悟×お汁粉
「真智先輩、行って来ましたぁ」
真智先輩に頼まれたお使いをして病棟に戻って来た。
「悟、休憩室にお汁粉あるから食べてきて良いよ」
「真智先輩♡大好きです! それでは、お汁粉ちゃん、遠慮なくいただいてきま〜す」
休憩室で弥生先輩とお汁粉を食べながら。
「そういえば、救急外来が忙しそうでした」
すると弥生先輩が、年明けはお餅を喉に詰まらせる人が多いことを説明してくれた。
俺は咀嚼の口が止まり、持っていたお汁粉を見ながらゆっくり箸を置いた。
「……俺、お汁粉食べるのやめます」
「ばかねぇ。よく噛んで食べたらいいのよ!」
「そうですよね! よく噛んで食べたら良いんですよね。お汁粉ちゃん、食べるのやめるなんで言ってごめんね。美味しく食べるからねぇ。弥生先輩、お汁粉美味しいですねぇ」
「あはは、そうだね。師長に美味しかったって言ってあげたら喜ぶと思うよ」
「了解しましたぁ」
残りのお汁粉を堪能して、病棟に戻る。
「悟……」
「はい。ん? 陽菜先輩、何か呆れてません?」
「ほっぺたにあんこ付いてるよ」
「えぇ〜、陽菜先輩、早く行ってくださいよ。僕このまま、オムツ替えに行くところでしたよ。ほんとにもう危ない危ない。栄養補給したし、ほっぺのあんこも取ったし、午後からも頑張るぞぉ〜!」
どうやって食べたら、ほっぺたにあんこが付くのか、そして気付かないもんかねと、頭が痛い陽菜であった。