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遺したい気持ち  作者: bashi
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静かに終わる夜

生ようと思うと急に暗い気持ちになる。希望が湧いたと思ったら、不意に絶望が湧いてくる。太宰治の『トカトントン』のように。


消費税が上がった。しかし財界はまだ終わりではないと圧を掛ける。災害がいつ来るかも分からない。景気もどうなるか分からない。明日を生きようと思っても、これから来る様々な災いや苦痛が訪れると考えると、絶望的な気持ちになる。幸福よりも苦痛が遥かに多いのが人生である。


根本的に私は孤独だ。友に悩みを打ち明け過ぎても迷惑を掛けるだけだ。孤独ということを理解しなくはいけない。人生は孤独だ。例えパートナーができても本質的には孤独なのだ。


孤独であり、苦痛が多い人生。どうしようもないこの牢獄から抜け出すにはズバリ自殺なのだろう。


人気の無い山に行き、気にロープを吊し輪っかを作る。そこに首をかけて宙ぶらりんになる。激しい苦痛が訪れる。後悔の念が生まれる。しかし、段々と薄れていく意識が妙に心地が良く感じるかもしれない。生きようと思ったときに訪れる夜は不安だった。太陽が登り、明るくなっても、気持ちがどんどん暗くなっていった。しかし、もうこれで絶望は終わる。始まりはしないのだ。段々と目の前が真っ暗になり、夜がやって来る。人生が静かに終わり、夜がやって来るのだ。ここで初めて穏やかな気持ちを取り戻せるのだろう…

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