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97話 メグミは最深部であざ笑う




「おぉっ! ナステックの奴、早速<大地獄ルーレット>に引っかかった! 仮にも元エリートなんだから、ルール説明を読み飛ばしちゃダメだろう」


 まぁ……裏金でテストの点数を水増ししていた自称<賢臣>のアイツなら、やらかすと思ったけどさ。



 討伐軍がダンジョンから消えてすぐ、僕が行ったのは、先輩魔王の駒として突撃してくるであろう78期対策だった。


 奴らをウンザリさせモチベーションを削ぐために、あえてルール説明を長文化。


 全文黒色で文字の大きさも豆粒サイズ、イラストによる分かりやすい説明もはぶき……"読み飛ばすバカ"が現れそうな、難しいつくりにしたのだ。



 その上で、<幸運系アイテム>の対策として<大地獄ルーレット>を設置。


 説明文の分かりにくさに音をあげ、流し読んだりスルーした脳筋魔王を……<ダンジョン運営規約>に触れない範囲で、終わらせる事にしたよ。



 僕もナステックが<ピー>される汚い絵面を見せられ、吐きそうになったけど……その程度の負担で、奴の尊厳を踏みにじれるなら安いものだ!


 ナステックが各所で流れる「ア〜ン♪」な放送を止めるには、<恵のダンジョン>最深部へ到達しコアを破壊するか、ダンジョンの支配権を奪うしかない。


 躊躇したり上層階をウロウロしている間にも、「死ぬより恥ずかしい映像」は視聴され続けるから……より猪突猛進で視野の狭い指揮官となり、配下のモンスター共々自滅してくれ。






 あっ、ちなみに……<大地獄ルーレット>の対象者を選ぶ”お題”と、イベント発動のタイミングは……僕が指定できるようになっている。


 普段はランダムに表示される設定なんだけど、78期の魔王が来たときだけ、「歓迎モード」に切り替えソイツを狙い撃つのだ!



 僕は「ムカつくナルシスト野郎」であっても、直接地獄に落とすのは好きじゃないので、ダンジョンの設定も<オートモード>にしている。


 干からびた侵入者のところへモンスターを向かわせたり、鬼のようなトラップを仕掛ける事はあるが、個々人での差別はしないのだ。



 だけど、学生時代に散々イジメてくれた78期の連中だけは、この手で引導を渡したいっていうか……心身ともズタボロにして終わらせたいんだよね。



 もちろん、「無視するだけだった子」が来たときは手出ししないよ。


 (多分ナイと思うけど)サーシャみたいな子がいるかもしれないから、他の侵入者と同じようにオートモードで迎え撃つ。



 でも……直接手を出してきた<負け犬トリオ>や、一部のクラスメイト……影でサーシャの悪口を言いふらしていた、嫉妬深い女子は別だ。


 <メグミ>という名を聞くだけでも怯えるくらい痛めつけて、かつての愚行を悔いながら絶命させてやる。






「しかし……1年以上魔王やっているのに” パパ助けて〜”はないだろ! 汚坊ちゃんには”お尻を叩かれたらパパを呼ぶ”習慣でもあるのかね〜?」


 壁を蹴ったペナルティーで<お尻100叩きの刑>をくらったナステックは、20発を超える前から子供のように泣き叫んでいた。



 「ステータスを強化した魔王」が来ても平等に尻を粉砕するために、<討伐軍との戦い>で得たお金を使って、オリハルコンゴーレムと<龍皮の鞭>を用意したんだけど……


 効き目バッチリだったみたい!



 Sランクモンスターのオリハルコンゴーレムを、罰ゲーム執行要員として1階層に配置するのは、コスパの悪い愚行なんだけど……


 これからも感情を優先して置き続けるから、好きなだけ堪能してくれ。



 あっ、ナステックの<ピー>が弾け飛んだ。


『指令〜! オリハルコンゴーレム君、其奴にポーション使ってあげて。ロミオットとホムビッツが来るまでは殺したくないから、死なない適度に治療してね!』


『カシコマリマシタ』






 結局ナステックは「人生の終わり」みたいな表情を浮かべ、配下のモンスターを置き去りにしたままリタイアした。


 頼まれてもいないのに司令塔自らダンジョンへのり込み、お金・時間・精神をすり減らして逃げ帰るなんて……一体、何がしたかったのだろう?



「くくっ、案の定ハイドンに殴られてる。”何一つ成果を持ち帰らない”下僕なんて、リンチされて当然だ」


 半殺しにしたあとは、サラマンダーに追いかけられながら「炎天下の砂漠」でマラソン……か。



「ハイドンにしては甘い処分だな。ロミオットとホムビッツが合流したら本格的な攻略が始まるから、徹底的にいたぶるのを避けたのかも」


 まぁ……この程度でナステックを切り捨てたら、「自分のダンジョンの守りを手薄にしてまで出張ってきた」意味がなくなるもんね。



 ナステック君には、<恵のダンジョン>深部で手形・心臓・現金をもらう予定だから、コチラとしてもありがたい。


 ロミオット・ホムビッツと共に、たっぷりお金を持たせた状態で送り込んでくれよ。



「メグミ様、地上の監視部隊から”新たなる脅威”の報告が! 目視できないので、確定とは言えませんが……おそらく魔王とその一味。それも2組です」


 おぉ、ロミオットとホムビッツも来たか。


 これでハイドンの駒は揃うから……いよいよ本攻略だね。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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