表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
おもいでにかわるまで  作者: 名波美奈
第一章
12/263

12

「あのさ、勇利の景色はさ、今、目で見えてるものが全てになってると思うんだ。それって当たり前だけど。そんでこの学校って不思議でさ、女子は大概まず年上、先輩とくっつくんだよね。同い年は子供っぽいってやつ?ふは。だけどさ、俺達卒業までクラス替えもないじゃん?3年とか4年になると、今度は同級生とくっつくんだよね。」


「まあ・・・。」


「だから色々大丈夫だって、元気出せ。」


ぼすっと勇利はお尻を蹴られた。


正木さん・・・。


全く・・・。


俺、正木さんが好きだよ。照れ屋だけど優しくて、いざというときかっこいい。


「正ちゃんはどうなんですか?」


「俺?俺のクラスは女いねーっての!」


「ロリコンだったりして。」


「バッカ俺はフェロモン系のお姉さん専門だって。」


「くだらねえー。」


ははは。と二人は声を揃えて笑った。柔らかい空気に包まれている。


それからそのまま校内を歩いていると、校門の受付で入校手続きをしている人達が見えた。


「お、また中学生達見学来てんじゃん。やっぱまだまだかわええな。」


「貴重な女子ですね。」


「ほらみろよ!あそこにも花嫁候補がいるんだぜ!」


「そりゃ僕はありかもですけど、正木さんは完全に犯罪でしょ。」


「だから俺は年上専門だっての!お、こっち見てるぜ。バイバーイ。」


聖也は、遠くの女子中学生に手を振っている。上っ面は本当にちゃらい。二人は、遠くに見える少女達の顔をはっきり認識はできなかったけれど、スラッとした背の高いスタイルの女の子が印象的で、少しの間見つめてしまっていた。


「真ん中の子かわいくね?背が高いあの子。」


「いや、顔なんて全然見えないですし。ほんと敏感ですね。」


「お前ね、情報を制するものは世界を制するんだぜ?」


「なんすかそれ?意味わかんねー。IT社長ですか?」


目に映る中学生達は本当にピュアでかわいいと思った。もちろん勇利の決意も変わらずに揺るぎないものだ。


不器用でもいい。お茶が作れればそれでいいんだ。よし。今日もクラブ頑張ろう。


今の勇利には十分前向きな台詞だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ