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Prologue
身長165cmで、短髪で、男のような見た目。だが、名前だけは明らかに女子。
それが私、月村ゆうかだ。
「月村くん、これ取ってくれる?」
「あー、うん、いいよ。」
「前田、こいつ女。」
「え、あ、ごめんっ!!」
「全然大丈夫(笑)」
これが日常の風景。
別に否定しようとも思わないし、何しろ面倒でしかない。
短髪の自分が悪いんだし、という諦めすらある。
小学生の頃は強制的にスカートだったため、間違えられることはなかったが。
現在通っている中学校は女子に関しては選択制になっている。
無論、私はズボンを選んだ。
そのため、間違えられることが多くなってしまったという訳だ。
そんな少し特殊な日常を送っていた私が中一の秋に起こった出来事だ。
二泊三日の合宿で、私はとある男子に好意を持っていることに気づいてしまった。




