第6章―悲しみと恐怖―
★あらすじ★
ペンがなんと事故に!
ケイはペンになんも興味を抱かないが・・・
ランはペンを選んでしまった。
それにペンの事故はかなり はでな事故で・・・。ペンが、、、
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ラン 「・・・・・・まさか・・・・・・ですよね・・・・?」
お母さんは、立ち上がってランにむかって手を招いた。
連れていかれたのは4階の126号室だった。
表札には 「ペン」と書かれてあった。
ラン 「あ・・・。ペンの部屋ですか?」
お母さんはなずいた。
そして、入ってみたがそこにはペンはいなかった。
まだ治療中だった。
ペンの母 「それで、亡くならなくてよかったわ・・・。」
お母さんはボソリと言った。
ランはペンのベッドに少しだけ座った。
テーブルの上には乱暴に置いたのか ジャンパーがぐじゃぐじゃだ。
ラン 「あたし・・・ペンの気持ちがわからなかったんだ・・・。」
ランの目には涙が浮かんでいる。
ペンの母 「え?気持ち・・・?」
ラン 「そうです・・・あたし最近、3年生の人に告白されて・・・付き合う事になったんですけど、それが間違っていたんだ・・・。それで・・・ペンが・・・」
ランが腕で涙を拭った。
ペンの母 「いいえ、ランちゃんのせいじゃないわ・・・。」
すると、ベッドの下にペンのバッグが置いてあった。
ランはそれを拾ったがチャックが開いていた。
中を見てみるとそこには・・・。
1つの紙包みが入っていた。
ラン (・・・?・・・誰かにプレゼント?)
その紙包みは綺麗に包装され、リボンの形のシールが貼ってある。
それに、小さくたたまれた メモがはさまっていた。
ランはそれをこっそり取ると、開いてみた。
そこにはこう書いてあった。
『誕生日おめでとう☆遅くなってごめん!いつも仲良くしてくれてサンキュー♪ちょっとしたものだけど、気持ちはかなりこもってるから、使ってな☆ ペンより』
あて先が書いていなかった。
ラン 「あの・・・これ誰にあげようとしたのかわかりますか?」
ランはペンの母にその紙包み渡した。
ペンの母 「え・・・?何かしら。あけてみましょう。」
そう言ってお母さんは 紙包みを開けた。
中には、金色の箱に入ったピンク色のブレスレットが入っていた。
ラン 「あっ、それ、“ランジュール・デスル”のブレスレットだわ」
ランはそくざに言った。
ペンの母 「・・・?ランちゃんこのブレスレットのメーカーわかるの?」
たずねてきた。
ラン 「はい、それあたしの好きなメーカーなんで!コンビニやスーパーでも普通に買えるんですよ」
するとお母さんは一度下を向いてから、顔をあげた。
ペンの母 「!!・・・ランちゃんの誕生日っていつ!?」
ランはハッとした。
ラン 「えっと、1週間前です!」
ペンの母 「そうだわ!ペンは、、、、ランちゃんにこのブレスレットを買ったのよ!」
すると『カラカラカラカラカラ・・・』
タンカのタイヤの音が聞こえてきた。
医者 「あ、ペンさんのお母様と・・・カノジョ?」
医者 「お待たせしました。」
と言うとタンカを部屋に入れた。
そこには・・・白い布をかぶったペンが眠っていた。
医者 「まだ、麻酔が切れていません。1時間ほどしたら目を覚ますでしょう。」
というと看護婦たちがペンをベッドにうつした。
そして「ちょっと・・・」と医者がお母さんと2人きりになるよう願った。
ペンの母 「ランちゃん、少しお外で待っててね」
ランは病室の前のベンチに座った。
医者 「・・・・・・」 ペンの母 「・・・・・・」
なにか話している声が聞こえた。
そのうちランはウトウトしてしまった。
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「・・・・ゃん」
「・・・・・・・・ちゃん・・・・!」
「ランちゃん!」
お母さんが思いっきり肩をゆさぶった。
ランは飛び上がるように起きた。
ラン 「どどどどっどど、どうしたんですか!」
時計に目をやると針は19:28をさしていた。
ペンの母 「早く来て!ペンが目を覚ましたのよぉぉぉ!!!!」
お母さんが叫ぶように言うとランの手を引っ張った。
ラン 「えぇっー!?」
ランは嬉しいのかちょっとコワいのか・・・複雑な気持ちだった。
―もし、このまま病室へ行ってペンがランの事を忘れていたら・・・?―
―もし、病室へ行った瞬間に逝ってしまったら・・・―
―もし、見たくもない姿になっていたら―
色んな不安な話しが頭を横切りながらも病室に入った。
そこには、ペンがいた。少し目を開けている。
その瞬間、ランは言葉を失いつま先の血が逆流してきたようだ。
ペンの腕が片方、失っていたからだ。
それに耳も聞こえず言葉も発せれない。
ラン 「・・・・・ペン?・・・・・」
ランはペンに近寄ったが、ペンに反応はない。当たり前のことだった・・・・・・その時は。
ラン 「ペン・・・ねぇ・・・うそだよねぇ・・・」
お母さんはあせりながらランを見つめた。
ラン 「ねぇ・・!ペン!!返事をしてぇ!いつもみたいにチィーッス☆って言ってよぉ」
ランがペンの手を取った。
ラン 「ねえええええ!!!ペン!!!!お願い・・っだからぁーーーーーー」
ランがおおつぶの涙をこぼして言った。
そしてへたれこむとペンの手を離した。
するとペンはランの頭を「ぽん」と叩いた。
ランがペンの方を見るとペンは、、ニッコリ笑ってくれた。
そして「大丈夫だよ」と、口を動かした。
音は無いが、安心感を与えてくれた。
ランはもっと泣いた。
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続く。