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under 500 Ⅱ

ずっと、変顔の女

掲載日:2021/12/08

「写真、撮ろうよ!」


僕は、勇気を出して言った。


友達に、頼まれたからだ。


「いいよ」


「ありがとう」



彼女になる、一歩手前。


そんな、美女だ。


そんな美女と、一緒に写真を撮る。


でも、本当に美女なのか。


正直なところ、よく分からない。



なぜなら、常に、顔が疲れてしまうほどの、本格的な変顔をしているからだ。


隙なんてない。


いつ見ても、クシャッとしてる。


シワが心配になるレベルで。



「じゃあ、撮るよ」


「うん」


「3・2・1・ハイッ」


「撮れた?」


撮る瞬間、彼女の顔が、一瞬だけ普通に戻った気がした。


横目ではあるが、窮屈そうな顔が、一瞬だけ和らいだ。


そう感じた。



写真を撮るときに、変顔になる人はいる。


でも、彼女はその逆だ。


ハテナが、頭を駆けめぐり続けた。


変顔は、明らかに作ってる。


楽そうではない。


だから、あの変顔を、正常顔とするのは、やや無理がある。


余計に、分からなくなってきてしまった。



撮った写真に、目を移す。


「私、キレイに撮れてるね?」


「うん。そうだね」


そこに映っていた彼女の顔は、いつもより、ほんの少しだけ、マイルドになって見えた。


ずっと変顔でいる彼女の、素顔をまだ僕は知らない。

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