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988話 クズい折衝




 上級神達が、最適解に近いと思われる「鎧の血を紙で吸う」戦法にたどり着いたのは、単に「自分の手で触れたくない」からだった。


 中級神の生き残りが、再現不可能な手段を使い散ってしまったことで、使い捨てできる駒が尽きて自ら"試行"せざるを得なくなった訳だが……


 考えてもみてほしい、構成要素欄にガッツリ「下血」と記されている「ウンコの化身がつくった鎧」など、直で触りたいと思うだろうか?



 魔法攻撃で焼き払うと、「屁が止まらなくなる呪い」カウンターをくらい腸が破裂してしまう以上、まだマシな物理攻撃で攻めるしかない訳だが……


 自分の手でもお気に入りの武器でも、あんな穢らわしい鎧には触れたくないと、上級神全員が本能レベルで拒否反応を示してしまったのだ。



「(どうすれば、あの鎧に直接触れず事を成せるだろうか?)」


 身の危険を感じたことで頭をフル回転させ、必死に考えた結果……彼等は「紙で血を吸い取っちゃえばいいじゃん」という結論にたどり着いた。



 水ならともかく、鎧の核として使っている下血は無限に供給できるモノではないため、吸い取り続ければいずれ鎧は壊れる。


 だがそれを食い止めようと下血を供給し続けると、いずれ闇神は貧血で弱体化してしまうので、「破壊される」と理解していても手の施しようがない。



「「「「「「「「「(トドメの一発だけ、地獄空間から不良債権化している召喚獣でも喚んで攻撃させ、呪いを肩代わりさせれば……私は逃げられるしな)」」」」」」」」」


 そして<呪いの鎧>最大のエグさを誇る、「<糞神の加護>強制付与→ウンコ星人化」というカウンター攻撃も、実質無効化可能。


 不壊特性の自販機に呪いを刻んだメグミの手法を、壊れるうえに有限な「下血を使った鎧」でマネてしまった、闇神の作戦負けである。



 もっとも……突破口を思いつくまでの言動が鬼畜すぎるし、自分達で考えるに至った「あんなのに触れたくない」という動機も……


 その直前、部下を特攻させ散々触れさせた事を踏まえると、クズ度を際立たせるだけなので、上級神達の好感度は地の底にめり込んだままだが。






 だが今回は、そんなクズ極まる上級神の中から「紙で血を吸う係」に名乗りをあげる者が現れた。


「コソッ(紙での吸い取りは私に任せろ! その代わり、必ずトドメを刺すタイミングでは……)」


「コソッ(おぅ、任せておけ!)」



 もちろん彼は、「皆の役に立ちたい」という綺麗な心で立候補した訳じゃない。


 そんな澄んだ心の持ち主なら、上級神に到達する前にライバル達に騙されて、出世レースから転がり落ち屍を晒している。



 彼が、わざわざ「肛門が痒くなる呪い」にかかってしまうかもしれない、「<呪いの鎧>に触れる行為」を引き受けた理由。


 それは……もし万が一、トドメを召喚獣に刺させても「主人がやった」判定になる場合、悪辣なカウンター呪術を浴びるのを避けるためだった。



「(ケツの穴の痒みなんざ大した事ねぇよ。あの厄災が降り注ぐリスクから、逃れられるのであれば……痒み程度、いくらでも我慢してやる!)」


 もし召喚獣を喚び出す係になれば、公衆の面前でウンコ星人化してしまうリスクがあり、そのリスクを彼は許容できなかったのだ!



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜呪いの鎧・発動条件〜


鎧を破壊する:

鎧の断末魔に取り憑かれ、<糞神>と同じように排便に快感をおぼえる新たな扉を開く。

また<糞神の加護>が与えられ、排便するとエクスタシーを感じ、排便できないと麻薬が切れたときのような禁断症状に苦しめられる。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜






「(紙で鎧の血を吸う係になれば、それだけで手が塞がるから自然とトドメ担当からは外される。なら、先にリスクを確定させておくべきだ!)」


 100%自分本位な理由で立候補した彼は、一番召喚魔法が得意でありトドメ担当に向いていたのだが、他の神から反対意見も出なかったため先鋒となった。



 もちろん残りの8神も、トドメ担当のリスクについては察していたが……所詮、当たる確率なんて1/8である。


 それなら「肛門が痒くなる」確率が高い先鋒は辞退し、皆に「あっ、アイツ……今ケツ痒いんだな」と思われる、災難から逃れて……


 一か八かの厄災ギャンブルに挑む方が、自分の尊厳を守れると踏んだのだ!



 さすがに、ここで「トドメもアイツに押し付けないか?」と提案するクズ神はいなかった。


 もしそんな事をすれば、厄災から逃れたい他の神々に非難する口実をあたえ、速攻で吊し上げられトドメ役を押し付けられてしまうと、理解していたから。



 そうなるくらいなら7/8を引けるよう願う方がマシであり、先鋒役の上級神がウッカリ鎧を壊してしまう可能性もあるので……


 ホンネは口に出さず、(少しでもクジ運が上がるよう善行を積み、)好感度を上げることを選んだのである!



 なお……すでに彼等は悪行を積み重ねているため、上げようとしたところで好感度がプラスになる事などないのだが……本人達にその自覚はない。


 自覚がないからこそ、改善の見込みもなくよりタチが悪いのだ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
呪いカウンターは問題ない?かもしれなくても…もしも、闇神(現、糞神)が糞の加護札なんて作ってしまったら…。そこまで頭が回らなければ良いとして、メグミさんの真似で加護札に思い当たったら、地獄になりますね…
前の作品の上級神を読んだことがあるから、一際この作品の上級神たちの害悪度合いが浮き彫りになる(A;´・ω・)アセアセ
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