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950話 悪魔合体




 これまで散々コケにされたストレスが多少晴れ、(手法はどうあれ)「報復してやったぞ」という気持ちを抱いた闇神は……


 意図的なのがバレぬよう、だが不快感を増幅させるため、ミッションルームでダンスを踊り始めた。



 もちろんまだ下痢は垂れ流し状態なのでパンツも履いておらず、見るだけで吐きそうな前と後ろが丸見えである。


 いや、後ろは見えていないか。


 糞バリアが貼られて、不快な物理障壁が展開されているから。



 そして、この闇神ダンスの効果は絶大で……「監視を切る」決断をまだ下していなかった各所から、「オエェェェ〜〜ッ!」というゲロ吐き音が鳴る。


 映像を加工→転送している<農民><小鬼>同盟も、物理的な臭さこそ免れたものの、キモ過ぎて部屋にいたアスタリアが吐きかけた。



「メグミ君、大丈夫〜? なんか今、アスタリア先輩の不調アラームが鳴ったんだけど〜」


「大丈夫だから、コッチに来ちゃダメ! 闇神が汚物過ぎてアレルギー反応が出ただけ。サーシャはハーブの香りに包まれた、ソッチの部屋で休んでいて」


「う〜ん。了解〜」



 あやうく二次被害でサーシャの目が穢れるところだったが、彼氏の意地でメグミが防ぎ、<農民><小鬼>同盟の被害は軽微に終わった。


 とはいえ……ウンコで他者を苦しめてきたダンジョンマスターが、いつまでも攻撃される側になる訳にはいかないので、メグミは真剣に対策を考え始める。






「ここにきて厄介になってしまった、あのクソ汚い下痢便を止めるのが、最優先だと思う。となると、下痢止めを激辛料理に混ぜて食わせる……とか?」


 でもただのウンコ野郎ならともかく、曲がりなりにもアイツは上級神だぞ?


 魔王ですらない人間用の薬なんて、効くのか?



「それにダンジョンの運営ルール上、侵入者に食わせるモノって事前に"お試し"しないといけないんだよなぁ〜。大量の薬とか、お試しできないだろう?」


 被験者がギャースカ泣く程度だったら、常日頃コチラにケンカを売っている魔王を適当に浚ってきて、「イッキ♪」コールで口にブチ込めばいい。


 だがそれで死なれたら、"お試し"の成功事例として使えないので、薬のような「本当に効果のあるブツ」は混入できないのだ。



「イモとか食わせて糞を屁に変える作戦も、ダメだな。屁でもキモいのは同じだもん」


 となると……ケツを接着剤で塞ぐ?


 上級神相手に無理だろう。



 ならいっその事、超衛生的なフロアを新設して汚物NGに……ダメだ、闇神の変化以前に僕の運用経験が足りなすぎて、成功する見込みがない!


 となると……結局、あの不愉快な下痢をブリらせたまま、被害が及ぶ範囲を抑えるのが最適解……となる訳だが……






「それが出来ないから、こうやって頭を捻らせているんだよなぁ〜。食ったもの以上にブリっている狂神相手に、常識を説いても意味ないわけで」


<−−− ガチャッ! −−−>


「ご主人様。闇神監視の件、解決の糸口が見えました! 耐性持ちを総当たりしたところ、"口避け女"様が耐えられると判明。彼女に助力を依頼しても?」



「えっ? うん、よろしく頼む! ポーションとかリソース玉とか、必要と言われたものは可能な限り提供してやってくれ!」


「かしこまりました!」



 なるほど……糞神になる前とはいえ、汚物の権化である闇神の<ピー>で鍛えられた彼女なら、悪臭に耐性はあるだろう。


 しかも未だにパンツすら履かず、ブラブラと汚いモノを映している元セクハラ上司を見て、怒りを感じないはずがない!



「だからといって、パワハラ同然の無茶はさせるなよ? もし彼女に多大な負荷がかかって、闇神と同じくらい僕等のことも恨むようになったら厄介だ」


 なんせ……恨みでゾンビとして蘇り、ターゲットを追い詰めるためなら何でもする、本物の怨霊だからね。


 下手な恨みを買わぬよう丁寧に扱い、気持ちよく成仏してもらわないと、僕等も枕を高くして寝られなくなる。






「いや、でも……そうだ! 彼女に、特製の<働神の加護札>をプレゼントしよう♪ そうすれば、きっと彼女も大喜びで……」


「メグミ君。決意したそばから、パワハラを決めこんでどうするの? マジで恨まれて、僕等までターゲットにされちゃうよ!」


「えぇ〜」



 モンティート先輩、酷いです!


 僕は純粋な厚意で、少しでも彼女の力になりたいと思って、彼女がよりバリバリ働けるよう加護を与えるつもりなのに……。



「モンティート様。お気持ちはよく分かりますが、今回ばかりはご主人様が正しいかと。"口避け女"様直々に、"加護で支援してほしい"と要望がございました」


 ほらね!!


 どうして「お気持ちはよく分かりますが〜」なのかサッパリだけど、"口避け女"さんも僕の加護を望んでいるんだよ。



「先輩、聞きましたか? 僕が正しいって!」


「うん。聞いた、聞いた。(たぶん"口避け女"さん、短期決戦で闇神にトドメを刺す気だな。全てを捨てる覚悟で、メグミ君の強烈バフを盛りこみにきたか)」



 僕が正しいと証明されたにも関わらず、未だに「可哀想な子」を見る目でコチラを見る先輩には、抗議の意を示したいけど……まずは、加護札の提供から!


 限界ギリギリまで出力を上げて働けるよう、"口避け女"さんようにカスタマイズして、オーダーメイドの一点モノを創りあげる。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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