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第7話 快進撃

『Round 7 - Prepare Phase -』

『Level Up! Player Level: 4, Max Units: 5』

《Player 774 (ジン) HP: 3 | Coin: 11 | Lv: 4 | Units: 5/5》

《Player 812 HP: 4 | Coin: 10 | Lv: 4 | Units: 5/5》


 第7ラウンド準備フェーズ開始! そしてルール通り、奇数ラウンド開始時にレベルアップ! レベル4になり、配置可能数が4から5になった! これは大きい! コインは勝利したので11、敗北した相手は10。HPはジン3、相手4。レベルと配置数、コイン、全てでこちらが有利な状況だ!

 盤面には復活した☆1シャドウウィスプ, ☆1ブリンクフェアリー, ☆1スナイプフロッグ, ☆2サンダーバードがいる。ベンチには☆2ウィスプと☆1サンダーバード。これが俺たちの現在の戦力だ。


「配置数が5になった……! これなら、メイジアサシンを維持しつつ、前衛を置ける!」


 俺は盤面を見つめ、思考を巡らせる。前回のメイジアサシン4体構成は強力だったが、前衛がいないため、相手の☆2ゴーレムを倒すのにギリギリだった。相手がさらに守りを固めてきた場合、突破に時間がかかるかもしれない。


「ミミ、相手の様子は? どんなユニットを見てる?」

「うん!」


 ミミは集中して相手のオークを観察する。


「すごく……すごく考えてるみたい。ストアを何度もリロールしてる。それでね……やっぱり硬いゴーレムとか、メカ系のユニットを見てる。あと……あれは……トゲトゲした、亀みたいなやつ?」


 ゴーレム、メカ……やはり前衛を固めてくるか。トゲトゲした亀……? もしかしてルールブックでちらっと見た【反射】スキル持ちのタンクか! 俺のメイジやアサシン対策として、これ以上ない選択だ。厄介だな……。


 だが、相手が守りを固めてくるなら、こちらの戦略は変わらない。メイジアサシンの突破力で、相手の守りが完成する前に後衛もしいるならを叩き潰す! そして、増えた1枠には、こちらもタンクを配置して、相手の前衛(☆2ゴーレムなど)を足止めする!


 俺はストアを見る。タンク役を探す。

【レア:ベアージェネラル(ビースト/タンク)☆1 コスト3】

【ロックゴーレム(ゴーレム/タンク)[コモン] ☆1 コスト3】

【シャドウウィスプ(スピリット/アサシン/メイジ)[アンコモン] ☆1 コスト3】

【ブリンクフェアリー(フェアリー/アサシン)[コモン] ☆1 コスト3】

【ヒーリングピクシー(フェアリー/サポーター)[コモン] ☆1 コスト3】


 なんだ……!? ストアのラインナップの中に、ひときわ異彩を放つユニットがいる! 名前の前に【レア】という表示。そして、熊の獣人のような、屈強な将軍といった風貌のアイコン。ベアージェネラル……!

 これが、レベルが上がると稀に出現するという高レアリティユニットか! ルールブックには、[コモン]、、[レア]、さらにその上に[エピック]や[レジェンド]といったレアリティが存在すると書かれていた。レアリティが高いほど、基本性能が高かったり、強力な固有スキルを持っていたりするらしい。コストは☆1ユニットと同じ3コインのようだが、その価値は計り知れない。

 タンクが欲しかったこのタイミングで、レアのタンクが出現するとは! 運が向いてきた!


 俺は迷わず【レア:ベアージェネラル】を購入(3コイン)。残り8コイン。

 配置は、前列中央にこの☆1ベアージェネラル[レア]を配置。後列には復活した☆1シャドウウィスプ、☆1ブリンクフェアリー、☆1スナイプフロッグ、☆2サンダーバードを配置。配置数5を使い切り、【アサシン(3)】【メイジ(3)】シナジーは維持しつつ、強力な前衛の壁を作った!


 残り8コイン。☆2アサシンを作りたい! ストアにはシャドウウィスプとブリンクフェアリーがいる! 購入!(計6コイン)これでベンチに☆1シャドウウィスプと☆1ブリンクフェアリーが1体ずつ追加され、それぞれ☆2リーチ! 残り2コイン。

 リロール!(1コイン)残り1コイン。ストア更新! ……特にめぼしいものはない。最後にリロールするが、収穫はなかった。


 最終配置:前列 ☆1ベアージェネラル[レア]。後列 ☆1シャドウウィスプ, ☆1ブリンクフェアリー, ☆1スナイプフロッグ, ☆2サンダーバード。

 最終ベンチ:☆2ウィスプ, ☆1サンダーバード, ☆1シャドウウィスプ(リーチ), ☆1ブリンクフェアリー(リーチ)。


「相手の人、配置決まったよ! やっぱり☆2ゴーレムの前に、トゲトゲ亀を置いてる! 後ろには……何か硬そうなメカが2体!」


 ミミが報告する。やはりアサシン対策の反射タンク入り前衛固め構成か!


『Combat Phase Start』

《Player 774: ☆1ベアージェネラル[レア], ☆1シャドウウィスプ, ☆1ブリンクフェアリー, ☆1スナイプフロッグ, ☆2サンダーバード | Bench: ☆2ウィスプ, ☆1シャドウウィスプ, ☆1ブリンクフェアリー, ☆1サンダーバード | Syn: アサシン(3), メイジ(3), ビースト(1), タンク(1), ……》

《Player 812: ☆2ロックゴーレム, ☆1スパイクタートル[レア], ☆1ガードビット, ☆1オートマタソルジャー | Bench: ? | Syn: ゴーレム(1), タンク(2), メカ(2), ……》


 戦闘開始! 相手は前衛に☆2ゴーレムとトゲのある☆1スパイクタートル、その後ろに☆1ガードビットと☆1オートマタソルジャーという前衛偏重の【メカ(2)】構成! スパイクタートルはレアのようだ!


 だが、俺のアサシンたちは止まらない! 【アサシン(3)】効果で、☆1シャドウウィスプ、☆1ブリンクフェアリー、☆1スナイプフロッグが相手の後衛、メカ2体へと跳躍する!


「なにぃ!?」


 相手のオークが驚く。前衛を厚くしても、アサシンはそれを飛び越える!

 相手のメカは攻撃力が低い! アサシンたちの集中攻撃を受け、ガードビットとオートマタソルジャーがあっという間に破壊される!


「よし! 後衛は潰した!」


 問題は前衛だ! 俺の前衛、**☆1ベアージェネラル[レア]**が、相手の☆2ロックゴーレムと☆1スパイクタートルの攻撃を受け止める!

 ガンッ! ゴンッ! 激しい打撃音! ☆1でありながら、ベアージェネラルは怯まない! その熊のような巨躯は、☆2ゴーレムの重い一撃をしっかりと受け止め、スパイクタートルのトゲ攻撃にも顔色一つ変えない! これがレアユニットの力か! 基礎ステータスがコモンとは比較にならないほど高い!


 俺の後衛に残った☆2サンダーバードがスキル【サンダーブレイク】を発動! スパイクタートルに強力な雷撃が落ちる!


「ギャシィ!?」


 スパイクタートルが悲鳴のような音を立て、甲羅のトゲから電撃が逆流する! サンダーバードが反射ダメージを受けるが、構わない!

 同時に、背後に回り込んだアサシンたちが、相手の前衛ユニットに襲いかかる! シャドウウィスプがゴーレムを、ブリンクフェアリーとスナイプフロッグがスパイクタートルを集中攻撃!


 スパイクタートルの反射ダメージは厄介だが、先に相手の壁を崩す! ☆2サンダーバードの魔法攻撃とアサシン2体の集中攻撃で、スパイクタートルを撃破!


「よし! 反射タンクを落とした!」


 その間に俺の前衛、☆1ベアージェネラルは、相手の☆2ロックゴーレムの攻撃を受け続けながらも、まだ倒れていない! 驚異的な耐久力だ! あれなら☆2タンク以上の働きをしている!

 残る相手は☆2ロックゴーレムのみ! こちらはベアージェネラル、アサシン3体、☆2サンダーバードが健在! 5対1!

 数的有利、そして☆2アタッカーがいる! 集中攻撃で、相手の☆2ゴーレムを粉砕!


 相手盤面、再び全滅!


『Round 7 - VICTORY -』

《Player 774 (ジン) HP: 3 | Player 812 (オーク) HP: 3》

《Round Winner: Player 774》


 勝った! これで3連勝だ! そしてついに、相手のHPを3まで削り、完全にイーブンに持ち込んだ!


「やったー! 追いついたね! あのクマさん、すごく強かった!」


 ミミとハイタッチを交わす。レアユニット、ベアージェネラルの活躍は予想以上だった。こいつを育てれば、大きな戦力になるかもしれない。


『Round 8 - Prepare Phase -』

《Player 774 (ジン) HP: 3 | Coin: 11 | Lv: 4 | Units: 5/5》

《Player 812 HP: 3 | Coin: 10 | Lv: 4 | Units: 5/5》


 第8ラウンド。レベルは4のまま、配置数は5。収入は勝利したので11コイン。相手は10コイン。HPは3対3。完全に五分だ。

 盤面には復活した☆1ベアージェネラル、☆1シャドウウィスプ、☆1ブリンクフェアリー、☆1スナイプフロッグ、☆2サンダーバードがいる。ベンチには☆2ウィスプ、☆1サンダーバード、☆1シャドウウィスプ(リーチ)、☆1ブリンクフェアリー(リーチ)。


「相手、すごく焦ってるみたいだよ、ジンさん! 何度も何度もリロールしてる! 今度は……もっとメカのユニットをたくさん見てる! キラキラ光る、レアっぽいメカも探してるみたい!」


 ミミが興奮気味に伝える。

 レアなメカ? 俺のメイジアサシン対策に、さらに耐久力を上げ、かつ攻撃力もある構成を狙っているのか? 油断はできない。


 こちらも盤面を強化する。☆2アサシンを作りたい!

 俺はストアを見る。狙いはシャドウウィスプとブリンクフェアリー!

 ……シャドウウィスプもブリンクフェアリーもいない! くそっ、肝心な時に引きが悪い!

 だが、ストアに再び輝くカードが!


【オーバードライブ・ギア [レア] ☆1 コスト3】


 またレアユニット! 歯車のような姿をしたメカ系のユニットか? これも有効かもしれない……いや、今はアサシンの強化が最優先だ。

 リロール!(1コイン)残り10コイン。

 ストア更新! 【シャドウウィスプ】! 来た! 購入(3コイン)。ベンチの1体と合わせて☆2シャドウウィスプ完成! 残り7コイン!

 さらに【ブリンクフェアリー】もいる! 購入(3コイン)。ベンチの1体と合わせて☆2ブリンクフェアリーも完成! 残り4コイン!

 リロールするとスナイプフロッグがいた! すぐさま購入しベンチへ! 残り0コイン。


 ☆2アサシンが一気に2体もできた! これは大きい!

 最終配置:前列に☆1ベアージェネラル[レア]。後列に☆2シャドウウィスプ、☆2ブリンクフェアリー、☆1スナイプフロッグ、☆2サンダーバード! ☆2ユニット3体(さらに1体のレア!)という超強力布陣!

 ベンチには☆2ウィスプ、☆1サンダーバード、☆1スナイプフロッグ(リーチ)。


「相手は……メカがたくさん! ☆2ゴーレムもいる! あと、何か……捕まえるスキルを持ってるみたいな、カニみたいなメカもいるよ!」


 ミミの報告。メカシナジーに加えて、拘束スキルまで入れてきたか! 徹底的にアサシンを潰すつもりらしい。


『Combat Phase Start』

《Player 774: ☆1ベアージェネラル[レア], ☆2シャドウウィスプ, ☆2ブリンクフェアリー, ☆1スナイプフロッグ, ☆2サンダーバード | Bench: ... | Syn: アサシン(3), メイジ(3), ……》

《Player 812: ☆2ロックゴーレム, ☆1ガードビット, ☆1オートマタソルジャー, ☆1キャプチャーボット[レア], ☆1スパイダーマシン | Bench: ? | Syn: メカ(4), タンク(2), ……》


 戦闘開始! 相手は【メカ(4)】シナジーを発動させてきたか!? 硬そうだ! しかも、キャプチャーボットとかいう、いかにも厄介そうなレアユニットがいる!

 俺のアサシンたちが跳躍! ☆2シャドウウィスプと☆2ブリンクフェアリーが相手の後衛メカに襲いかかる! ☆1スナイプフロッグも続く!

 ☆2サンダーバードが後方から【サンダーブレイク】を詠唱!


 その瞬間、相手のキャプチャーボットがスキル【ワイヤートラップ】を発動! 俺の主力、☆2シャドウウィスプが電磁ワイヤーのようなものに捕縛され、動けなくなった!


「しまっ……!」


 狙い撃ちされた!

 だが、☆2ブリンクフェアリーと☆1スナイプフロッグ、☆2サンダーバードは健在だ! 相手のメカユニットに集中攻撃! メカは硬いが、こちらの火力は☆2が中心だ!

 相手の☆1メカたちが次々と破壊されていく!


 相手の☆2ゴーレムが俺の前衛、☆1ベアージェネラルに攻撃を集中する! レアユニットとはいえ☆1、さすがに厳しいか……!?


 しかし、ベアージェネラルは咆哮すると、その身に緑色のオーラを纏った! スキル【不屈の闘志】! HPが減っているほど防御力が上がる! 硬い! 驚異的な粘りを見せ、相手の☆2ゴーレムを足止めしている!


 その間に、後衛を片付けた☆2ブリンクフェアリーと☆1スナイプフロッグが、相手の前衛に攻撃を開始!

 やがて☆2シャドウウィスプの拘束も解ける! 自由になった☆2アサシンが、怒りの反撃を開始!


 4体のアタッカー(☆2が3体!)で相手の☆2ゴーレムとキャプチャーボットを集中攻撃!

 相手の耐久力も大したものだったが、こちらの火力がそれを圧倒した! ベアージェネラルも最後まで耐えきった!


 相手盤面、全滅!


『Round 8 - VICTORY -』

《Player 774 (ジン) HP: 3 | Player 812 (オーク) HP: 2》

《Round Winner: Player 774》


 勝った! これで3連勝だ! そしてついにHPで完全に逆転した! 3対2! あと2勝すれば、この長く苦しい戦いが終わる!

 相手のオークは、もはや怒りを通り越して呆然としているように見えた。信じられない、といった表情でホログラム盤面を見つめている。


 俺たちコンビの快進撃は、もう止められない!

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