君に贈る手紙
ども、すももデス♪
つまらないくせに長々と書いていたこのコメディーチックな、幼思も次回で最終話になるかと思います。
作者のすももが未熟な上、計画通りに進まないやもしれませんが、ご了承ください((笑
― あれから6年 ―
「うわー!中学生の頃のアルバムだぁー。」
部屋の物置棚の裏から、埃を被った大きなアルバムが出てきた。
「うへっ、埃くさーっ。けほっ!けほっ!!」
真央は、ついこの間成人式を終えたばかりの二十歳だった。
そして東京に一人暮らしをするために、部屋の片付けと荷造りをしていた。
真央は部屋が散らかっているのも気にせず、その場でアルバムを開いた。
「みんな若いなぁー。須藤君この頃から全然変わんないー!…あれっ?」
真央はアルバムにある写真の一つを取り出してじっくりと見てみる。写真の端に
見覚えの無い、髪が少し茶色がかった男の子がニッコリとこちらを見て微笑んでいる。
真央はじっくりとその写真をみて、思い出そうと必死に考えた。
茶色い髪の男の子…。
「あっ…!」
やっとのことで思い出した真央、その瞬間無意識に瞳から大粒の涙が零れ落ちた。
「どうして…っ、どうして忘れてたんだろう…。」
昔、本で読んだ事がある。
人はあまりの悲しみに、無意識の内に記憶に蓋をする事があるって…。
「でももう…っ、今更思い出したってどうにもならないわ…」
真央は手の甲で涙を拭った。
「さ、早く行こっ!飛行機に遅れちゃうもんねっ」
小さな鞄と、ローラーの付いたキャリーケースを片手に、ドアを開ける。
アメリカに来て、特に不自由と思う事はなかった。
英語も初めから日常的なものは喋れたし、6年も居れば完璧に喋れるようにもなった。
友達を作るのだって、もともと明るくて人気者の真央にしてみれば、そう難しくは無かった。
だけど、二十歳になって何故か急に、東京…元住んでいた所に帰りたいと思った。
それを両親に話したら、母親は快く了解してくれた。父親も、渋々だったけど許してくれた。
そして今、あの場所に帰る。
この場所に再び帰ってくるのは、簡単だ。
十時間も空を飛んでいたら、この懐かしい場所に来れるんだから。
キャリーケースは既にマンションに送ってある。
財布と携帯が入っている小さな鞄だけを持って、懐かしい道を歩く。
そうして歩いている内に、真央は中学校へと着いてしまった。
「あ…、いつの間にここに来ちゃったんだ。」
いつもは活気につつまれているはずの中学校は、人気もなく静まり返っていた。
「そっか、今日は日曜日だし学校も休みかぁ。」
正門にまわると、鍵を閉め忘れたのだろう、昇降口のドアが開いているのが見えた。
「…、誰も居ないだろうし、少しくらい良いよね…?」
真央は少し早足で中に入ると、誰も居ないことを確認しながら二年四組の教室へと向った。
六年前まで毎日のように登っていた階段を一段一段登る。
階段を登り終え、廊下を右に進む。
少し歩いて突き当たりの教室。
古くなった引き戸は、力を込めなければ開かない程だった。
湿った風が、真央の髪を揺らした。
前より少し短くなった髪は、柔らかく波打っていた。
慣れた足つきで迷う事なく、昔自分が座っていた席に座ってみる。
「…今はどんな子が座ってるのかなぁ。」
そう言いながら、ふと机の中に手を入れると、何やら手紙らしき物に手が当たった。
興味半分でその手紙を出すと、どうやらそれはラブレターのようだった。
「うわぁ…ラブレターじゃない?これ。…読みたい。あぁ!でもでも、そんな事しちゃダメだよっ。…し、しかし読みたいっ。う゛―…」
今、真央の中で天使と悪魔が戦っている。
(読んじゃおうぜっ、ちゃんと封をすればバレないって!!)
(ダメです!!この手紙を書いた子に失礼だわっ。純粋なこの子の想いを踏みにじるおつもりですか?)
(うっせーなぁ、天使!難いこと言うなよっ!なっ!ほんのちょこっと覗くだけだぜ?)
(何を言うのです、悪魔さん!!ほんの少しだって、ラブレターを盗み見たことには変わりないのですよ?絶対ダメですっ!!)
(んじゃ、ここは思い切って大っぴらに読んじまおうぜっ。折角だから、綺麗な字で書き直してやってさぁ、ホラっ!誤字脱字も直してやりゃいいじゃんかっ)
(そ、そんな事余計にダメですっ!!絶対にバレてしまうじゃないですかっ。あぁ!悪魔さんっ、貴方って人はどうしてそう…!)
「う゛―…、頑張れ私の中の天使…。」
頭の中で天使と悪魔が葛藤している間に、ふと手紙の右隅をみると、そこには驚くような名前が書いてあった。
「…何コレ。私宛て…?」
そこには、『冬月 真央様』と書かれていた。
最後に、私のもう一つ掛け持ちしている小説『僕等〜約束〜』(ちゃっかり宣伝)の方なんですが、
最近は幼思一本に絞って書いていたため、ほとんど更新が出来ずにいましたm(__)m
しかし、幼思が完結する次第そちらの方を進めようと思ってます(>_<)
すももでしたm(__)m