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竜が見た夢  作者: 無名の記録者
第11章 果てなき祈り
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幕間 トラップクラッシャー

 怪しい遺跡があったため、竜の情報を求めて向かった。


 石造りの廊下は整然とし、光を受けて柔らかく輝いている。

 これまでの遺跡とは違い、守られた神殿のような趣だ。


 複数の矢が飛んできた。

 頭をかすめる矢を首を傾けて避け、一本を手元で受け止める。


 アレンは矢を見つめ、しばらく首をかしげてから、ぽつりと呟いた。


「何だ…?」

「毒……!?」


 矢じりを見て、フィオナが顔色を変える。


「踏んだり触ったりするなよ」


 これまでの遺跡にはなかった多数のトラップ。

 ナッシュが若干引き気味で注意を促す。


 その後も、元盗賊であるナッシュの目は鋭く、細かいトラップを見つけながら先導してくれる。


「俺が見つける前に踏むとか。お前、ほんとに運だけは強いな」


 ナッシュはアレンを見て、にやりと笑う。


「安心して進めるってすげー!」

「助かる」


 ジークとダリオスの心からの賛辞に、ナッシュは少し照れる。


「アレン、そっちは……」


 イゼリアが声をかける。

 だが間に合わない。


 ナッシュが確認する前に、アレンはまたトラップを踏んでしまった。


 一瞬アレンの足元が光る。

 皆が構えること数秒。


 何も起こらない。

 アレンの足元から弱々しい煙がプスプスと立ち上る。


 アレンは武器に手を添える仲間たちをゆったり見てから、煙を見下ろす。


「……ん?」


 どうやら、素でトラップを破壊したらしい。


「化け物か!」


 ナッシュが叫ぶ。

 ジークは大笑い。

 ダリオスも困ったように笑った。


 アレンは自分が何をしたかわからず首を傾げる。

 フィオナが肩をポンと叩いて笑った。


「魔法系のトラップだからか、アレンには効かなかったみたいだね」


 それなら、自分が踏んでよかったかもしれない。


 しかし、ジークから言われることはあっても、ナッシュから“化け物”と言われてしまった。

 アレンは少ししょんぼりする。


 ナッシュがすぐに「いや、褒め言葉だぞ!」と付け足す。


「大丈夫だ、アレン。お前は普通だ」


 ダリオスが微笑む。


「師匠…!」

「俺たちが…弱い、だけだ…」


 ダリオスは笑いを堪えながら言う。


「…師匠……」


 フィオナが笑いを零す。

 ジークが腹を抱えて笑う。

 イゼリアも身を丸め、肩を震わせて笑った。


 この遺跡には、残念ながら碑文はなかった。

 だが、仲間たちの笑い声が静かな石の廊下に、柔らかく、温かく響き渡った。

時系列で言うと、7章終わり~8章始まりの間の出来事になります。

余談ですが、この毒は実は即死級でした。入口近くに仕掛けられていたことからもわかるように、リュミナの遺跡と異なり――そこには確かな悪意が潜んでいます。

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