失った人たち
よしがんばろう!
2886年。2月11日。19時22分33秒。
「うぉおおおおお!!!!!!」
俺は相手の攻撃の隙を与えない勢いで斬り続けている。俺が複数回攻撃をすると龍は空中に行く前に怯み何もできないまま俺に斬られ続けている。
≪絶斬≫。発動条件が不明であるスキル。いつの間にか俺のステータスに表示されていた。
もちろん初めて見たときは驚いた。今では十分に使いこなしているが。
『グルガァアアアアアアアア!!!!!!』
龍が追い詰められ怒りの咆哮を叫ぶ。思わず俺も怯んでしまい剣戟を止めてしまう。
龍はその翼を羽ばたかせ巨大な風を舞い起こし空中へ飛び去った。
「ブレスだ!!!全員逃げろ!!」
俺が呆然としていた攻略組プレイヤーに伝える。攻略組プレイヤーは表情を絶望に変えて四方八方に散った。
これで俺が標的にされてる今。動きやすくなった。
龍はその巨大な口を開いた。そしてその口からは炎のブレスが放たれた。
入力スキル。駿足を迷いなく触る。
【駿足】 プレイヤーの|AGL(敏捷力)が1,3倍増す。
しかしSTL|(筋力)が0、8減少する。
標的にされている時のみ使用可能。
解除されればこのスキルも解除される。
俺はその炎を凝視し左斜め後ろの後退した。龍はブレスを俺に当てまいと右斜め前に顔を動かした。
俺はジグザグ走行をイメージしそれを避ける。
龍はブレスが当たらないことを確認すると地上にその体を落とした。
残りの体力は2割を下回っている。
「行ける!!」
俺は太刀を片手に最後の一手になろう連続攻撃を加える。
「ガァアアアアアアアア!!!!!!」
龍が苦しみだした。体力はついに1割を切った。
勝てる!俺は勝てるかも知れないという心理を確信に変えた。
「アァアアアア!!!!!!」
龍は最後に情けないような叫びを出すと龍は青い粒に姿を変えた。そして俺の眼前に巨大な文字が現れる。
CONGRATULATION!
その文字がとても悲痛でしかたなかった。
LAボーナスが付与されます。
俺の眼前にパーティーが何を入手したのか表示される。
そんなことはどうでもよかった。ただただ今回の死人を確認することが怖かった。
向かったPT 50人+援軍50人
現在のPT 23人
死亡した人間 77人
「77人……」
それはなんとも絶望的数字であろうか。
「どいつもこいつも根性が足りねぇーんだよ」
俺はその言葉を聞いて堪忍袋の緒が切れた。
「ふざけるなよ…」
「あ?」
俺はそいつに顔を向ける。そいつは指揮を勝手にした自称攻略組の上位プレイヤーだ。
「お前の勝手な指示で無駄な死人が出た。謝れよ死んでいった人たち!!謝れよ!!!」
「んだよ。雑魚はいなくなったそれだけだろ?」
「ふざけんな!!」
「何怒ってるんだよ」
「お前のようなプレイヤーがいるから無駄な死人が出るんだ」
「なんだ聞き捨てならねぇーな。殺してやろうか?ああん?」
エスパンダーは大剣を振り上げて俺に向けた。
「脅しのつもりか?」
「なめんな!!」
「やめなさい」
そこで誰かが仲裁に入ってくる。それは攻略組がクエストに出発する前に俺に邪魔などの言葉を吐いてくれた金髪の女性だ。
アホ毛でわかった。
「おいお前が口挟んでいい世界じゃないんだよ」
「私は攻略組の隊長よ?そしてその隊長として言うわ。あなたを攻略組から脱退させます」
「なんだと?」
「あなたの無駄な指示で無駄な死人が出たことは事実」
「おい…せめて今回のクエの報酬をだな…」
「強制脱退」
エスパンダーはこの場から消えた。
「助かったわ」
少女はさっきまでの真剣な表情を変えてとても優しい雰囲気に代わる。
俺のイメージが鬼から天使に変わった瞬間だ。
「あっそうだ。これ分けて使って」
俺はLAボーナス以外で入手した細かなアイテムをその長さんに渡した。
「俺には必要ないからさ。それじゃあこれからも攻略がんばって」
「あなた何を言ってるの?」
「?」
「あなたはこれから攻略組として戦うのよ」
「えっ?」
それは聞いていない。ちょっと待ってくれ。しかしコミュな俺にそんなことは言えなかった。
「よろしくね。私はアリスよ」
「よ…よろしく…」
俺はとりあえずアリスというプレイヤーの半ば強制的な力により攻略組の一員になりました。
FROM エスパンダー
あいつだけは許さない。
あの小娘だけは殺してやる。
「気に食わないあの小僧もな…」
俺はそのために闇に溶け込み作戦を練った。
やつらを出し抜く最悪かつ最高の作戦を。
久々に書くからまるで勝手がわからないw
変なところあったら指摘お願いします。