表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おもいでにかわるまで  作者: 名波美奈
第一章
7/263

7

グランドには他にも1年生の見学者が来ていた。単身で乗り込んだ勇利は珍しく人見知りをしてしまい、一人黙って練習開始前の部員達の様子を観察していた。すると、しばらくして軽快な足音と共に昼休みに勧誘してきた正木が来た。


タッタッタ・・・。その足音だけでも正木の運動神経の良さが伝わる。


「おー!皆来てくれたんだ。まじ大歓迎。お、お前もちゃんと来たな。」


正木は笑っている。


「あ、あれだよね。まだ来てないんだよね鈴宮夏子マネージャーさん。実験とかかも。あの人毎日は来ないんだよね。でも、今日は来るって部長に聞いたんだ。だからそこのベンチにでも座ってさ、ゆっくり見学してってよ。」


きれいな名前だな。どんな女性(ひと)なんだろう。


と、勇利の膨らむ妄想と同時に練習が始まった。


最初はランニング、そして柔軟、軽めのダッシュにキャッチボール、開始から30分程経過しただろうか。


さすが5年制の学校なだけあって、5年生ともなれば15歳の勇利にとってはただのおじさんに見える。勇利は練習見学というより人間観察に没頭していた。だから、ある女性が近付くまで気がつかなかった。


「あー、1年生来てんじゃーん。超いい感じー。皆かわいいー。」


誰だこの女の人は?ま、さ、か・・・。


「マネージャーの鈴宮です。よろしくね。」


あー・・・。はいはいそういうことね、そうなのね正木さん騙したのね・・・。と勇利は我に返った。今現れたマネージャーの涼宮夏子は確かにグラマーではあったが、ついでにウエストの膨らみもかなりグラマーだった。


肝っ玉母さん・・・。正木の野郎・・・。


(とが)めるつもりで正木の方を向くと、ちょうど正木にボールが回っていた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ