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おもいでにかわるまで  作者: 名波美奈
第四章
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「発表と言えば、俺は水樹の本読み好きなんだ。緊張して声が高くなるし棒読みになるよね。そこがかわいい。」


「やっ。気にしてるのに気付いてたんだ・・・。気付かれた方は落ち込む・・・。」


「かわいいのに。でもそんなもんだよね。自分で気にしている事は他人にはわからない。」


「うん。中学まではクラブのせいで日焼けも凄くて、チョコレートって言われたり・・・。」


「今でも夏はチョコレートになるもんね。」


「もう。気にしてるんだってばあ。」


「あはは。そうだ。ポテトも買って帰ろっか。」


「うんっ。」


明人と出会ってから、水樹の人生で一番幸せな日がまた更新された。反対に、自分は明人の為にちゃんと存在出来ているだろうかと自信がない。


そして月曜日に水樹は明人の教科書にお礼の手紙を挟んだ。すると火曜日には水樹の教科書に明人からの返事の手紙が挟んであった。


明人からの2通目の手紙だ。手紙など書く人は滅多にいないのに、明人は本当に不思議な人だと思う。何より、形も重さもある紙特有の温もりには、明人の愛情がぎっしり詰まっているに違いない。そしてそれは受け取り手側の想像を遥かに超えるものなのだろう。


学校では読みにくい為水樹は帰宅後に、書いている最中の明人の姿を想像しながら読み進めた。


‘ふと、何かを伝えなければと思い手紙を書く事にしました。


僕の教科書に挟んであった手紙を読みました。


驚いた事に「本読み」の方を気にしていたとは。


絶対に「チョコレート」の方を気にしていると思ったのに。


あ、両方とも気にしているかな。


でもどんな声でも肌の色でも、あなたは一番かわいい状態で一番似合っていて、僕はこんなにも愛しく思っています。


ただ、コンプレックスというものは一度持ってしまうと永久についてくるものだし、他人に指摘されると余計に傷付くものです。


もし、誰かがあなたを傷付かせようものなら僕が守ります。


何故なら、あなたを「幸せにする」義務があるからです。


何気なく送った物にこんな使命が待ち受けているとは。


あなたを一生幸せに出来たらいいのに。


どうしたら幸せになってくれますか。


どうやったらあなたを幸せに出来るのだろう。


これからじっくり考えましょう。


僕はこんな気まぐれな手紙を書いてしまい疲れました。


この手紙についての質問・感想は一切受け付けません。


最後に。


あなたの事が、好きで好きでたまりません。


戦隊ごっこでピンクになれなかった君へ


僕のピンクになってくれ より(意味不明) ’

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