少女とのかかわりは・・・
学校が大好きな少女。
その子は今日も楽しそうに学校に向かう。そのスキップした少女は何とも楽しく学校生活を送っていた。学校につくと、少女は珍しく1番につき、さっさと朝の支度を終えると自分の席で友達やクラスメイト、先生を待っていた。
ガラララ
教室にだれか、入ってくる音がした。その方向を見ると、少女が待っていた生徒・担任の先生ではなく校長先生だった。校長先生は、その少女に言った。
「実は、このクラスの子は何らかの形である人に殺されてしまった。キミの担任の先生もそうだ。だから次から隣のクラスで授業を受けてもらってもいいか?」
少女は泣きそうな顔でコクリ、と頷いた。何らかの形でというのがなんなのか少女は気になってしょうがなかった。泣きそうになりながらも、3組の少女は2組で授業を受けトボトボと足取り重く家に帰った。
家で待っていたのは、暖かい家族。少女を励ましてくれるに違いない。
少女は期待し、ワクワクして家のドアを開けた。お母さんお父さんお祖母ちゃんお爺ちゃんお兄ちゃんお姉ちゃんがいつもいる、家のドアを開けた。
しかし、そこに待っているはずの騒がしい楽しいような声は聞こえず、少女を待っていたのは「無音」だった。寝息も聞こえないし、少女に何も言わずにどこかに出かけるようなことをするような家族ではないことはいくら幼い少女にでもわかっていた。恐る恐るリビングを開けると、みんなが・・・死んでいた。
リビングは真っ赤に染まり、少女の家族である人たちがみな何者かに惨殺された姿があった。少女はその場に泣き崩れた。ショックと同時に少女の大切なものをすべて奪われたことの恨み・憎しみが深く刻まれた。
そして少女は食べるものも何もないまま2日間街中をさまよっていた。学校に行く気力もなく、このままでは生きていけない少女に、手を差し伸べるものはなかなかいなかった。少女が自分の死を悟ると、今いたところに横たわり、静かに眠りについた。
少女が目を覚ますと、温かいものが少女を包み込んだ。
前もあったような感覚は、幸せな気持ちにしてくれた。
ドアノブが回り、ガチャリ、と音がすると優しそうなおばさんが入ってきた。おばさんは少女に食べ物を与えてくれ、さらに料理の仕方など教えてくれた。
少女は覚えがよく、1日で簡単な調理法をほとんどできるようになった。
おばさんは「これで毎日の料理が楽になるわ」と笑いながら言っていた。
そして次の日、少女が朝はやく起き、おばさんを起こしに行った。
おばさんは起きなかった。何度も何度も少女はおばさんを揺さぶったが、おばさんは起きなかった。
おかしいな、と思い少女がおばさんの手をつかむと、おばさんの手は冷たかった。少女は家族を殺した人、クラスメイトを殺した人、先生を殺した人、おばさんを殺した人への憎しみをすべて捨てて、それを自分に向けた。少女のかかわりで死んだのは少女のせいだったのだと悟り、生きていくとまた、迷惑が掛かってしまうのではないかと心配もした。少女はまだ幼かった。なのに、こんな体験をした。もう人とのかかわりなど持たないため、自殺してしまおうと考えた。でも、怖くてそんなことできなかった。
仕方なく、少女が家族の死体が待っている家に帰ると、リビングには家族の死体はもうなかった。
そこの赤い部屋は見事な白い部屋になり、1匹の猫と手紙が添えてあった。
『少女よ。君は家族・学校の友達・先生と一気に人を失ってしまい、とてもショックを受けていると思う。
我々警察は君の家にいくらかお金と食べ物を用意しておいた。これでしばらくは生きていけるだろう。悲しむことはない。確かにショックだったかもしれないが、これは君のせいではないのだから。堂々と生きててもいいのだ。 警察一同』
猫は野良だったのかな。手紙に猫のことが書いてないことでその猫は自分の意志でここに来たとわかった少女。運命を感じ、猫の背中をなでると猫は気持ちよくなで声を出した。
少女は自分のように死にたいと持っているのに死ねない人を、探すようになった。いつしかずっと過ごしてきた猫がしゃべり、ルフルと名乗った。少女はルフルを大事な友達に感じ、人生を生きていった。
少女は自殺業者、と小学生に呼ばれるようになった・・・。