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954話 ジュース中毒




 <働神の加護>を授かり脳が働くようになった結果、生来の「女性らしいズル賢さ」が戻った彼女は、キモイ闇神が映し出されたモニターを凝視。


 そして次なる献策をおこない、間接的に闇神を追い詰めていく。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


メグミ様、僭越ながら再度献策させていただきます。


僅かに部屋の温度を上げ、湿度を下げた方がよろしいかと。


現状、部屋の温度・湿度は「過ごしやすい状態」になっており、あれだけ闇神がゲリってもなお汗だくにはなっておりません。


それを「微妙に不快な状態」へ変更すれば、闇神はゲリる度に汗をかき、負荷がかかった肛門も乾燥で裂けやすくなるでしょう。


また湿度を下げてカラッとさせると、温度も相まって喉が渇きます。


私もいただいたとき感動いたしましたが……美味しいんですよ、キンキンに冷えた炭酸を暑い中で飲むの。


安いやつでも、疲れた体の芯まで響く甘露に思えます。


だから闇神も、環境さえ整えてやればもっと炭酸ジュースを飲み、より不健康な肉体に生まれ変わるかと。


特に炭酸ジュースは、血糖値を爆上げして集中力を削ぎますし、中毒性もございますから、自制心のない奴にはうってつけですわ♪


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 これまでゾンビゆえ脳も腐っていたから、活かせていなかったが……"口裂け女"の中には、生前闇神に陵辱された女神達の魂が幾つも入っているのだ。


 脳と口が復活すれば、それは姦しい……失礼。


 才女の集合知を言語化する、素晴らしい存在に生まれ変わる。






 もちろん、女性(味方限定)の提案に「はい」か「Yes」しか言わないメグミは、即座にこの献策を採用。


 闇神がいるミッションルームの住環境を微妙に悪くして、闇神に炭酸ジュースの課金を促した。



「費用対効果って意味では、微妙だけどね〜。よりキンキンに飲み物を冷やす分、自販機の管理コストが嵩んで引かれるマナが……」


 愚痴をこぼしてはいるが、キンキンに冷やした効果は絶大で、クソ甘い炭酸ジュースが温度によって「適度に飲みやすい甘さ」に変わる。



 日本製のジュースも、冷たい状態で飲むこと前提で砂糖増し増しになっており、常温だと気持ち悪い甘さなのだが……


 それより更に甘い海外製は、キンキンに冷やさないと"喉越しよく"なんて飲めたもんじゃないので、凍る寸前まで冷やすのがベストだ!



 だが……飲み干すまでは気持ちよくても、闇神が乾いた環境でガブ飲みしているのは、常飲するには不適当な「砂糖たっぷり炭酸飲料」。


 飲んでも飲んでも何故か乾きが癒えず、むしろ喉が渇いてくる。



『チッ! 甘さが原因か。水は……売っていないようだな。自分で出してもいいが、ここまで冷やすとなると魔法コストが嵩む。砂糖を取り除く方向でいこう』


 さすがに闇神も、ジュースじゃ全然水分補給にならない事に気付き、大量に入った砂糖を魔法で取り除くことに決めた。



 だがそれでも、片腕に抱えこんでいるポテチは健在で……炭酸ジュースも、「砂糖の甘さが自然と欲しくなる中毒状態」までいったので……


 一旦は節制しても、そのうちまた自然と「ありのままのジュース」に手が伸びて、不健康化を加速させるだろう。






『他に売っている飲み物は……酒。メグミは酒飲みなのか? 神といっても、所詮は魔王あがりの神モドキなのだから、飲み過ぎると死ぬぞ』


 他に売っている商品も、基本的に「不健康を促進させる代物」ばかりであり、討伐軍相手にもヤバイ薬を売っていたメグミは……


 これだけあからさまに肉体を内側から壊そうと狙っているにも関わらず、一切闇神から疑われない。



 闇神にとってメグミは、存在自体がクレイジーな気狂い神であり、他者を害す為にこんな地味な仕掛けをするとは思えないのだ。


 害する気ならウンコ酒でも飲ませるだろう、という評価なので……多少砂糖が混ざっている程度じゃ、悪意に気づかないのである。



 どちらかというと、闇神の不満は自販機じゃなく「備え付けのトイレットペーパー」に向いていた。


 敵が使うものだし課金にも繋がらないからと、彼が「入手できる中で一番安いゴワゴワのトイレットペーパー」を使用し、闇神の尻に危害を加えていたからだ。



<−−− ピシッ −−−>


『痛っ。くそぅ、また切れやがった! こんな粗雑な物を置いておくくらいなら、トイレットペーパーも課金制にしろ!!』



 再生能力が高い闇神にとって、"切れ痔の元"などあっと言う間に治癒する傷でしかないが、デリケートゾーンが裂ければ痛いのは、誰だって同じ。


 それも……ちょっと前まで激辛料理でカンカンに刺激され、未だにヒリヒリ感が残る惨状のケツに、"追い傷"をくらっている状態なので……


 感じるストレスは、普通に切れたときより大きいのである。



 もっとも……


「「「「オゲェェ〜〜〜〜ッ!!!!」」」」



 闇神自身より、念入りに拭くため持ち上げられたケツが監視モニターに映るたび、ニオイだけでなく絵面も汚くなり……


 その影響を受けて涙チョチョ切れている、討伐軍の監視係達の方が、はるかに大きな被害を受けているのだが。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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