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第12話

「こんにちはサリアちゃん 今日は冒険者登録かしら?」


サリアが受付へ向かうと受付嬢が笑顔でそう言った。


「はい。 よろしくお願いします」


サリアはそう答えると、肩から下げているポーチから一枚の紙を取りだし、受付嬢に渡した。


「ではお預かりします。少し待っていてね」


受付嬢はそう言うとギルドの奥に向かった。

しばらくして受付嬢は手に一枚のカードを持って戻ってくると、サリアに一枚のカードを見せながらギルドの説明をした。


「もう、サリアちゃんは知っていると思うけど、一応ギルドカードやギルドについての説明をさせてね。 まずはこのこのギルドカードについて。 このカードはどこの町のギルドでも使うことが出来ます。 町で買い物をするときもこれでお金をはらったり、身分証明書として使用したり出来るすごく大切なものだからからなくさないようにね。本人しか使えないようにカードにロックをかけるから、悪用されることはないと思うけれど再発行にはお金がかかるから気を付けてね」


受付嬢は言い終わるとカードをサリアに渡した。


「それと、クエストを依頼する時はあっちのクエスト依頼カウンターで手続きをしてね。 もし、以来を受けたいときはあっちの……」

「サリア! 登録終わった? このクエストが良いと思うんだけどどう? 」


受付嬢が言い切る前に誰かがサリアに声をかけた。

サリアが振り返ると、手に紙を持ったコレットとがこちらに向かって来ていた。

先程、『何か良さそうな依頼がないか探してくるわ。』と言ってボードの方に行っていたコレットが戻ってきた。


「ふふ、依頼の受け方については、コレットちゃんに聞いた方が良いかも知れないわね。 では、私からの説明は以上です。他にも分からないことなんかがあれば、また聞いてね」


「はい。 ありがとうございました」


サリアは、そう言って頭を下げると、コレットの方に向かった。


「ねぇ、コレット。なんの依頼を取ってきたの? 」

「討伐依頼」

「え、いきなり大丈夫なの?」

「大丈夫。 討伐、とはいってもダンジョンにゴロゴロいるグリって魔物だからあまり大したことは無いわ。私は何度か町の外に出て、ダンジョンにも潜ったことあるし楽勝よ。 今回この依頼を受けたのは、サリアを守りながらの立ち回りかたとかまだよく分かってないから、それを勉強するため。 この依頼なら絶対魔物と戦闘しないといけないクエストだしね」

「そうなんだ。 色々考えてくれてありがとう。 」

「全然、大したことないわよ。 それよりもサリア、はしゃぎすぎてはぐれないでよ」


コレットは冗談ぽく笑いながら、サリアにそう言った。


「あはは……。 気を付けるね」


サリアも苦笑しながら、コレットと話ながら門まで歩くと警備を行っている兵士が二人立っていた。


「こんにちはお嬢さんたち。 町の外に出るなら許可書を見せてもらえる?」

「分かった。はい、これ」


そう言ってコレットがギルドから渡されたギルドカードを兵士に見せた。

それに習いサリアもギルドカードを提示した。


「はい、確かに。 特に問題はないと思うけれど、気を付けて行ってね」

「ええ、もちろんよ。 さぁ行こうサリア」

「うん」


そして二人は門の外へと歩いていった。


「うわー、すごい。」


門の外にはとても広い草原が地平線の向こうまで広がっていた。

初めて門の外に出た、サリアはとても嬉しそうに周りを見渡しながら、感動の声を上げていた。


「ちょっとサリア! あんまりはしゃがないでよ。 いくらダンジョン外には魔物が出にくいって言ってもゼロじゃ無いんだからね」

「あ、ごめんなさい。 ちゃんと気を付ける。 ダンジョンの外に出てくるような魔物は結構強い個体だもんね。 あんまりいないと言っても注意した方が良いよね」


サリアはそう言いながら、小さく肩をすくめると、コレットの近くに戻ってきた。





「うわー、すごい! 」


町から少し歩いた所にある小さな森に一人の少女の嬉しそうな声が響いていた。


「見て、コレット! 苺がたくさん生ってるわ。 あ、こっちにはアカキノコが生えてるわ。」

「ちょっと、サリア! そんなに叫ばなくてもわかってるわよ。 それよりもう少し落ち着きなさいよ! ここがいくらきれいなところだからってダンジョンの中なんだからね!」


心配している友達の声をよそにサリアは興味に引かれるようにして、辺りを散策しているようだった。

コレットはそんな友人の様子に呆れながらも若干嬉しそうに付き合っていた。

しかし、少し進んだ所でサリアは動きを止めた。

そしてそろりと木の影に隠れるとコレットの方に顔を向けた。

コレットはその様子を確認し、素早くサリアの近くに移動した。

そして木の影から少し体を乗り出させるようにしてその先を確認する。


「あら。 さっそくグリじゃない」


彼女達の視線の先にいたのはグリと呼ばれている魔物だった。

グリはこの森に多く生息しており、この森になっているグリの実とそっくりの形をしているためそう呼ばれている。

大きさは大人の膝上位しかなく小型でそれほど強くはないが、性格は狂暴で好戦的である。


「じゃあ、やっつけちゃうわよ」


サリアは「お願いします」と小さな声で言った。

コレットは小さくうなずき、メイスを構えるとグリに向かって勢いよく飛びかかって行った。


読んでくれてありがとうございます

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