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オマケ2:ラスプーチンの孫

 ロストナンバーズにロシアのKGBからの視察がやってきた。

 金髪色白、透き通った青い目に、チャームポイントのそばかすのある可愛らしい女性がやってきた。名をアントニーナという。

 部隊の男たちはロシア美女に歓喜し、興奮していた。

 なんでも、このロシア女性は川内の知り合いらしく、以前居た傭兵部隊の仲間だということだった。


 「大村、アントニーナに女子更衣室案内して。」


 川内の命令に大村は勢い良く返事をした。


 「あ、おまえら、アントニーナが着替えてるの覗くなよ、絶対にだ!」


 そう言って大村とアントニーナを見送り、男の隊員たちに注意をすると、川内はどこかへ行ってしまった。


 男たちは川内の姿が消えるとここぞとばかりに女子更衣室へ向かった。


 女子更衣室で大村とアントニーナが訓練着を着替えている時のことだった。


 「オオムラさん、ロッカーの影に隠れテ!」


 穏やかな顔が一変、張り詰めた表情をしたアントニーナに気圧され、大村は思わずロッカーの人が収まるくらいの隙間に隠れた。

 大村にはアントニーナの姿は見えないが、アントニーナの影が細くて小さなものから、巨大な生き物のような恐ろしい影へと変わっていった。


 やがてコンクリートの壁が派手に壊れる音が響き、廊下に男性隊員達の阿鼻叫喚が聞こえる。

 男性隊員達は女子更衣室から現れた2m以上の巨大なゴリラに追いかけられていた。


 「だから絶対に覗くなっていったでしょ?!このバカタレどもがっ!」


 川内はいつのまにかゴリラの後方に居て銃を構えて居た。そして銃を発射すると、見事にゴリラの背中に命中した。どうやら麻酔銃らしい。

 男たちはゴリラが倒れると同時に腰を抜かして廊下にへたり込んだ。

 そして麻酔が聴き始めたゴリラはだんだんと小さくなっていく。川内は手に持っていた白い布をゴリラだったものに被せた。やがて白い布の中にはあどけなく寝息を立てるアントニーナの姿があった。


 「あー、言うの遅くなって悪かったわねー。」


 川内は仁王立ちしながら腰が抜けてる男性隊員たちをみおろしていた。


 「アントニーナは私と同じ動物に変身できる特殊な傭兵部隊にいてね。傭兵時代、女の着替えを覗こうとした不埒な輩をアントニーナがゴリラに変身して変態たちを再起不能にしてたっけなぁ〜・・・。」


 川内は男たちの怯える反応を楽しそうに見ながら過去の出来事を語った。


 「大村、手伝って!」


 女子更衣室の入り口から一部始終を見ていた大村に川内は気づいており、大村に命令した。大村は慌てて川内の側まで駆け寄った。


 「あんた達、死にたくなかったら会議室へ今すぐ行きなさい!」


 「はいぃぃ!」


 男たちはほうほうのていで会議室へ急いで向かった。

 そうこうするうち、アントニーナはゆっくりと目を覚まして目をこすった。

 川内と大村はアントニーナが起きるのを手伝うのと同時に肌を晒さないよう布で包んだ。


 やがて会議室に真っ青な顔色の男たちと、白川・川内、そして大村と半分眠そうにしているアントニーナがいた。


 「しばらく男子更衣室を女子更衣室にして、男どもはここで着替えること。」


 白川は半ば呆れ返っていた。

 アントニーナがゴリラに変身し、女子更衣室の扉とその周りのコンクリートまで破壊してしまい、修理には時間と金が掛かると思うと白川は頭が痛かった。

 一応川内から聞かされていたものの、まさかこれほどの威力とは白川自信も思っていなかった。


 やがてアントニーナとの合同訓練がはじまり、やはり強い動物に変身できるからか、穏やかで可愛い顔をしながら涼しげに訓練をこなしていく。これを見て男たちはこのロストナンバーズにいる女のほとんどは男以上に恐ろしいとまざまざと思い知らされた。


 そしてアントニーナの視察も終わり、隊員の男たちは疲労困憊だった。


 「あー、久々にアントニーナと練習すると気合入るわー!」


 川内はアントニーナとの合同練習がとても楽しかったらしい。

 ふと、大村は自分が巻き込まれた事件で、川内がロシア語とラスプーチンのことを知っているようだったのを思い出した。そしてそのラスプーチンに知り合いが関わって居ることも思い出した。


 「あの、川内隊長、アントニーナさんって・・・。」


 大村の問いに、川内は一瞬固まる。川内はしばらく考えあぐねた後、答えた。


 「アントニーナはラスプーチンの孫で、ラスプーチンの実験台にされたの。」


 「ご、ゴリラに変身する実験ですか?」


 大村は思わず背筋に冷や汗が流れ、喉が鳴った。


 「自分の孫を実験台にするのもどうかと思うけど、霊長類最強のゴリラ部隊を作ろうなんて発想自体がおかしいのよ。」


 川内は腕を組んでため息をついた。


 「アントニーナも傭兵時代、すごく悩んでた。普通の女の子になりたいって、男たちボコボコにした後に泣いてたなぁ・・・。」


 川内もアントニーナも普通の女性だったらこんなに悲しい思いをしなくてよかったはずなのにと、女性として大村の胸は痛んだ。

 

6話目で、川内さんがロシア語とラスプーチンに詳しかった理由です。

ゴリラに変身するのは性別関係ないようです。

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