983話 どうしてこうなった?
討伐軍の上級神達は驚いた。
戦場に到着するなり、歓迎するでもなく上司である自分を鬼扱いして、働神<メグミ>への裏切りを宣言するバカな部下を、粛正している間に……
予想だにしない方向へ、事態が動いてしまったから。
「ヒエエェェェ〜〜、鬼が来たぞ! 急げっ、急いで殉職を果たしメグミ様の元へ行くんだ!!」
「なぁ、争うのは一旦止めにして……不忠義なゴミを掃除しねぇか?」
「「「「「「「「そうだな」」」」」」」」
売り言葉に買い言葉で、深く考えず出来の悪い部下神を集団リンチし……見せしめ代わりに、腸を引きずり出して縄跳びしたところまではよかった。
裏切りを宣言したバカは、汚い臓物を撒き散らして絶望的な表情で逝ったし、他の生き残りもガクブル震え、どんな命令にも従う状態になったから。
だが……一仕事終えて意識を中級神達から外すと、なぜか下僕化したクソ神が息絶えており、その側で闇神がパワーアップしている。
闇神から、大便のニオイが漂っているのはいい。
どうせまた糞ったのだろう。
しかし、どうして急にパワーアップしたのか?
そして何故、やや格落ちとはいえ同じ上級神のクソ神が、こうもあっさり殺られてしまったのか?
疑問は募るが、討伐軍の上級神全員が本能のまま「久しぶりの部下イジメ」を楽しんでいたため、闇神の監視を怠っており全然状況が掴めない。
「というか、あの変態鎧はなんだよ? 前はプラプラしているくせに、どうしてケツの守りは厳重なんだ? しかも、肛門周辺の装備……凝過ぎだし。キモッ!」
血と糞が混ざったようなニオイを放つ変態鎧を見て、思わずドン引きしてしまった、上級神の感性はいたって普通だ。
しかし闇神にとって、もはや前の<ピー>など「ぶら下がっているだけの排尿器官」でしかない!
以前のように女を陵辱しなくても、脱糞するだけでエクスタシーを感じられるようになり、フェチも全て<糞>に寄ってしまったため……
オスとしての本能は、お役御免になってしまった。
その代わり普通の鎧では不可能な、「手軽に尻の割れ目を露出させ排泄モードに移れる機能」を備え、尚且つ臀部のガードを鉄壁にした鎧が……
現在の自分のアイデンティティーである<糞>を守るうえでも、欠かせなかったのである。
「おぃ、見てくれに誤魔化されるな! あの鎧……ヤバイぞ、悍ましい呪いが刻まれている! 全員、今すぐ鑑定しろ!」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
不可解な状況と「キモ鎧マンに大変身した敵」を前に、困惑して固まってしまった上級神達。
しかし最年長の神がその鎧の真価に気付き、全員に「鑑定」を促したことで、皆「どうして闇神がこの変態鎧を身に纏ったか」に気付いた。
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〜呪いの鎧〜
この鎧に触れる。または特定の条件を満たすと、それに応じた呪術がはね返り加害者を苦しめる。
呪術には加害者のマナが流用されるため、着用者の負担は基本的にないが、鎧が削り取られると構成要素の「血」と「黒マナ」が不足するため、補充の必要性アリ。
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「自販機の真似事じゃねぇか。散々自分が苦しめられてトラウマ化した結果、ついに自らが自販機野郎に……!」
「だがバカにできんぞ!? はね返る呪いの内容が屈辱的すぎるし、そもそも成分が穢らわしくて触れたくない! どうして下血なんて使うんだよ!!」
そんなの、言うまでもないだろう……闇神が呪いによって<糞神>化し、<糞>との相性が極度に良くなっているからである。
大した役にも立たずに闇神の養分にされてしまったクソ神の、置き土産(笑)とも言えた。
「穢らわしいのなんて今更だ。存在ウンコと化した闇神は、言うまでもなく"不浄の存在"。触れたくないのも、皆同じ」
「そもそも、鎧の対処法が分からないと触れられないしな。あれは自販機をマネているんだよな? 闇神は、自販機をどう攻略していた?」
「「「「「「「「……………………」」」」」」」」
そう、攻略できなかったのである。
闇神はメグミの自販機にビビりまくった結果、逃げるように自領から離れて<サルトー区・ポルカト界>へ逃げこみ、今に至るのだから。
「えっ、マジで詰んでないか?」
「仕方ない。一応、動けはするからな。あそこで腰を抜かしているバカ共に、最期の仕事を与えよう。おぃお前等、望んでいた殉職チャンスだぞ!」
「闇神が身に纏っている鎧の攻略法を編み出せ! 攻略できた奴だけ助命してやる!」
そしてお馴染みの他力本願コース!
どこまでいっても、上級神達の搾取体質は変わらない。
だがそれでも、命令を受けガクブルしていた中級神達の瞳に生気が戻る。
『『『『よし来た、殉職チャンスだ! 降って湧いたラストチャンス、絶対に無駄にはしない!!』』』』
彼等にとって闇神への特攻は「ご褒美」であり、パワハラ地獄から逃れて信者転生できる「救い」に見えたのだ。
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






