表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
98/958

98話 類は友を呼ぶ


〜ハイドンside〜




 指定した集合日から2日……ようやくロミオットとホムビッツの野郎が、<恵のダンジョン>に到着した。


 そして、遅れてきたにも関わらず反省の色はナシ。


 遅延を互いのせいにし責任を押し付けあっている。



「ホムビッツ。貴様が”待ち合わせ”に遅刻したから、到着も後ズレしたんじゃないか! ハイドン様に謝罪しろ!」


「ふざけんな! 合流場所を間違えていたのはソッチだろうが! 地図すら読めんのか、このアンポンタン! 貴様が土下座して許しを乞え!!」




「見苦しい、両者とも悪いわ! 実力がないんだから、せめて時間くらい守りやがれ!!」


 ダンジョン攻略の前に消耗させるのは不本意だが、自分の非を認めない傲慢な2匹にカチンときたので、"闘魂棒"で鼻が平らになるまで殴ってやる。



 まったく……どうしてバカの扱いは、こうも面倒なんだか。


 暴力で支配している時は優柔不断になって現場指揮官として使えないし、モチベーションを上げさせるために手綱を緩めると、勘違いして調子にのり出す。



 300万ロル払って逃げ帰ってきたナステック同様、「砂漠マラソン100kmの刑」に処しておいたが……バカだから本質的な反省は望めないな。


 クルスやアリスのような"使える手下"、どこからか湧いてこないかねぇ〜。






 少し”喝”を入れたことで、一時的に大人しくなった<三馬鹿>に対し……ダンジョン攻略の指示を出す。


 ヒュージヒールスライム等の用意はできているし、チンタラしていると<殺戮ランキング>の期日に間に合わねぇからな。



 こいつらがダンジョン深部まで攻略するか、コアの支配権を奪った直後……戦力が落ちている"生き残り"を俺が喰らい、オイシイところを全て持っていく。


 それをミッション終了日までにやらなきゃいけないのに……ガキ2匹が遅刻しやがったせいで、時間的な余裕が一切ないのだ。



「ロミオット・ホムビッツ……遅刻してきた貴様らは、拠点なぞ立てんでいい! 3人まとめて攻略してこい!」


「えっ? はっハイドン様、少しお待ちを! 私は、もうゴーレムに<ピー>されたくありません! 一緒に対策を考えてくださいブフェェッッ!?」



 即刻行ってくるよう命じたら、<天国と地獄フロア>で泣きを見せられたナステックが、「嫌だ!」と文句をつけてきやがった。


 剣で唇と鼻を削いだら黙ったが、普通考えなくても分かるだろう?



 なぜ支配者たる俺が、テメェの気持ちなんて考えなきゃならねぇんだよ。


 そんなもん知るか!



 貴様ら3匹が<ピー>されて泣こうが恥を晒そうが、俺には何のダメージもないのだ。


 ぶつくさ言ってないで、魔王にふさわしい成果持ってきやがれ!!



「おら、全員とっとと行け! もし戻ってくる奴がいたら……誰だろうと徹底的に拷問して、自ら死を懇願させてやる」


「「「ひぃ〜!?」」」



 だから汚いツバを飛ばすんじゃねぇよ!


 コイツ等を殺すと(戦力になる)配下のモンスターまで消えるから、しぶしぶ生かしているが……攻略が終わり次第、地獄へ送ってやるからな。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


〜メグミside〜




 ハイドンに叱られた<負け犬トリオ>が、仲良く<天国と地獄フロア>へ入ってきたので、さっそく出来上がった映像を流してやった。


 ナステックが格違いのオリハルコンゴーレムに蹂躙され、男としての尊厳を失う24時間を記録したなかなかの傑作だ!



『うぎゃぁ〜!? 私の<ピー>が<ピー>されて<ピー>なるところが、鮮明に映っている!? 嫌だっ! 見るなっ、見るなぁ〜!!』


 主演であるナステック君も、最高のリアクションを返してくれたし……せっかくだから、ルーレットの前に1時間ほど視聴するかい?



『ギャハハハッ! なんてザマだよ、ナステック。お前、”私は遅刻してない”とか言って……ゴーレムと変態プレイしてただけじゃねぇか。キモッ!』


『ナステックに露出癖があるとは思わなかったよ。見せられるほど立派なものじゃないから、程々にしておいた方がいいぞ』



 予想どおりと言うべきか……ロミオットとホムビッツは、ナステックの醜態を見て笑いだした。


 他者の不幸を喜び傷をえぐるその顔は、学生時代に見たものとそっくりだ。


 コイツら三人とも、先輩魔王に殴られすぎて顔面崩壊しているから……あくまでも雰囲気が似てるってだけだけどね。



『ふざけんな! 私はこの戦いを有利に運ぶために、身を削って情報を得たんだ! 賞賛するならともかく、罵るなんてチームを組む魔王の行動じゃない!』


『くくっ、そんなに怒るなよ……変態君。ゴーレムに<ピー>されて喜ぶなんて、お前……マゾだったんだな』


『うっ……グスッ…………』



 ナステックも反論するが、口達者なホムビッツに嫌味を追加されて撃沈。


 試練部屋の真ん中で、砂の床をドンドン叩きながら泣きだしてしまった。



 それはそれで「ざまぁ」だから良いんだけど……ロミオット・ホムビッツ……お前ら2人とも、ルール説明読み飛ばしたよね?


 数日前のナステックと瓜二つの行動なんだよ、ソレ。


 彼と同じようにゴーレムに蹂躙され、泣くハメにならなきゃいいね!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] どうやっても最深部へは到達に1ヶ月以上掛かるダンジョンだろうし、ミッションの失敗は確定ですかね…
[気になる点] 殺戮ポイントランキングの期日があとどれくらいか分からないけど、どんなに速くても眠らないフロアで10日は足止めになるから間に合わなさそう
[一言] まさか……ナステックがあんな目に遭った原因も探らないで、そのまま進むのか? あの情景になんの疑問も警戒も抱かないとは……知性が地下に墜ちたようなやつらですね……w
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ