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おもいでにかわるまで  作者: 名波美奈
第三章
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いよいよ最終回は6番の礼からの攻撃だったが、今日の水樹は残念ながら良い所が一つもなく、だから自分に打席が回ってきた時にもしランナーが溜まっていたら、皆をホームまで返して逆転したいと思っていた。


そしてバッターボックスに立つ礼は、入学当初はもっと小さかったのに今はぐんぐんと身長が伸びていて、それから顔も縦に伸びていて男らしくなっていた。思い出せば礼には中学の頃からファンの女の子もいて、水樹はなるほどな、と今更ながらに思えた。


その後礼は今日2度目の四球を選んだ。礼はいつも落ち着いていて冷静で視野が広くて先を考えていて、水樹が立ち止まった時には道を示してくれたり背中を押してくれたりただ近くにいてくれたりする。その生き方が普通の男の子とは思えない礼に、ソフトボールでもらしさが出るんだな、と水樹は可笑しかった。


そして続く7番、8番はD組のエラーとシングルヒットでノーアウト満塁になり、9番、望み通り水樹の打席になった。


ただいざとなると、中学最後の試合をゲッツーで終了させた嫌な記憶が蘇り、学校の遊びの延長の試合のはずなのに水樹は必要以上に緊張した。水樹はあの時もプレッシャーに負けたのだった。


ふう、と深呼吸してからバッターボックスに立ち構えた。けれども相手ピッチャーの球は荒れていて打ちにくく、1、2、3球と見逃した後の4球目、フワッと浮いてきたボールを打った。そして打球は第一打席と同じセンターとライトの間に飛んだ。


水樹はいけぇっ、と打球の行方を気にしながら全力でファーストまで走った。


ポスッ。


でも残念ながら水樹の打った球は、ライト寄りに守っていたセンター瞬介のグラブに沈んでいった。当然水樹はアウトで、それから水樹は仲間のタッチアップを気にしたが、急に始めた学校の遊びの試合で仲間がタッチアップをするわけがなかった。

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