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おもいでにかわるまで  作者: 名波美奈
第二章
23/263

23

水樹は順番に部室やお茶の葉や氷の場所などを教えて貰っていた。


「宇野さん、どうしたんですか?急に黙って。」


「うん・・・。水樹ちゃんの事考えてたんだ。」


「えっ・・・。」


「どうして来てくれたの?マネージャーになってくれるの?どうしたらマネージャーになってくれる?水樹ちゃんさ、あのさ、素直だし良い子だし、聖也君も気に入ったっぽいし、俺ね、なんとしても君を手に入れたいんだ。」


「えっ!?」


「俺ね、水樹ちゃんが作ったお茶飲んで毎日頑張りたいの。だから・・・だからね、明日も・・・来てくれる?」


勇利が伝えた、真剣でストレートな気持ちに心が揺れない女の子はいないだろう。嘘も迷いもない、真っ直ぐな勇利に水樹の心は動かされる。


「そんな風にお願いされたら、断れないですよ・・・。」


「まじで!?ほんとに!?嘘でしょ!?ありがとね、ありがとね!皆で水樹ちゃんの事大事にするって約束するから!」


「とんでもないですっ・・・。」


「ううん。嬉しんだ!どうしよう。嬉しすぎて俺の中のもう一人の俺が踊り出しちゃうって!あーもう意味わかんないよね。ごめんね水樹ちゃん。」


勇利は勝手に一人浮かれて、だから水樹が横でまたカチカチに固まっていても、少しも気付いていなかった。


そしてその後も勇利の熱心なお茶作り指導は続く。


「ここで洗い物してね。」


「はい。わかりました。宇野さんはすっかり主婦ですね。」


「やめてやめて!そっちは全然嬉しくないってば。でもほんとさー、はっきり言って最初から水樹ちゃんしか目に入らなかったんだよー?ナイス俺でしょー。」


「ふふ。ほんとですか?」


良い雰囲気の中で、勇利と水樹は笑い合って過ごした。かわいい後輩が出来そうで勇利の表情も緩みっぱなしだ。何より、最初に声を掛けた自分が誇らしかった。


「お疲れー。」


勇利にとって聞きなれた大好きな声がすると、近付いてきたのは勇利と同じクラスの間宮仁美であった。

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