春とうっすら出会い4
「それで、体調は大丈夫?」
「ええっと」
なんで体調の事を聞くんだろうか。
(あ、そうだ。木陰でちょっとクラクラしてた所に来てくれたんだった)
この人はわざわざ私の体調を気遣ってくれたのか。
「ええ、大丈夫です。心配してくださってありがとうございます」
私はその場でペコリとお礼をする。
「い、いいんだ、いいんだ。すぐ体調が良くなってよかったよ」
太陽さんは照れたように手を振って良かったと笑う。
男性のにこやかな笑顔というのをまじかで見るのは初めてかもしれない。じーっと見つめてしまう。
「はい、貴方がくれたお茶を飲んだら楽になりました。軽い熱中症とかだったかもしれませんね」
「あっ、そ、そっか。あー、で、どこか行こうとしてたんだよね」
私がそう言えば太陽さんは照れたように後ろで髪をかいて話を続ける。
「はい、私には少し騒がしくて、静かな所に行きたかったんです」
喧騒が苦手でどうも周囲と馴染めないけど、一人でいたい訳でもない。ただ、望むなら同じ感性の人と仲良くしたい。そう思って今日、大学に来たけど根本に根付いた思考は変えられない。
「分かる!分かるよ、俺も正直うるさいのは苦手でさ、友達付き合いとかで、遊んだりするけど騒がしいところは行かないもん」
「へぇ、大変ですね」
彼は明るい人柄だから大勢で集まってワイワイするのが好きな人だと勝手に思い込んでしまっていたみたい。
誰隔てなく話すことの出来る彼みたいな人と少しだけ感性が似ていることに少しだけ少しだけ嬉しく思った。
「分かってくれる?っと、静かな所、だね」
「どうしました?」
食い気味にそう言った太陽さんは、私に近付いたことが恥ずかしくなったのか、照れたように元の距離感に戻って話を元に戻す。
異性と話すことはあんまりというか、お父さん以外無かったけど、男の子ってみんなこんな感じなんだろうか。だったらいいな。
そう思ったら少し思案した後、太陽さんは、こう言った。
「うちのサークル見にこない?」
「はい?」
意味もなく変な相槌をしてしまった。