睡眠
パチパチと目を開いて身体を起こす。
窓からは燦々と日が入ってきている。
「あ、朝……」
寝ぼけながらスマホを探すが見当たらない。
こんなこと最近あったようなと思い、ハッと気がつく。
「出社しなくていいんだ」
周りを見渡し、マオウの家の一室にいることを思い出す。
2回目が覚めても慣れない。慣れる日はくるのだろうか。
眠い身体を起こすように伸びをする。
あくびが出た。
何だかゆっくり眠れた気がする。
「今何時?」
気になるが、時計らしいものは見つからない。
もう少しだけ、と再びベッドに潜った。
柔らかく、肌に吸い付くような手触りの布団はどこの世界にいても癒しだ。
触っているうちにまた眠たくなってくる。
「疲れたなあ」
独りごちながらウトウトとし始めた。
次に目が覚めた時は、隣にラブが寝ていた。
寝ぼけた頭でラブを撫でる。
嬉しそうに尻尾をふるラブを撫でながら、2度寝したことに気がついた。
「え、今何時」
慌てて身体を起こした私にびっくりしたラブはベッドから降りた。
「あ、ごめんね」
もう一度ラブを撫でる。
いいよと言わんばかりに尻尾を振ってくれるラブ。
私は慌てて顔を洗い、化粧をした。
鏡台にはたくさんの化粧品が揃っていて、なおかつ肌に優しいものばかりだ。
ささっと化粧を済ませると、続いて洋服を見やる。
とりあえず動きやすそうなものをと思うのだが、数が多い。多すぎる。
適当に手前にあるものを引っ張ってきて着ることにした。
黄色いパーカーにガウチョパンツ。
うん、動きやすい。
やっと頭の働き始めた私は、ラブと一緒に寝室を出た。