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陽菜×出会い①

「矢崎さん」


 依元師長に呼ばれたため、作業を悟に引き継ぎ、私は依元師長の元へ向かった。


「はい。お待たせしました」


「薬剤部の人来るから、在庫確認の立ち合いしてもらえる?」


「わかりました」


 月末だもんね。いつもすぐ終わるから、今日も大丈夫かなぁと気楽に考えていたのだが。


 しばらくして薬剤部の人が来たので、私が立ち合い在庫確認が始まった。


「その棚の上のを確認したら終わりです」


 あっ、あれね。ってか、そんな上に置かないでよ。取れないじゃん! って心の中で文句を言ってみるも、現状が変わるわけではないので、ここは頑張るしかない。


(うわっ、重たっ……痛っ!)


「あっ!」


 その時、バランスを崩し箱を落としてしまった。


(やっちゃった)


「大丈夫ですか?」


「はい。大丈夫です」


 右手首にピリッとした痛みが走るものの、今は怪我を気にしている場合ではないと思い、在庫確認の続きに戻った。そして、落とした箱の中身を確認する。


「NICU病棟。今月も異常ありません」


「ありがとうございます」


 薬剤部による薬剤検査が終わり、右手首を確認しながらナースステーションに戻る。痛みはあるが、骨に異常がある様子はみてとれないので、大丈夫だろう。帰ったら湿布で対応しよう。私は師長へ検査終了の報告をするため、依元看護師長を探すことにした。


「真智先輩、薬剤検査終わりました。師長ってどこに行かれたか知ってますか?」


 真智先輩の視線が奥の休憩室に向いた。


「報告してきます」


 そう言って奥の休憩室の扉をノックをして開けると、師長がファイルを開きながら、差し入れのフィナンシェを食べている真っ最中だった。いつもの平和な病棟だなぁとしみじみ思う。


「師長。薬剤部の検査、今月も問題なく終了です」


「わかりました。ご苦労様。陽菜ちゃんもおひとつどうぞ」


「ありがとうございます。いただきます」


 差し出されたフィナンシェに、先程痛めた利き手の右手を伸ばした。


「痛っ!」


 ピリッとした痛みが右手首を襲う。


「陽菜ちゃん? どうしたの?」


 薬品庫で起こったことを正直に話した。依元看護師長はナースステーションに出て、内線電話を使い誰かと話している。電話を終えると私に。


「陽菜ちゃん、真中師長に話をつけておいたから、外科病棟に行っておいで。外来棟じゃなくて外科病棟よ! 間違えないでね」


 そう言って私をナースステーションから廊下へと押し出すようにして、いってらっしゃいと手を振って送り出した。


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