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同期×企画

 日勤で出勤の今日も、いつも通り更衣室で着替えて病棟に向かう。


「陽菜!」


 私を呼ぶ声が聞こえて後ろを振り返ると。


「あっ、妙ちゃん。おはよう」


「おはよう陽菜」


 同期で入職して仲良くなった子のひとり。彼女は外科病棟の看護師。


「今度さぁ、外科系チーム企画、みんなでお食事会をしようって話になってるんだけど、都合よかったら陽菜に参加してもらおうって思って」


「えぇ、NICUの私が行っても迷惑になるだけだから、外科病棟って東棟でしょ? 同じ階の西棟の人達に声かけたら良いじゃん」


「整形と形成だから外科系チームは誘わなくても来るんだよ」


「なるほど。ってか、建物からしてウチらは別棟じゃん。周産期だから。それでも良いの?」


「たぶん」


「何その、たぶんって。考えさせて。保留ね」


「えぇ〜……わかった。前向きに考えてよ」


「それはどうかな。じゃあまたね〜」


 妙ちゃんと別れて周産期医療センターへ向かう。そしてお昼休憩時に、仲のいい整形外科の祥子ちゃんと偶然に一緒になった。


「陽菜! ここおいでよ」


「祥子ちゃん、お疲れ様。お邪魔しま〜す」


 祥子ちゃんは、どこにそんなに入っていくの? っていうくらい量を食べる。見ている私の方が、お腹いっぱいになりそうな感覚を受ける程、豪快に食べるのだ。まぁ、チビチビ食べてお腹いっぱいって言いながら隠れて別のもの食べるような子よりはるかに良い。


「おぉ、今日は大盛りだねぇ」


「午後からオペ患者の担当だからね。食べておかないと持たないもん」


「お疲れ様。体力勝負だもんね。外科系って」


「そうだよ。こんなに忙しいなんて思わなかったよ。陽菜んとこは?」


「今は落ち着いてるかな。悟がやらかして真智先輩に怒られてたくらいかな」


「陽菜、それ落ち着いてるって言うの?」


「子供達は落ち着いているもん」


「なら良いっか」


 ふたりで笑いながら楽しくお昼が進んでいく。こうして午後からの英気をエールを送り合う。


「あっ、そうそう。陽菜、今度さぁ、外科系チーム企画のお食事会をしようと思ってるの。陽菜も良かったら来ない?」


「あれ? それ朝ロッカー室で妙ちゃんがチラッと話してたよ。返事は保留にしてあるけど」


「何か用事ある?」


「外科系の子たちだけなのかと思って」


「外科系の同期がたまたま集まって研修受けた時に、同期で集まってご飯食べたいねって話してて、それなら外科系ナースが幹事となって声かけしようってなったわけ」


「それなら理解した。妙ちゃんの説明不十分過ぎる」


「あはは、さすが妙子。あの子に幹事は無理だね」


 懐かしいなぁ。同期会かぁ。同じ病院に勤めていても私は周産期だから、よっぽど仲の良い子じゃないと会うことも少ないもんなぁ。場所もここの大会議場を借りる予定らしい。


「詳しく決まったら声かけるから、都合つけて来てよ陽菜」


「うん、わかった。同期なら前田にも声かけておこうか? 同じNICUだし」


「うんうん頼むわ」


「またね」


「うん。陽菜またね〜」


 なにやら、大きな規模の同期会になりそう。外科系の子が幹事だもんね。うんうん外科系。ひとり納得しながら祥子ちゃんと別れて周産期医療センターへ戻る。


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