」

「えぇ……おそらく、掲示板やSNSだと考えられますが」

「そう思って私も調べてみたんですけど、全然見つからなくて。」


 そう言って俯くハナハナ。梓は相変わらず背もたれに身体を預けて、口を挟まないという意志を示している。


「では、ハナハナさんが知りたい『情報』は、『異世界に渡る力(優勝賞品)についての情報』で、よろしいでしょうか?」


 そうハナハナに尋ねると、彼女は顔を上げ、頷いた。


「わかりました。では、相談料と報酬についてのお話に移らせて頂きますが――」

 

 

 

 

 

 こうして僕たちは、ハナハナからの依頼を引き受けることになった。

 「アプリアルファイト(ラインハルトカップ)」の優勝賞品である『異世界に渡る力』とやらについて、調査をすることになったのだ。


 ハナハナと別れて帰宅した僕たちは、パソコンを立ち上げてネットワークに接続し、思いつく限りの情報を集め始めた。大会の運営財団のコンピューターへのハッキングはもちろん、あらゆるSNSでの会話という会話に検索をかけ、母国語ではない専門論文を漁り、掲示板の書き込みもチェックしている。


 今のところめぼしい情報は見つかっておらず、残る手段は他の情報屋に協力を依頼するか、ハナハナの言うとおり本当にアプリアルファイトに出場するか、だ。他の情報屋に協力を依頼すれば、当然報酬が減ってしまうし、最悪依頼主(クライアント)を取られてしまう危険もある(これはお互いに信頼関係の出来ていない情報屋同士だと稀にあるだけで、基本的に僕たちが頼ろうとしている情報屋はそういったことはないと思うが)。アプリアルファイトに出場するならば、それ相応の危険が伴うし、僕たち自身もアプリアルを使用した戦闘の訓練が必要になる。


 どちらを取っても、かなり険しい道筋だ。


「ねぇ、兄さん、」


 これからのことを相談しようとベッドにいるはずの梓の方を見ると、梓はスウスウと寝息を立てていた。


 目の前に表示されたパソコンの時計を見ると、ずいぶんと遅い時間になっている。


 パソコンをシャットダウンしてから、僕は部屋の灯りを落としてベッドに上がった。

 

 

 

 

 

 

 

 

設定情報


“電理研”:「電脳理化学総合研究所」の通称。端末やアプリ及びアプリアルの研究・開発を公式に行っている行政機関。ネットワークも管理しているが、その管理体制はかなり強固なので、並大抵のハッカーはネットワークを介してハッキングすることはほぼ不可能(なはず)。組織の体制や概要などは一般に向けてはあまり開示されていない。


ラインハルト:地名。由来としては、かつてこの地を救ったという神話の伝承にある武将ラインハルト公から取ったものと思われる。




概要と本編からキーワードっぽいの拾って解説してみたものの、まだあまり重要語句ってほどのモノは出てきてなかった(´・ω・`)

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