私の御米を蒸し返すアレは ~雑学は時代によって無意味になる~
知っていますか。
ご飯が腐ってそのままにしていると赤くなるのです。
それを洗って食べたら食べられるんです。知らなくていいです。
こんにちは知らない人。私はあんたのことなんて知らないんだけど。
閑話休題。そんな知識を教えてくれるのは浅生先生こと浅生さん。
私たちの担任で、私のアルバイト先の常連さんなのです。
というより、ご飯って温めなおすとカピカピになって食べにくいんですよね。美味しくないし。
かといって冷や飯もまた宜しくありません。一番酷いのはべちゃっとなったご飯ですが冷蔵庫に入れるとパラバラのかっぴかぴですっごく美味しくないのです。
霜だらけの冷蔵庫はお手入れが大変だと母は言っています。
なんでも智子の家で遂に『電子レンジ』を買ったそうです。こんど見てみたいのですが。
「凄いよ! あのね。電子レンジで温めると少しましになるの!」へぇ。カチカチに炊飯器にこびりついたりしないんですね。
クラスメイトに自慢する智子。こういう時はぶりっ子も返上ですね。
「腐るのを防ぐために冷蔵庫に入れるとすっごく不味いよな。パラパラで凍った米で温めても不味い不味い」「そのうち、美味しく冷やす冷蔵庫が出来るかも知れないよ。今の冷凍なんて食べられたもんじゃないけど」「あははは。ないない」
浅生先生はピカの後しばらくスラムの中で暮らしていたのでそういった知識は豊富です。
「腐って赤いコメを洗って食うと油みたいなのが浮いて少し食えるんだ」「うげぇ」
ともすれば貧乏自慢になりますが、皆そういった経験は多少はありますしね。
「でもな。蒸し器で蒸すと凍ったご飯がおいしいんだよ」「蒸し器って饅頭つくるアレ?」「そうそう。あの当時は自作したな。またこれが美味しくてな!」
知り合いの中国人と冷えた闇米を蒸し直して食べていたそうです。
良く分かりませんが、今度電子レンジで同じことが出来るらしいので試してみたいと思うのです。
私の名前は夢野美夏。
私の好きな人は紺野さん。
「あなたってなんでも知っているのね」
「そうでもないよ。知らないこともいっぱいある」
彼はちょっと変わった。ステキなヒトなのです。
だから、私も色々勉強して、ステキな人になるのです。




