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僕の学級戦線  作者: S・K
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プリン争奪戦②

少し変わった登校時間を過ごした僕は、教室に入り一番後ろの窓際の席に座る。前の席には木島秀将きじまよしまさと言うバスケ部のエースで僕の親友がおり、僕の右斜め前の席は、幼馴染みの中丸綾なかまるあやがいる。


「おっす、悠平今日は綾と一緒じゃなかったんだな」


「うん、途中迄は一緒だったんだけどね、なんか機嫌悪くなって先行っちまたんだよね」


「なるほどな綾の機嫌が悪い原因は夫との痴話喧嘩って訳ね」


「やめてくれ、さっきまでスリーマウンテンとその話をしてたんだよ」


スリーマウンテンとは、今朝一緒に登校してきた3人の事で、口数の少なく、目元まである前髪が特徴の山本、口調が昭和の腰巾着こしぎんちゃくみたいにヤンスが着く山﨑、そして僕とライバル関係と思いこんでる巨漢の山下、いつも一緒にいるその3人の頭文字の山をとって、スリーマウンテンとクラスで呼んでいる。


「それより聞いたか悠平?」


「ん?あー今日のアレの事?勿論その為に入念な計画を」


「それもあるけどよ、内のクラスに転入生が来るんだってよ」


(転入生つまりは昴が内のクラスに来るって事か)


僕は何故か気持ちが高ぶる中予鈴がなり読書の時間になった


「うーん、見つからないぞ」


「悠!ちょっと独り言がうるさい」


綾が話しかけてくるが僕は無視してあの言葉を探す。


「なに悠!あんた国語辞典まで持ち出して何を調べてるの」


「いやぁ、国語辞典でやられたらやり返すって言葉を調べてるんだけど見つからなくてさ」


「あんたやっぱり馬鹿ね、そんなのが国語辞典に書かれてる訳ないでしょ!」


どうしたと気の抜けた声で前の秀将が僕の方に振り向く


「ねぇ秀将、やられたらやり返すって、やられた事をやり返してリバーブローを決める事なのかな」


「待て、悠平お前の頭がハッピーセットだと言うことは解ったが、俺の頭にまでテイクアウトしないでくれ」


「貴様!誰が僕の頭が子供向け用だ、僕の頭は大人向けのビックマックセットさ」


「悠…ツッコムとこそこなんだ…」


僕の言葉で呆れた2人は本に目をうつし読書の時間は終わり先生が教室に入ってきた。


「えー知ってる人もいると思うが、このクラスに転入生が来る」


その言葉でクラスが騒ぎ出す


「気持ちは解るが落ち着け…では入ってきていいぞ」


そしてドガッと音がした直後、みんなの視線が集まる扉が、ゆっくりと倒れて来る……そして倒れた扉の上を歩き昴が教壇の上に立つ。


「本日よりこのクラスでお世話になります。柊昴と申します。皆さんと仲良く学校生活を過ごしていきたいと思いますので、よろしくお願い致します。」


そう言って昴は深く頭を下げ、場は拍手や綺麗という言葉で盛り上がる。


「みんなも仲良くしてやってくれ」


「いや、ちょっと待てーい、違うよねその何もないかのように流れるの可笑しいよね!」


僕は自分の席から立ち上がり異議を申し立てる。


「高畑、柊さんが可愛いからってそんな騒ぐなよ」


「そうだぜ、お前のリアクションが一番可笑しいぜ」


「高畑君って意外に積極的なんだね」


僕が可笑しいのか?違う周りの空気が僕を可笑しくしているだけだ。ならば証拠を突きつけるのみ!


バン


「異議あり!」


僕は机を叩き倒れた扉を指差す


「その倒れてる扉が証拠だ!明らかに可笑しな事になってる!」


「そうでヤンスか?扉が倒れる事なんてよくあることでヤンスよ?」


「…日常茶飯事」


「黙れ貴様ら!そう簡単に横開き戸が前に倒れてくるか!その前になんか殴る音も聞こえ…」


「ご…ごめんなさい」


そう言って教壇にいる昴が頬を赤めて僕の言葉に割り込んでくる。


「す…少し…緊張してて」


その言葉でクラスからあるある、緊張するもんねという言葉が飛び交う。


「いや、ちょっと待ってよみんな〜それって緊張ってレベルじゃ……」


「因みに…」


一瞬で身の毛がよだつ


「特技はリバーブローです」


(マスターしてやがる!漫画に影響

されていただけの今朝とは違って特技になってやがる…駄目だこのままでは有罪判決だ)


僕はその言葉を聞いて席につき直す


「んっなんだ、高畑お前は柊と顔見知りか?」


「顔見知りってほどでは……」


「はい、悠は私が道に迷って困ってる時に優しく声をかけてくれて学校の場所を教えてくれたんです」


「なんだそうだったのか!それなら

柊には入口側の席を準備していたが顔見知りの高畑の隣の席にしよう」


「なっ…!」


「悠?」


僕の前方の2人から視線を感じるが今は気にしてる場合ではない


「先生待って下さい僕にも発言権を……!」


昴の悠、呼びと熱くなる僕に、クラス全員と先生が視線を集めてる中教壇で、昴がシャドーボクシングを始めた。


「なんだ!高畑涙を流してるが大丈夫か?」


「そんなこと無いですよ、嬉しくてテンションが最高にハイになってただけです」


「そうか!そうか!なら柊の事は高畑に任せるから何でも教えてやってくれ!」


「はい……」


「それではみんな柊に挨拶を…」


そして、クラス一同でよろしくと挨拶して、朝の騒がしい朝礼は終わりを迎えた。


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