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962話 目立つ裏切りの裏で


〜メグミside〜




 <働札の加護札>をデコに貼りつけ自らキョンシーになったうえで、労働教に入信させてくれとせまる討伐軍・現場班の神々。


 その思い切りの良さと、入信を求める身でありながら「崇める予定の神」の都合を考えない身勝手ぶりに、ドン引きしていると……


 僕より先に、脱糞中だった闇神が屁で抗議をした。



<−−− ブゥゥーー!! ブブブブブゥ〜〜〜〜ブルブルブルブルブゥゥッ!!!! −−−>


「(あぁ〜、こりゃあ"何バカな事を言っているんだ! 上級神である私の派閥に寝返る事はあっても、実績すらないキチガイ小僧に与するなんて……!"的なニュアンスだな。尻が唸ってやがる)」



 屁の翻訳読解など僕だってしたくないのだが、気持ちがよ〜く表れていて自然と訳せてしまった。


 ちなみに……勢いよく屁を放ったせいで、それまで屁を塞き止めていた栓糞がスポーンと飛び、床にズボッと刺さったわけだが……


 無限にある「砂漠の砂」とはいえ、床の構築材も一応僕の資産なので、その上で野糞をするのはやめてほしい。



 もちろん罰金は取るし、闇神を糞神化するよう提案したのはコチラなので、「多少は我慢するべき」と諦めている。


 でもだからと言って……一応"偉い神様"なのだから、もう少し"品性"というものを持つべき………とか思うのは、贅沢なのかなぁ〜。


「ハァ〜」






 放屁クレームこそ放たなかったものの……現場の神々の暴挙に反応したのは、闇神だけじゃない。


 彼等に無茶な命令をくだし極限まで追い詰めた、討伐軍の上級神達もまた、追い詰めた自覚なく「一方的に裏切られた!」と憤慨していた。



「(まぁ気持ちは理解できるけどね。元はと言えば全てアンタ等のせいだし、自業自得でしょう)」


 息を吸うようにパワハラをかます上司軍団にとって、「目下を捨て駒として手荒に扱う」のは、至極当然な上下関係であり……


 それがパワハラで反逆の原因になるとは、思っていないのだ。



 いや……一応経営学の知識はあるので、「中途半端に脅すと逃げる」って概念は知っているんだろうけど……


 人間社会の権力者と同じで、「だから優しくしよう」とはならず「なら逃げ道を塞ごう」となるだけなので、知識が悪い方にしか活かされていない。



「(そして墓穴を掘った張本人でもないのに、なぜか僕にまで鬼のクレームメッセージ……と。メッセンジャーの中級神<エース>も大変だな)」


 でも彼は彼で、すでに<働神の加護札>をデコに貼り「無限労働できるキョンシー」化されているので、これだけの鬼クレームを仲介しても平気なのか。


 働神として力を貸した僕が、その力のせいで鬼クレームの餌食になるんじゃ、本末転倒感ハンパないけど。






「(だけど……あれ? 上司軍団の中で、一神だけ変な動きをしている神がいる。あぁ、アイツ……闇神の名前を<糞神>に変える呪術を放った、哀れな術師だ)」


 上級神のステータスを覗くチカラなんてないので、詳細は不明だけど、先輩方の推察によると「脱糞以外のクソな呪いを跳ね返された」状態だったはず。


 闇神がリアル<糞神>で、呪術師のアイツが性格<糞神>……洒落にならない話だが、指摘して怒りを買うとロクなことにならないので、触れぬが吉だ!



「(他の上司神達が地団駄を踏んで怒っている後ろで、彼等用の激辛料理にコッソリ細工している。それも、超絶タチが悪いやつ!)」


 僕が供物として献上した闇神の糞を、直接激辛スープに溶かすのではなく、自販機で購入した歯ブラシでコッソリ便器を掃除。


 そして……掃除で汚れた歯ブラシを、激辛スープにつけて洗ってやがる。



 上級神の頑丈さはケタ違いだから、あの汚染されたスープを飲んでも、腹を壊したりはしないだろうけど……嫌なもんは嫌だよね。


 うん、性格クソすぎ!






 歯ブラシを間に挟んでいるとはいえ汚物混入は汚物混入なので、上司軍団の誰かが激辛料理の鑑定をおこなえば、すぐ異変に気づくだろう。


 しかし……彼等はミッションとして激辛料理を提供された時点で、異物混入がないか入念にチェックしていたため……


 わざわざ再チェックする可能性は低いし、味のパンチが強すぎるせいで、多少汚物が混入していても察知するのは困難だ。



 それも見越して、普段からライバル視している神々相手に嫌がらせしたのだろう。


 無事"汚物混入ミッション"を成し遂げた、上級神の顔……ものすごく清々しい表情で、気持ちのいい脱糞を終えた後の闇神そっくりなんだよ。



「モンティート先輩。さすがにアレは……無視でいいですよね?」


「もちろん。コチラが意図的に汚物を混入した場合は、ダンジョン運営規約に抵触する可能性があるからダメだけど、あれは内輪で起こった事件だから」


「了解です!」



 冷酷なようだが、「便所掃除歯ブラシを洗われたスープ」を飲まされた程度でコチラが助けなきゃいけないほど、あの上司軍団はヤワじゃない!


 事実を知ったら、ショックのあまり呆然自失になる可能性はあるけど……身体的健康が損なわれるリスクは、元のスペックが高すぎて皆無だもん!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
糞を司る神の便ってなにかヤバいものが入ってそう
いや、元闇神上級神の中でも強い方だったから、そいつが変化した糞神の糞の汚染力って 上級神にとって「人間がノロウイルス患者の便触った」くらいの効果はあるのでは?
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