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俺、また馬に生まれました

俺、また馬に生まれました―― 障害4戦目

掲載日:2026/08/28

「俺、また馬に生まれました」の続編にあたります。

本編はこちら↓

【俺、また馬に生まれましたシリーズ】

https://ncode.syosetu.com/s7414k/

朝方は、涼しいを通り越して寒いかなと思う気候になってきた。

絞りに絞られたエースは、G1で2着だったらしい。

急なダイエットの反動かな?おやつ解禁されるといいね。

前世カイザーの俺の好きなおやつに想いを寄せる。

そう、俺には前世の記憶がある。

前世の俺も競走馬だったのだ。しかも伝説の無敗馬。

いまの俺もすごいのか?って、前世とは違う場所を目指している。


今日も今日とて、俺は「まだ走りたいアピール」を繰り返して、マッチョ化計画を進めている。

ノブさんもあんちゃんも慣れてきたのか、

「スーやんは、障害好きなんだねぇ」と付き合ってくれる。

カイザーと違って、俺には足りないものが多いんだ。

だから調教もしっかりやる。馬一倍やるんだ。

少しずつ、成果が出てきていると思う。調教試験のように1周でヘロヘロになるようなことはもうない。

さすがに3周は無理だけど。

いつか平気になりたいなぁ。


きついけど、充実した特訓を送ってこれたと思う。

俺は4回目の障害レースに挑むことになった。

パドックで以前一緒に走った馬をちらほら見かける。

顔なじみに軽く頭をさげてご挨拶。

カイザーだったときは、メンツなんて気にもとめてなかったな。

みんな勝利目指して走っているんだなと初めて思った。


さて、パドックが終わったらノブさんを背に竹チェックだ!!

ついでにコースの確認。ノブさんが芝と砂地の境目を示してくる。

ここを通るってことだっていう意味だとわかってきた。

このコースは坂が少ない。……竹みたいに坂があとで盛り上がってきたりしないよね?

いつの間にか出現する竹の障害の謎のせいで何でも疑ってしまう。

平地とちがって障害レースは不思議がいっぱいだ。


ノブさんに誘導されてゲートが開くのをじっと待つ。

がしゃん。慌てず、すっと俺は飛び出した。

歓声があがる観客席が近い。俺カッコよく飛べてるかな?

ハードルと生垣を連続ジャンプ。ちょっとだけ観客席を見る。

この先のコーナーは狭いから、外に膨らまないように走るのが大事。

ロスなく回って、俺は先頭でコーナーを抜けた。

すぐに2つの生垣が迫ってくる。リズムよく超えていく。

生垣の上部のボーイいわく、やわらかブラシの感触はちょっと好き。

次はコーナーの真ん中の生垣。ちょっと斜めに飛ぶから難しい。

そのまま、またスタート地点に向かっていく。

ノブさんの感じから、もう一周同じところを走るのかな。

……そういうときって、竹の障害が増えてるんだよね。

絶対見逃さないぞ。俺はしっかりとコースを見据えた。

……増えてなかった。あっさりと同じコースを回り終えた。

ノブさんの合図で砂地の方へ進んでいく。

GOサインだ!!この先はゴールなんだ。

俺は慌てて全力ダッシュした。後ろから馬蹄がせまってくる。

俺のスピードで逃げ切れるか!!

あと200メートル、まだ先頭だ。

負けたくない!!!

あと100メートル。競りかけられる。

いやだ。抜かれたくない。俺はぐっと体を前に出すように食らいつく。

少しでも前に前に前に前に……。

「スーやん。ストップストップ」

ノブさんの声で自分がゴールを抜けたことに気づいた。

俺、何着だったの?


俺は1着だった。

検量室けんりょうしつ前で、おっさんが飴玉をくれた。

リンゴじゃない。

かりかり……リンゴの味がする!!

「ふふ、リンゴ味の飴にしたんだけど、気に入ったかな」

甘いリンゴが最高だけど、すっぱいリンゴより好き。

おっさんに俺は頭をこすりつける。

今日俺頑張ったよね。もう一個ほしいなぁ。

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