美しいってなんですか? イモいんですけど~茹でたジャガイモは砂糖であえてから味付けするとぱさぱさにならない~
「アンタ誰? アンタなんて知らない。
返せ。紺野さんを返せ。返してよ」
状況を説明する。
正直後でまいなちゃんに確認したが。
なのましんっていう超小型の機械が集まった存在。
それが紺野さん。らしい。
美夏っちの言う『宇宙人』と言うのもあながち間違っていない。
あ。あえて『ちゃん』をつけるのは今は身体を借りている身だしね。
で。浅生さんっていうか、浅生一族。
世界一強い運の持ち主。らしい。
で、どうしようもない性悪の座敷童を封印するためにあえてその存在を守護神にした。
おかげで世界一不幸! 外を歩くと隕石が狙ってきて、それを武器にするくらいぶっとんだ生命力もあるというもうわけのわからないというか漫画だってそんな設定ないから! って感じ。
あ、でも高橋留美子の読み切りが連載化されたらあるかも? ないない。
浅生さんと妖怪たちは一致団結してその良く分からない存在を迎え撃ったそうで。
残ったカスみたいなものがとどめを刺した浅生先生の姿を取り、無垢な様子を見せるので倒すに倒せずでああなったのが紺野さん。
本当は『百段階段』の先に永遠に封印されているはずの存在だった。らしい。
浅生さんからなしでなし崩しに『紺野商店』を引き継いだ『紺野 大和』。
そこは本来妖怪たちのたまり場。だったらしく、ツクモガミを集める浅生さんと紺野さんの謎行動はその戦いの犠牲者? を復活させるためだとかなんだとか意味解らないから。マジ。
あ、マジって最近の言葉で本気とか本当とか言う意味だからね。マジ。
てか、花屋の娘には意味不明だから?! 詳しく聞くな?!
ただ、あそこの主は歳を取らないらしい。なんかお得だな。
アタシは村神智子。
まいなちゃんが言うには村神の一族っていってこれまた特別な一族らしいけど関係ないよね。今を私たちは生きているんだから。
で。あそこでガンガンUFOとタイマン張っている非常識な女が。その。
「尾道の大魔神なめんな!!」ええ。夢野美夏さんです。私と同じく16歳。
ダサいとかイモいとかいうけどさ。
イモって調理するの意外と手間だよねぇ。
いや、現実逃避だよ。当然。
浅生先生が言うには、でんぷんが熱で変化してマッシュポテトはぱさぱさになるから暖かいうちに保水の為に砂糖で下味をつけるんだそうです。
そうして甘さが解らない下味にしっかりとした味をつけていく。
新じゃがは水分が多いから砂糖は大目に。これがコツ。
マヨネーズ和えが一般的だけどイカの塩辛で和えるのだってイケているんだよ。
まぁイモの話もしたし続きを言おうかね。
真相を私たちが知ったとき、当初私たちは受け入れなかった。
まぁ当たり前だけど、そりゃそうだよね。普通はそうだよ。
その。あの。「なのましん」って奴は複数のイキモノやモノを取り込んで。
で、その情報だとか存在だのを取り込んでいく。
でもってブラックホールみたいになるらしい。
そして最後は新しい宇宙になるんだか何だかいうけど本当に理解不能だから勘弁してほしい。
まだイモの使い道を論じたほうが有益だと思う。
みかっちは。
あれだね。本当に泣き虫だよね。
意地っ張りで。頑固で莫迦で。
思い込みが激しくで。
すぐカッとなって。
でもさ。
やっぱり女の子だよね。
なのましんってやつが世界を滅ぼすとか言い出して。
ナニソノ冗談て私は笑った。
だいたいみかっちなら無敵だ。
なぜかあった総長の木刀を渡して、
勇んで踏み出てからあいつはボソリと言ったのさ。
「できない」って。
「紺野さんに大魔神の顔を見られるくらいなら死んだほうがマシ」って。
俺は奴から木刀をひったくって。でもって変な光が降り注いでお陀仏。
笑っちゃうよね。はははは。
勇気を力にする木刀。か。
そんなもの、あるわけないじゃない。
あるとしたらそれこそ宇宙の果てか、異世界か。
それだっていいじゃない。
なんだっていいじゃないか。
一歩踏み出す勇気は最も大事なことだもん。
みかっち。
あんた今、すっごく輝いている。




