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おもいでにかわるまで  作者: 名波美奈
第四章
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水樹と会いドライブをしたが明人は眠れなくて起きられなくて今日のデートもまた遅刻していた。水樹が楽しみにしていたデートが中途半端になってしまい責任を感じるよりは少し面倒臭くて、こんな事なら無理せずに遊ぶ約束をキャンセルすべきだったと後悔した。


そんなナーバスな状態なうえ、車内の二人にほぼ会話がなかったので、今日は無理だと判断して水樹の家へわずか2時間後に送っていった。そしてその時初めて不採用だった事を報告すると、水樹の体がビクッと震えたのだった。


「そっか・・・。」


水樹はそれ以上は何も言わなかったが明人は励まされるのも同情されるのもましてやアドバイスをされるのもうんざりで、だからそれで丁度良かった。


「また次行くから。」


「うん。一緒に頑張る。」


どうしても今日は会話が続かない。


「そ、そうだ。ちょっと先だけど、明人君誕生日だよ。私ね、去年の分も就職祝いも含めていっぱいプレゼントするね。もし欲しい物があったら教えてっ。」


「わかった。」


そして明人は水樹の頭をポンポンと撫でながらある事を思い出した。明人の誕生日は8月3日で、その日付が刻まれている自分がプレゼントした指輪を、水樹はもうずっとしていないのだ。もちろんあげた物はその人の物だから、あげた後に細かくチェックして粘着質な事はしないのだけれど、ほんとは要らなかった?デザインが気に入らなくなった?などと勘ぐった。


それから週明け、明人は冷静に独りで考えあまり筆記テストの無い企業に再び応募し、そして今度は無事に面接もクリアしてとうとう7月の夏休み前には内定を貰う事が出来た。他人にはわからなくても静かに喜び気持ちが楽になる。


その就職先は隣の県にあり電車で2時間半は掛かる為、明人は会社の寮に入寮する事になるけれど、長く心配をかけ続けている優しい彼女もこの朗報をきっと喜んでくれると期待して早く報告したかった。

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