師弟の寄り道
紺碧の夏空を背にして、木々の緑が一段と鮮やかに映える。駆け抜ける風が梢を揺らし、翻る葉が銀色の波を描くさまはいかにも爽やかだ。
昼下がりの太陽が照りつける田舎道で、男がひとり歩みを止めて顔を上げ、額の汗を拭いてふーっと息を吐いた。道端の手頃な岩に腰を預けて、一休み。使い古した革の水筒から生温い水を呷ると、彼は恨めしそうに行く手を睨んだ。
森の縁に沿って走る街道は、少し先で丘に行き当たって曲がり、木立の後ろへと消えている。あそこまで行けば日陰に入れるのだが、その少しの距離が今は果てしなく遠い。
男がため息をついたと同時に、木々の陰から人影が現れた。二人連れの旅人だ。
何者だろう。男は座ったまま警戒した。この辺りはおおむね治安が良く、追い剥ぎ山賊の類はこのところ現れていない。だが出くわす時には、たとえ隣町までほんの半日の道行きであっても、出くわすのだ。油断はならない。
逃げるか、隠れるか。迷っていた男は、ややあって相手の姿を見分けられると、安堵して緊張を解いた。やって来るのは共に司祭だ。飾り気のない長衣、胸に提げた銀環のきらめきが何よりの証。
近隣で大きな祭典がある時期ではないので、なぜ、どこへ旅しているのか分からないが、ともかく司祭なら安全だ。それに、もしかしたら男の手間を省いてくれるかもしれなかった。彼は期待を込めて二人連れを見つめた。
片方は壮年の男で、短い髪は狼のように灰と黒がまじっている。遠目にも、よく鍛錬されていることが窺える体格だ。その一歩後ろについているのは、陽射しを受けて輝く赤毛の若者。こちらは二十歳ほどだろうが、随分と線が細い。
そして二人は共に、長剣を佩いている。それに気付いて、道端の男はごくりと喉を鳴らした。
武装した司祭。ということは、彼らは悪魔祓いを専門とする浄化特使に違いない。
神に何かを見透かされた気がして、男は思わず天を仰いで聖印を切った。そうするうち、二人連れは声の届く距離まで近付いていた。
「……というのが、ユトラルでは一般的なしきたりでな」
「ですが、それでは故人の霊魂が楽園に入らず地上に留まることが前提になりませんか?」
何やら神学的な議論をしているようだが、後者の声はまるで老い鴉のように嗄れている。悪魔との戦いで痛手を受けでもしたのだろうか、と男は想像して眉を寄せた。
だがそうした疑念は、若者が口にした名前を耳にした途端、どうでも良くなった。
「グラジェフ様の故郷では、教会の……」
「――!」
思わず男は腰を浮かせた。その動作で二人連れもこちらに注意を向け、立ち止まる。男は年かさの司祭をまじまじと見つめ、ずっと昔の記憶と注意深く重ね合わせながら、恐る恐る呼びかけた。
「……グラジェフ? もしかして、アルバの養護院にいた?」
「確かにそうだが、そなたは?」
グラジェフは氷青色の目に疑念を浮かべ、不審げに問い返す。男は驚きと懐かしさを満面にたたえ、勢い込んで歩み寄った。
「おい本当かよ、立派になったなぁ! 俺だ、ヴァシルだよ、一緒にガチョウの卵を盗んだろ」
「何――あっ! ああ、おまえか!」
眉を寄せたグラジェフだったが、一呼吸の後、ぱっと表情を変えた。司祭の謹厳さが消え、子供のような笑みが広がる。
「思い出したぞ、そうだ、ヴァシル、李の木から落ちて俺を下敷きにしてくれたな」
「そうだったか? おまえこそ、オヌル爺んちの犬に追いかけられた時、俺を見捨てやがったくせに」
「あれは武器を取りに行ったんだ! 助けに戻ったろう、そこは忘れたのか?」
壮年の男がやんちゃ坊主に戻って笑い合う。取り残された赤毛の若者が目を丸くして、小さく「俺」と口の中でつぶやいた。弟子の当惑に気付いたグラジェフは、えへんと咳払いして取り繕った。
「すまんな。彼は私が聖都の神学校に入る前まで、同じ養護院で暮らした仲間だ。ヴァシル、彼はエリアス、新人の浄化特使で、今は見極め期間のため私が監督官として同行している」
紹介された赤毛の若者が目礼し、ヴァシルのほうは曖昧に「へえ、そりゃどうも」などともぐもぐ言った。司祭に対しては敬意を払うべきなのだが、それが昔なじみの連れとなると、どうにも距離感がおかしくなってしまう。
とりあえず弟子のことは視界の外にやり、ヴァシルはグラジェフに向き直った。
「おまえ、本当に浄化特使になったんだなぁ。しかも監督官ってことは出世したわけだ」
「主のご加護で、なんとかな。おまえは?」
「あちこち転々として、今はそこのトルダ村で畑と牛の世話をしてるよ。ちょうど良かった、急ぎじゃないならうちに来ないか?」
「……ふむ」
誘われて、グラジェフは真顔になった。腕組みし、どうする、と問うように連れを振り返る。師弟が目顔で相談するのを、ヴァシルは緊張して見守った。他意のない気安さを装ったつもりだが、下心を見抜かれたのではあるまいか。
返答を待ちきれずヴァシルは足踏みし、そわそわと早口に続けた。
「いやなに、ちょっとな、実は村の司祭じゃ頼りないんで、町まで相談に行くところだったんだ。そしたらおまえが向こうから来た。これも主のお導きってやつだろ、な?」
「なるほど。訳ありか」
グラジェフは納得すると、良かろう、と平静にうなずいた。
※
ヴァシルの家はごく質素な構えだったが、来客をもてなせるほどには、余裕のある暮らし向きらしかった。二人の司祭がひとまず教会に寄って地元司祭に挨拶を済ませている間に、ヴァシルは妻に夕食の用意をさせていた。
食事の内容はよくある質素な豆スープとパンだったが、ひとつだけ、ヴァシルが妻に命じて最後に出させた一品が変わっていた。
「おいカタ、あれを出せ。俺の友達が立派な司祭様になって訪ねてきたんだからな」
尊大な物言いは、いつものことらしい。妻は不満を見せるでもなく、床下の涼しい貯蔵庫から小さな壺を出してきた。何かを煮詰めて固めた、赤黒い塊が入っている。
「これは?」
「まあ、まず食ってみろよ。村でこれを作れるのはカタだけなんだ」
訝しげなグラジェフに、ヴァシルは得意満面で薦める。カタが壺から匙で塊をこそげ取り、ちぎったパンに載せて二人の司祭に差し出した。礼を言って受け取ったグラジェフは、一口食べて感嘆の声を漏らした。
「ほう、これは何とも美味い。複雑で贅沢な味わいだな……素晴らしい作り手に祝福のあらんことを」
ジャムと言うべきか、パテと言うべきか。木の実や果実だけでなく、脂や肉、肝臓のような動物性の材料も使っているようだ。
大真面目に祝福の聖印を切った司祭に、カタは曖昧な微笑みを返して頭を下げた。疲れているのか、ずいぶん顔色が悪い。グラジェフは気遣いの言葉をかけようとしたが、彼女はそそくさと逃げるように立ち去ってしまった。
エリアスが不安そうにそれを見送っていたが、客人たちの心配をよそに、ヴァシルはグラジェフのほうに身を乗り出し、声を低めてささやいた。
「それだけじゃない、カタの作るものは大抵なんでも美味いんだ。けどまあ、それなりに手間もかかる。このところ、カタはどんどん手抜きをしてまともな料理をしなくなっちまった」
「具合が悪そうだったからな。休養が必要なのだろう」
「いや、そうじゃない」
ヴァシルは忌々しげに言って舌打ちし、妻が去った戸口を睨んだ。
「耄碌した母親の世話にかかりきりで、俺のことは放ったらかしなのさ。前から変人の、魔女みたいな婆さんだったのが、旦那に先立たれていよいよ怪しくなってきた。まるで悪魔憑きだよ」
「ヴァシル、よせ」
しっ、とグラジェフは鋭く遮った。悪魔憑きの疑いは、軽々しく口にすべきではない。エリアスも厳しい顔つきになり、居住まいを正した。
しかしヴァシルは発言を取り消すどころかごまかしもせず、じっと旧友を見据えている。グラジェフは嫌な予感に顔をしかめた。
「……相談というのは、そのことか。村の司祭では、悪魔憑きだと認めてくれないから」
「認めるも認めないも、実際そうなんだよ。ありゃ絶対にやばい。だけどまぁ、ほら、悪魔憑きだからって……こう、始末してくれってんじゃねえんだ。そこまでは言ってない。ただおまえが、あの婆ァには近付くな、放っとけ、ってカタに言い聞かせてくれりゃいいんだ」
ヴァシルは小声でまくし立てる。口調や態度からして、本人も悪魔憑きなどと本気で信じていないことは明らかだ。ただ自分が妻に世話してもらえないから、何でもいいから理由をつけて邪魔者を排除したいだけ。
エリアスが気色ばんだのを、グラジェフはわずかな手振りで制し、苦く沈んだ口調で了承した。
「二十年以上も昔の誼に飛びつかねばならんほど困っているのなら、とにかく、様子を見るだけは見に行こう。だが、何をどうするとは約束せんぞ」
「さすが、話がわかる! そうとなれば善は急げだ、すぐ行こう。案内する」
言うなりヴァシルはもう外へ向かう。グラジェフもやれやれと席を立ち、弟子の咎める視線に対して肩を竦めた。
小さな村のこととて、姑の家はすぐ近所だという。くねくねと細い道を歩きながら、グラジェフは不審に思って尋ねた。
「連れ合いに先立たれたと言っていたな。独りになった姑を今の家に引き取ろうという話にはならなかったのか?」
「カタは呼びたがったけどな。婆のほうが嫌がったんだよ。旦那との思い出が染みついた家を離れたくないんだと。来なくて幸いだ、最近はしょっちゅう独りで大声を出してるし、宙を睨んだまんまその辺をうろうろして不気味がられてる。放っておいたら飲まず食わずで一日中ぼーっと座ったまんまってこともあったらしくて、だからカタが毎日通いづめなのさ。まったく、忌々しい」
ヴァシルは憤懣をだらだらこぼし、次いでさすがにばつが悪くなったか、白々しく言い繕った。
「ああ、言っとくが、片時も目が離せないってんじゃないんだぞ。自分でそれなりに身の回りのことはやってるみたいでな。あれもこれも世話してやる必要ないだろってのに、俺が言っても聞きゃしねえ。……ほら、そこだ」
手振りで示したのは、道沿いに並ぶ他の家々とは少し離れた場所に建つ一軒家だった。グラジェフは足を止め、眉を寄せて唸る。エリアスが後ろで胸の銀環を握り、小さく聖句を唱えてから、そっとささやいた。
「嘘から出たまこと、ですね」
「しかし悪魔ではないな。霊力が薄い」
「はい。外道に堕ちてもいないかと」
小声でやりとりする師弟に、ヴァシルが急に不安になった様子でそわそわした。
「なんだよ、やっぱり本気でやばいって?」
「そうではない。だが、そなたの言う“耄碌した”というのも、どうやら真実ではなさそうだ、という話だ」
「えぇ?」
ヴァシルは声音で説明を求めたが、もはやグラジェフは昔なじみの顔をしていなかった。浄化特使の厳粛な面持ちで、鋭いまなざしを家に注いでいる。
「エリアス」
「はい」
先に行け、とグラジェフが促す。腕前を試されることになった若者は、適度な緊張と警戒を身に帯びて、玄関へと歩いて行った。数歩の間を空けてグラジェフも続く。
エリアスは扉の前まで来て、ノックしようと手を上げたところで、はたと動きを止めた。相手の名前を聞いていなかった、と思い出したらしい。どうしようかと迷う風情でこちらを振り返ったが、グラジェフが無言で眉を上げると、むっとした顔になってドアに向き直った。ドンドン、とやや荒っぽく二回叩く。
「失礼、どなたかいらっしゃいますか」
そう来たか、とグラジェフが笑いを噛み殺す。エリアスは少しでもましな声を出そうと咳払いし、もう一度呼びかける。
「旅の司祭ですが、お尋ねしたいことが……」
と、いきなり扉が開いた。初老の女が飛び出し、食いつかんばかりの勢いでエリアスに縋りつく。
「助けて! 助けてください、あたしゃもうどうしていいか」
「っ……落ち着いて、大丈夫。主は……」
闇雲にしがみつこうとしているのか、それとも掴みかかって引っ掻きたいのか、わからない。エリアスはとにかくなだめようと、心を落ち着かせる聖句を唱えかける。だが一瞬早く、女が金切り声を上げ、若者の両眼めがけて手を突き出した。
「――っ!」
「《翔けよ隼》」
エリアスがのけぞって躱すと同時に、グラジェフが短く唱えて秘術を放つ。小さな光の矢が白髪まじりのこめかみを撃ち、女はギャッと叫んでうずくまった。すぐにエリアスが屈んでその背に手を当て、静かに聖句を唱える。
「気を確かに。《主は翼の下にあなたを匿い、安息をたまわる》」
銀環を巡った霊力の流れが手を通じて注がれる。司祭の目にしか映らない、霊力の銀光。女の身体を取り巻いていた靄が、エリアスの注ぐ光に押し流されて離れる。それにつれて、震える女の荒い呼吸が鎮まり、ゆっくり穏やかになっていった。
「もう大丈夫です。落ち着いて息をして」
エリアスが優しく声をかけると、女はそろそろと顔を上げ、用心深く辺りを窺うように視線を巡らせた。もう危険なものはいないと確認し、大きくひとつ息を吐く。それから彼女は「うんせ」と呻きながら、若者の手を借りて立ち上がった。
「ああ……ご迷惑をかけた、みたいですねぇ。誰だか知らないけど、お若い司祭さん、ありがとうございます」
「偶然あなたの話を聞きまして」
エリアスはいきさつを説明しかけたが、面倒になりそうなので省略し、便利な「主のお導きです」の一言で片付けた。グラジェフが一瞬だけ変な顔になったが、見なかったことにする。
そのグラジェフの背後から、ヴァシルが今更びくついた様子でこちらを窺っていた。悪魔憑きだの耄碌婆だの言っていたくせに、いざ本当に異常な行動を目の当たりにすると恐怖に駆られるらしい。
エリアスが目に軽蔑の色を浮かべ、そいつ本当にあなたの友人ですか、と表情だけで師匠に皮肉を投げる。グラジェフは理解してか否か、しかつめらしい顔つきを崩さずヴァシルを振り返った。
「納得したかね。耄碌したように思われたのは、そこらの死霊に悪い影響を受けていただけだ。あの通り、祓ってやればまっとうな受け答えができる。むろん悪魔憑きなどではない」
「死霊、って……村ではこのとこ、誰も死んでないのに」
「直近の死者だけとは限らんのだよ。そなたたちの目に映らぬだけで、ごく弱い霊魂はどこにでもさまよっているものだ。臨終の祈りを受けられなかった者、楽園に行く前に少しばかりの未練があってぐずぐずしている魂、いろいろあるが大抵は無害だ。しかし彼女はたまたま影響されやすい性質らしい」
言って、グラジェフはゆっくり女に歩み寄る。格上の司祭だと察した女が聖印を切って手を組み、祈りの姿勢を取った。下げられた頭にグラジェフが手を置き、祝福の言葉と護りの秘術をかけてやった。
「主は常に汝と共に在られる。ひとまずこれで安全だが、これからは礼拝の度に司祭から加護をかけ直してもらいなさい。話は通しておこう」
「はい、はい、ありがとうございます」
女は感激に声を詰まらせながら礼を言ったが、ふと不安げな顔になって恐る恐る問いかけてきた。
「あの……こんなになったのは、もしかして夫が亡くなったからでしょうか」
「気付いていたかね。うむ、夫君が生きている間はそなたを守っていたのだろう。生まれつき自然に、そうした力を備えている者もいる」
「ああやっぱり。そうじゃないかと思ってました。本当にあの人は、あたしの騎士様だったんですねぇ」
しみじみと言い、女は目の端に滲んだ涙を拭う。グラジェフは微笑み、ぽんと女の肩を叩いて力づけてやった。
※
一件落着した後、浄化特使の師弟はすぐに村を発った。
辻まで戻って、本来目的の道行きを急ぐ。遅れを取り返せないままに日が暮れそうだが、野宿は二人とも慣れていた。
歩きながら二人は、今回の出来事への対処を振り返り、反省点や改善方法について論じ合っていた。
「そなたも以前に比べると随分、よく話せるようになったな。声そのものはどうにもならぬが、話し方ひとつで心証は変わるものだ」
おおむね満足そうに評価したグラジェフだったが、ふとそこで、曖昧な表情になり、改めて弟子の顔を見つめる。
「しかし以前から思っていたが、そなたはやはり、女が相手だと同情心が先に立って警戒を緩めやすいようだな」
「――っ! そんなことは」
反射的に否定しようとして、しかしできず、エリアスは唇を噛んでうつむく。グラジェフは口調をやわらげた。
「責めているのではない。誰しも、何かしらの偏りや傾向はあるものだ。矯正しようと努めるよりも、己の癖を正確に把握し、常に心に置いておきなさい。命を守るためにもな」
「……はい」
エリアスは忠告を素直に聞き入れ、こくりとうなずいた。それから不意に腹立ちを思い出し、しかめっ面になって言う。
「とはいえ、あの状況では同情したくもなります。あの男がグラジェフ様の友人だなどと、冗談にもならない。身勝手で嘘つきで、あなたを都合良く利用しようとして! あんな男が夫や婿では、女達はやってられませんよ」
「確かに、私もあれを友人の範疇に含めたくはないがな。しかしまぁ、それなりに良いところもある奴だ。あまり大きな困難に遭遇しない限りは、家族として助け合っていけるだろう」
グラジェフはそうとりなし、弟子の不満顔を見てにやりとした。
「どうしようもなくなったら、ここから一番近い女子修道院に駆け込むように助言しておいた。あの料理の腕前は歓迎されるだろうよ」
「女子……修道院?」
「うむ。女は聖職に就けない規定だが、《聖き道》に従う生き方を実践し主に仕えるため、世俗を離れることはできる」
「そんな組織があったのですか」
「知らなかったのも無理はない。そなたの故国には皆無だし、聖都においては単に救貧院や施療院として運営されておるからな。私もこの辺りを旅して初めて知り、驚かされた。何にせよ、女達にとっては安全な砦だ」
「……」
「もっとも、修道院では司祭資格は得られぬし、むろん浄化特使にもなれんぞ」
そなたに他の道はなかったろう、と、言外に今の弟子の在り様を肯定してやる。師の心遣いを間違いなく理解したエリアスは、気恥ずかしそうな顔になって、あらぬ方を向いたのだった。
2020.8.14
ちなみにグラジェフは37歳のおぢさんです。