表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
951/963

951話 世界に一つの


〜メグミside〜




 そうと決まれば話は早い!


 "口避け女"さんが限界ギリギリまで働いて、満足のいく成果を残せるよう、彼女に合ったオーダーメイドの加護を創り出すべく、儀式をおこなう!



<−−− ガチャッ! −−−>


「サーシャ。悪いんだけど、エレガントな衣装を纏って其処で踊ってくれない?」


「えっ、うん。了解!」



 気を高めるためにまず必要なのは、落ち着いてリソースを練りこめる安定した環境。


 できればハーブの香りが充満しているような、落ち着く空間が最適であり、間違っても糞神がモニターに映し出されている、あの野郎部屋はダメ。


 直接臭ってくる訳じゃないけど、あまりにキモ過ぎて集中力が乱れちゃうもん。



<−−− チャ〜チャチャ〜チャ〜チャチャチャ〜チャ〜♪ チャ〜チャ〜チャ〜チャチャチャ〜チャ〜♪ チャ〜チャチャ〜チャ〜チャチャ〜チャ〜♪ −−−>


 ハーブの香りに包まれた空間で、高級カーペットに腰を下ろして坐禅を組み、踊るサーシャの姿を見ながら<働神>としての気運を高める。


 今の彼女は、透けるか透けないかギリギリの踊り子が着る腰布をまとい、リズムに合わせてゆらゆらと身体をくねらせ、エレガントに舞う天女だ!



「(不純って言われるかもしれないけど、やっぱり男のモチベーションって、"好きな女の子にモテたい気持ち"が原動力になるんだよ)」


 だからこそ加護札創造の儀式前に、美しい姿で踊るサーシャを見てモチベーションを高め、モチベーション部分の最大ポテンシャルを引き出した。



 ちょっと興奮し過ぎて、鼻血が出てしまったのは……秘密だ。


 「目的から外れて不埒な方へ感情が向き、大事な場面でベッドイン」などという、<働神>にあるまじき労働態度にならなかっただけでも、評価してほしい。






 闇神のような"絶頂ジジィ"にならぬよう理性を働かせつつ、モチベーションを最大限に高めた僕は、自らの血と涙を用いて加護札を創り出した。


<−−− ポタッ ポタポタポタポタ…… −−−>



 いつもならコストカットを優先して一滴で留めるところだが、あの"口避け女"さんが、自ら僕の加護を熱望してくれたんだもの!


 ここで気張らなきゃ、<働神>の奴が廃る!!!!



「我は念ずる。再起した花に相応しき活躍を可能にする、疲労の概念を忘れし加護を……彼女の御霊へ。花散るまで、華麗に咲き誇らん!」


 彼女は、生前「闇神の<ピー>」のニオイを嗅がされまくった結果、汚臭耐性を極めているため、根性に喝を入れる類の加護は要らない。



 必要なのは、その長所を活かして無限に働けるチカラ。


 なので「どれだけ派手に動いても疲れることのない加護」を軸に、彼女の長所をさらに高める類の加護を7種類盛った。



 いくら加護で強化したところで、肉体の強度そのものが上がる訳じゃないから、闇神の所へカチコミをかけ正面きって戦うのは無理だ。


 だが……そんな事、言われなくても"口避け女"さんは分かっているし、自分ができる範囲で味方と協力するチームプレーにも秀でている。


 ゆえに通常加護札20枚分のリソースを注ぎ、個別に時間をとって気を研ぎ澄ませてまでオーダーメイド品を生み出した、僕の努力は無駄にならないだろう。



「あと、最後におまじない……と。闇神が"禁止ワード"を言ったら加護の効果が倍増する、ギャンブルチックな仕掛けも加えよう」


 禁止ワードとして設定するのは、「整形ブス」。



 闇神は彼女に対して事あるごとに「ブス」と連呼しているので、通常の「ブス」じゃ縛りが弱いから、一つワードを加えてノルマ達成時の効果を高めた。


 ゾンビに対して"整形"ってワードは中々出ないかもしれないけど、闇神には言った前科があるし、また次も地雷を踏んでくれるかも……と期待したのだ。






 あと直接的なバフではないけど、加護の「思想植え付け機能」を使って、"口避け女"さんが退屈したら、闇神の意地悪な顔が脳裏に浮かぶよう……


 特殊なプログラムを施すことで、彼女がモチベーションを失うことなく無限労働できるようにした。



 完全に体力が切れて「休まなきゃいけない状況」になったら、僕が手動でOFFにできるし、そうじゃないなら苦しくても死ぬまで働けばいい。


 大丈夫……その場は「しんどい」と思っても、すでに一度死んでゾンビとして蘇った彼女は、もう過労死しないから♪



「肉体が壊れたところで、闇魔法を使えばゾンビと同じ要領で直せるし、気持ち次第でガチの無限労働もできる。僕等と一緒に頑張ろう!」


「え〜皆様〜、これを"無自覚なパワハラ・ガチ勢"と言います。テストには出ませんが、悪気なく俺たちにも仕掛けてくることがあるので、覚えておきましょう」



 マサル、酷いっ!


 僕は誠心誠意「彼女が少しでも多く働けるよう、加護モリモリの札」を創っただけなのに。


 どうして、「無給労働で積みました厚意」を「パワハラ」扱いするのさ!!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ