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おもいでにかわるまで  作者: 名波美奈
第四章
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肌と肌が触れる面積が増えるほど安心した。これが女の子の肌で、羽二重餅みたいでなんとも言えない感触だった。それだけでなく、自分だけが暴走するのを抑制するのが辛くて、なのに一番好きな人をこんな姿にさせてしまう罪悪感が明人を裏腹に高揚させた。膨張する本能は明人の一部だけを悲鳴に変え、でもそれが目的じゃないと彼女にはちゃんと伝えなければならない。明人は既に錯乱状態だった。


そして明人が水樹の胸と、首筋と、腕と背中と脇と耳と全部にキスをすれば、水樹は体の場所によって違う反応をし、それにまた焚きつけられた。


ああ、ヤバい。と経験豊富じゃなくても手と口が勝手に動く。明人も水樹も感じる余裕なんてなくて、だから当然‘君の為に。’などというキザな綺麗事が言えるはずもなかった。ただ自分に一生懸命しがみついてくる彼女がかわいくて愛しくて大切なのだ。


それから水樹の下半身に手を伸ばした。でも探ってみても水樹の気持ちはわからない。当然‘気持ち良い?’なんて口が裂けても言えなくて、明人はもう、自分の為にしか動く事が出来なかった。


ごめんね。今日は無理でもいつか一緒に感じ合おうね。と謝り心に誓う。


「水樹。怖くない?」


「平気・・・。」


「愛してる。」


「私も・・・。」


もう一度甘いキスから初めて体温を交換する。明人は下着を脱いで準備をした。水樹は唇も目もきゅっと結んでいる。だから不安そうな目にキスをしてあげ、そして明人自身が水樹の胸に癒やされた。


こんな俺でごめん。もう今すぐ君の中へ戻りたい。


そして・・・。


駄目だ。でも明人は焦らない。


緊張するよね。怖いに決まってるよね。でも大丈夫だよ。明人は水樹の準備が出来るまで、何度でも安心を与えたい。


そして・・・。


駄目だ。まだだ。出来る限りの体中にキスをして、明人はそれを繰り返した。


そして・・・。


あっ・・・。と二人は一度溶けて再び一つになった。大好きだよ。伝わっているかな?でも声には出さない。


明人の息が荒くなってくる。キスをして、ぎゅっと強く抱き締めて、見つめ合ってまた抱き締めて、それからそのままの体勢で明人と水樹はは今・・・。明人は最高の幸福で満ち溢れた。


最後にまたキスをした。


水樹は笑った。


だから明人も笑った。


水樹が風邪をひかないように、明人は朝まで水樹を両腕で包み込んだ。

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