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おもいでにかわるまで  作者: 名波美奈
第四章
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「失礼します。」


少し呼吸を整えてノックしてから入室した。


「こんにちは先生。特別な用事はないんですけど、お喋りしに来ました。」


「嬉しいよ。立花コーヒー飲む?」


「私いれますね。」


「いよいよ明後日だねー卒業式。立花はハカマ?振り袖?」


「はい。振り袖は成人式の時に着たので、はかまをレンタルしました。」


「立花はタッパがあるから似合うと思うよ。クラス代表で卒業証書も受け取る役もあるし、今から楽しみだね。」


「先生とも仲良くなれたし、最後にこんなご褒美があるなんて、2年間雑用係頑張って良かったなって思います。」


「ははは雑用って。確かに何回もこの部屋に来たもんね。じゃあその勢いで仕事の方も頑張ってよ。」


「はい。紹介して下さった先生にご迷惑が掛からないようにしっかりやって、それから皆さんの足を引っ張らないように沢山勉強します。先生、ありがとうございました。はい、どうぞ。」


「さんきゅう。ま、茶菓子はないけどね。」


「あ、私持ってますよ。ご一緒にどうですか?」


明人の眼鏡ケースを開けて中身を先生に見せた。


「何を持ってるのかと思ったら中身は眼鏡じゃないんだね。でもコーヒーに飴は違くないかい?」


「あ、これ、チョコレートなんです・・・。」


「まじでっ!男物の眼鏡ケースの中にキャンディ風のチョコ!立花の頭はどんだけ斬新が散らかってんだよ。」


あはは。と笑いながら、さっきの明人の言葉を思い出した。


‘それにチョコ入れなよ。それからもう要らないから返さなくていいよ’


明人は確かにチョコと言っていた。


「コーヒーおいしいですね・・・。先生、卒業しても時々は遊びに来ますね。それから、いつか同窓会もしますね。」


「楽しみにしてるよ。」


そして少し躊躇してから先生に質問した。

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