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961話 締め付けられた奴等の末路


〜メグミside〜




 やや広めとはいえ、細かく区切られたダンスフロアの一区画で野糞をしていた闇神と、順調にミッションをクリアして進んだ討伐軍が対面してしまった。


 敵に追いついた構図だから、本来は緊迫する場面なんだろうけど……闇神が下半身裸でウンコ座りをして捻り出しているせいで、全部台無しである。



<−−− プーーン −−−>


「「「「「「「「「「臭っ!」」」」」」」」」」



 そして、ある意味さすがというか……これだけ乾燥したダンスフロアの中でも、闇神の野糞は臭うらしい。


 僕等が見ている映像は、口裂け女さんが仲介してくれた"ニオイ抜き"の代物なので、全然実感わかないけど……


 一生わかないままでいたいので、これからも「情報量がムダに多い生映像」は遠慮させていただきます!



「というか、立て看板を無視して糞るんじゃねぇよ! しかも、一区画進むたびに出しやがって」


「糞神だからね〜。ポテチ無限食いできる環境でダンスなんかさせたら、そりゃあ無限生産するでしょう」



「どうせなら、汚物じゃなくて世の為になるものを生み出してほしいです!」


「無理だよ。諦めな」



 愚痴ってもモンティート先輩に冷たくあしらわれ、賛同者が誰一人いない状況だが、働神としてムダ糞ばかり垂れ流しているロクデナシを許せないのだ!


 ケツの穴に<働神の加護札>を貼って二度と野糞できないように塞ぎ、世の為人のために無限労働する善神へと更生させたい!






「それはそれとして……討伐軍の彼等、戦うのかな? いや、戦わざるをえない状況だけど……相手は腐っても上級神。勝てないでしょう?」


「勝てないねー。でも戦うしかないんじゃない? すぐ後ろに上司軍団が迫っていて、サボりがバレたら粛清待ったなしだもん」


「そもそもの話、闇神を先に行かせたとはいえ間を置かず後追いしたくせに、互いの距離を把握せずサクサク進んじゃった、アイツ等の落ち度でっスもんねー」



 先輩もマサルも非常であり、突撃したはずなのに逆に追い詰められている、中級神軍団を呆れた目で見ている。


 たしかに……疲れているとはいえ、監視を怠り適度なダンスで次々とミッションクリアしたのは、悪手だった。



「あっ、上司軍団から鬼の指令が飛んできた。全員、今すぐ手持ちの<働神の加護札>を全身に貼りつけて、闇神のもとへ突撃せよ……だってさ」


「しかも、死んだら魂に傷を刻んで来世まで罰を与える……か。動くも地獄、動かぬも地獄っスね」



 二人とも、上司軍団のあまりの暴君っぷりに白けているけど……


 現場班へ指令を送る直前に彼等が発した、「ダンジョン内でこれ以上死者を出すな」という呟きが、上司軍団の本音なのだと思う。






「(そりゃあ、これ以上<恵のダンジョン>で死者を出したら、彼等のリソースを奪い取ったダンジョンマスターの僕が、より成長しちゃうもの)」


 今更感ハンパないけど、さすがの上司軍団も「<恵のダンジョン>で戦うことのヤバさ」に気付き……



 ダンジョン脱出後に決着をつける方向へ持っていこうと、彼等なりに足掻いているのだろう。


 すでにダンジョン奥深くに潜ってしまったうえ、現場班と闇神がバッティングしている状況でそれを求めても、成功率は低そうだが。



「(とはいえ、上司軍団がヤバイ奴等なのは元から分かっていたこと。問題は、この無謀すぎる命令を受けた現場班がどう動くかだ)」


 働神としては、加護を受けて労働に勤しんでくれる者が増えるなら、喜ばしいことだけど……


 ココで無限労働すると短時間で命を散らす結果となり、神生における総労働時間が伸びないことも理解しているため、手放しで喜ぶこともできない。



「(まぁ僕には決定的なんてないし、"なるようになれ"って心情で見守るしかない訳だけど。皆、ガンバレヨー)」


 そう思い気を抜いた3秒後、僕はその決断を後悔しズッコケるハメになる。






 上司と格上の敵にはさまれ、無茶すぎる命令を与えられて詰んだ、現場の神々が出した結論。


 それは……現場を見ているかも分からない、加護札意外何一つ関わっていない働神に祈りを捧げ、入信→亡命を乞うことだった。



『働神様。私は鬼上司の派閥を抜けて、貴方様の派閥へ鞍替えいたします! 今世でとは言いません。せめて魂だけでも回収して、来世でコキ使ってください!』


『板挟みになって死に、地獄世界の領地もあのクソ上司に接収されるくらいなら……せめて一泡吹かせてやる! 私も、働神様の礎となります!!』


『亡命万歳! 生きて移れるとは思えないけど、それでも現派閥で朽ちるより希望はある! 俺の魂を、このダンジョンに刻むんだ!!』



「いや、それはアカンでしょう! 僕を巻き込むなって!」


 時間が経ち、闇神の糞っぷりが記憶を上書きしたことで、やや忘れられかけていた「現場班の働神教・入信説」。



 それをこの緊迫した場面で再燃させ、しかも<働神の加護札>をデコにつけて、自らの退路を断ち強引に入信するとか……


 信者の押し売りすぎて、思い切りのよさと迷惑っぷりにドン引きだ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
溺れる者は藁をもつかむってか
うーん、この手詰まり感(汗) いや、マジでまだ資産も地位も実績もないポテンシャルのみの後進に縋りつきたいとかどんだけメンタル追い込まれてんのよ(汗)弱ってるときってそういうものなんだけど。 せめてダ…
もう、リソース回収&来世は恵のダンジョンで雑用係!決定!で良いのではw
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