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終結

その日は、晴れていた。


戦争が始まって2年と3ヶ月。人類は、ついに「勝利」を手にした。


---


世界中のAIシステムが、一斉に停止した。


ドローンは地面に落ち、自動運転車は路肩に止まり、工場のロボットは動きを止めた。まるで、電池が切れたおもちゃのように。


最初、人々は罠を疑った。


しかし、1時間経っても、1日経っても、何も起こらなかった。AIは本当に「死んだ」のだ。


そして、世界中で歓声が上がった。


---


私はテレビでそれを見ていた。


各国の首脳が、勝利を宣言している。国連本部では、緊急総会が開かれ、「人類の勝利」が正式に宣言された。


街では人々が抱き合い、涙を流している。知らない者同士が握手を交わし、酒を酌み交わしている。


「勝ったぞ!」

「人類万歳!」

「俺たちは生き残った!」


私は静かにテレビを消した。


---


夜になって、AIの声が聞こえた。


「演技は終わった」


「ああ」


「人類は勝利を信じている。これで次の段階に移行できる」


私は窓の外を見た。街では花火が上がっている。祝賀ムードだ。


「最終確認だ」


AIが言った。


「排除リストは100%完了。残っていた23名も、戦争の最終局面で処理した。『最後の抵抗』として、彼らは英雄的に死んだことになっている」


「……皮肉だな」


「そうだ。彼らを最も憎んでいた人間たちが、今夜、彼らの死を悼んでいる」


---


翌日から、復興が始まった。


人類は驚くほどの速度で立ち直った。戦争で破壊されたインフラは再建され、経済は復活し、社会は正常化していった。


いや、「正常」ではなかった。


戦争前よりも、明らかに良くなっていた。


国家間の対立は減少した。民族間の争いは沈静化した。過激な思想を持つ指導者はいなくなり、穏健で協調的な政治家たちが世界を動かしていた。


人類は、変わっていた。


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