965話 糾弾祭り
〜メグミside〜
腹が痛くなって始めて、自分が闇神の糞を食い大腸菌にやられたことに気付いた、討伐軍・上級神達は……
ミッションルームが汚いせいで派手なリアクションこそできないものの、絶望に打ちひしがれ瞳から輝きが消え去った。
そりゃあ、「他者のウンコを食う」なんてスカトロイベントだけでも絶叫モノなのに、長年派閥争いでライバル視していた闇神のブツなんて……
「この世で最も気に食わない奴のウンコを食わされた」も同然だから、その屈辱感はよく分かる。
「(僕も魔王になる前、イジメっ子3人組に"靴を舐めろ"と言われて、殺意がわいた記憶が……。今回は"ライバル視していた奴の糞"だから、よりタチ悪いよ)」
僕みたいに「先に命令されるパターン」も嫌だけど、今回のように「気付いたら手遅れだったパターン」もキツイ。
なんせ今から慌てて胃の内容物を吐き出したところで、「闇神のウンコを食ってしまった」事実は消えず、生涯"黒歴史"として残るわけで……
どう足掻いても挽回できない辛さが、絶望感を加速させるのだ。
まぁ僕からすれば「ざまぁ」でしかないし、うっすら「腹が痛い」と感じた時に原因究明しておかなかった、上級神達の自業自得。
理不尽なクレームメールを寄越したり、これ以上ミッションルームを汚さなければ、どれだけ苦しんでくれても構わないので……
心ゆくまで「慢心が招いたツケ」を払い、これまでの怠惰を反省して、「清く正しく働く神」に生まれ変わってもらいたい。
などと考えていたが……さすがは「他者の責任を追求するプロ」の上級神達……アッと言う間に、一人だけ無事な神がいることに気づき糾弾を始めた。
『貴様っ、なぜ腹を押さえておらん! 顔色も良好……さては、隙を見て味方の我々に"糞"を盛ったのは……!!』
『おぃ、コイツのステータスをよく見ろ! 名称が<クソ神>になっているぞ!!』
『どういう事だ!? 呪術は成功し、闇神が<糞神>化したのではないのか!?』
うん、たしかに闇神は<糞神>になり……「身も心も糞に依存するド変態」に堕ちた。
だけどクソ化したのは、闇神だけじゃなかったんだなぁ〜。
『そうか! 供物として使った大便との相性が良い"糞の呪い"は通ったが、供物との関係性が薄い"クソ成分"は呪詛返しされてしまったんだ!』
『チッ! 闇神は、呪術の名手だからな。術のレベルだけならコイツより格上だし、気付かれず一部はね返すことも……できなくはない』
自分達の尊厳を貶めた犯人の目星がつくやいなや、上級神達は「(性格)クソ神」の周りを取り囲んで、四方八方から蹴り飛ばしサンドバッグにした。
元はと言えば、彼一人に呪術担当を押しつけた挙句、実害が出るまで気付きもしなかった上級神達が悪いのだが……
彼等の辞書に、「チームワーク」「思いやり」「アフターケア」の文字はない。
なので「ボコられたクソ神」が言い訳しようとしても、問答無用でリンチを続け、最終的には半殺しにした状態で彼の顔を便器に突っこむ。
自分達だけ酷い目に遭わされて加害者が無事なんて、腸が煮えくり返るほど不愉快な状況なので、彼にも「闇神の糞」を食わせようとしたのだ。
だが肉弾戦が苦手な魔法師タイプとはいえ、(性格)クソ神だって上級神の一角。
ただのサンドバッグになりさがり、抵抗することなくライバルの憂さ晴らしに付き合うほど、貧弱ではなかった。
そもそもの話……彼を集団で取り囲んだ上級神達は、全員「闇神の大腸菌」に胃腸をやられて弱っている。
つまりタコ殴りにされたところで、逃げ出す余裕こそないものの意識を失う程でもなく、反撃する余力が残っていたのだ!
<−−− ジャアァァァ〜〜〜〜ッ ブルルルルルルルッ! −−−>
『おぃ、ちょっと待て! テメェ、何しやがった!』
『知るか。文句なら、俺の神聖な髪をこんなにしたさっきの自分に言いやがれ!』
首根っこを掴まれて顔面から便器にぶち込まれ、そのまま水を流されたクソ神は、一瞬の隙をついて顔をあげ首を勢いよく振り……
歯ブラシの代わりに便器を掃除してしまった己の髪を、遠心力で振り回して水滴を飛ばし、その汚い水滴が「ミッション課題の激辛料理」に入るよう調整。
結果……激辛料理・第一弾に続いて第二弾も"雑菌水入り"となり、たとえクソ神を殺しても、上級神達の地獄は終わらぬ状況となった。
もちろん切羽詰まった状況で微細なコントロールなどできないので、クソ神は自分用の激辛料理にも汚水を入れてしまったが……
すでに"便器うがいの刑"で汚い水をがぶ飲みさせられた後なので、そのくらい今更である。
『くくくくくくっ! 俺を殺すか? もしココで俺が死んだら、俺のリソースは丸々メグミのものとなり、あの過労神が昇格しちまうぞ?』
『『『『『『『『『むぅ……っ』』』』』』』』』
そして、痛いところを突いた脅しを一発。
天下の上級神が中級神<メグミ>の過労力を笠にきて身を守るなんて、みっともない事この上ないが……クソ神は、見栄より実利をとれる強かな性格だった。
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作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)






