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おもいでにかわるまで  作者: 名波美奈
第四章
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「またね。」


と今日の土曜日のデートを終えた。水樹と明人が交際してから3ヶ月。今の所、別れの危機も無く順調に絆を深めている。今日も明人の家でゲームをしてテレビを見てひっついて。そんな普通の事全部が幸せ過ぎて溺れてしまいそうで、こんなふうにいつも一緒にいられるだけで水樹は十分満たされていた。でも、自分達は変なのだろうかと思わない事もない。


水樹が帰宅すると、休みを取って彼氏と旅行に行っていた姉の桜が先に帰宅していて、夕食後お土産を持って水樹の部屋を訪ねてきた。


「お土産ありがとう。ほんと彼氏と旅行なんてすごいね。あ、でも大人だから当たり前なのかな。」


「水樹も行けば?現実世界から離れられて超楽しいよ。色々盛り上がるしね。」


「行きたいけど・・・。泊まりって・・・。お母さん達に言いにくくないの?」


「全然。短大の時もちゃんと避妊するって約束したら交際含めOKだったよ私。まあ普段からの信用じゃない?」


「ひっ・・・。お姉ちゃんっ。もう。私はもっと長い時間一緒にいたいだけで、えっと、それにまだそんな関係じゃっ。」


「水樹何歳?」


「来月で19。」


「だよね。今の発言しんどくない?小学生じゃないんだから、さすがにかわいいって言えない。」


「わかってるけど・・・。はっきり言い過ぎだよ。」


「彼我慢してるよきっと。それか浮気してるか草食系だね。だから行ってみなよ、旅行。私の会社の提携先の宿泊施設でね、割り引かれて一泊7000円くらいなんだ。早速ネット予約しとくね。いつがいい?」


そんな、いいいい。予約しなくていいよ。とは水樹は言わなかった。それくらいの費用なら払えるし、正直な気持ちは行きたい。でも行きたいけれど明人をなんと誘えば良いのかと焦る。


いや違うそんなんじゃない。ただ一緒にいるだけでいいはずで、今も自分でそう発言したばかりだ。それに急過ぎて予約だって取れるわけがない。


そしてそうやって自分を抑えつけたものの、歓喜か悲哀か、2日後の月曜日には桜から予約が完了したと連絡が来てしまい水樹はうろたえた。

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