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95話 ルールはよく読みましょう


〜ナステックside〜




「おいおい、脇の下が一番クサイ奴って……そりゃあないだろ。メグミの野郎、砂漠の中で風呂の水すら用意できず……ワキガで気がふれたんじゃねぇのか?」


 <第5の試練>に参加している者で一番不潔なのは、間違いなく<ウ◯コ砲>を喰らいまくっているスライムども。



「ん? いや、スライムに脇はないから……この試練で横並びになったミスリルゴーレム1体と私しか、対象者がいない!? っておぃ、ちょっと待て!」


 ミスリルゴーレムも"金属の塊"でワキ汗などかかないから、脇の下のニオイもただの金属臭だよな?



「えっ? じゃあつまり……私しか残っていないから、消去法で……私?」


<−−− 大地獄ルーレットの挑戦者……一番脇の下がクサイのは部屋番号6番の方です。ルーレットを切り替えますので少々お待ちください −−−>


 やっぱり私じゃないか!!






「クソッ! 私はそんな説明聞いていない! 予告なく悪辣なルーレットを差し込むのは卑怯だ!」


<−−− 大地獄ルーレットの詳細は、フロア入り口にある”ルール説明”に記載されております。入った時点で、全てのルールに同意したと見なされます −−−>



「あんなクソ長い文章読んでられるか! ふざけんな、私はそんなもん参加しねぇぞ! …………うわぁっ!?」


 怒りに任せて部屋の壁を蹴ったら、突然横のドアからオリハルコンゴーレムが現れた。


 しかも後ろに、ミスリルゴーレムを3体も従えてだ。



「いや、おかしいだろ! ハイドン様は、1階層ではミスリルゴーレムより強いモンスターは出ない、と仰っていたのに……」


 私より何倍もステータス値の高い、Sランクのオリハルコンゴーレムが出てくるなんて!



<−−− 器物破損のペナルティーとして、鞭打ち100回を行います −−−>


 動揺している間にも、私の身体は奴等によって拘束されてしまい……後ろから、"ヒュン"と鞭のしなる音が聞こえる。


 すると次の瞬間、尻に"切り裂かれるような痛み"を感じた。



「ギィヤアァァッッ!!?」


<−−− 1回。2回。3回。4回。5回。6回。7回。8回。9回。10回。30秒後に、11〜20打を行います −−−>



「分かった! 謝るっ、謝るから! 嫌だ、パパ助けて〜!!」


<−−− 11回。12回。13回。14回。15回。16回。17回。18回。19回。20回。30秒後に、21〜30打を行います −−−>



「ふえぇぇ〜ん……。もう許してぐださいっ! 歯向かったりしないからぁ〜!」


<−−− 21回。22回。23回。24回。25回。26回。27回。28回。29回。30回。30秒後に、31〜40打を行います −−−>



 罰を執行するオリハルコンゴーレムは、私が何を叫んでも同じタイミングでムチを振り、傷ついた尻をさらに痛めつけてくる。


 そして容赦なく"100叩き"を執行した奴は、部下のミスリルゴーレムとともに部屋の外へ出ていった。






「グスッ……ヒクッ…………」


 酷すぎる、なぜ私がこのような辱めを受けねばならないのだろう?


 回復魔法で血染めになった尻は治せても、傷ついた私の心は治らないのに。



「グスッ……グゥッ…………」


 暴力自体は先輩からの体罰で慣れたが、今の光景はダンジョンマスターであるメグミも、最深部のコアルームで見ているはずだ。



 ちくしょう……あの性悪野郎め、覚えてやがれ!!


 絶対にダンジョンを攻略して、貴様にもこれ以上の恥辱を味わわせてやるからな!



<−−− それでは大地獄ルーレットを始めます。今回のミッション一覧はコチラ! さぁ……挑戦者は、何を引き当てるのでしょうか!? −−−>


 深く傷つき泣いている私を気遣うこともなく、無機質なゴーレムがルーレット開始の合図を告げた。


「そもそも何なんだよ、大地獄ルーレットって……。どうせ当たりが銅貨1枚で、ハズレが<ウ◯コ砲>とかだろ……!?」



〜ルーレットのペナルティー一覧〜

<大地獄>

呪いの剣を用いて臓器摘出:肝臓

呪いの剣を用いて臓器摘出:腎臓

呪いの剣を用いて臓器摘出:小腸

呪いの剣を用いて臓器摘出:眼球

呪いの剣を用いて右腕切断

呪いの剣を用いて右足切断

呪いの剣を用いて局部切断


<地獄>

・お尻ペンペン100発

・極濃ウ◯コ砲

・無期限放映






 いや、ちょっと待て!


 <呪いの剣>なんて使われたら、高級ポーションでも治せないじゃないか!



「マズイ。万能薬を持っていない今の状況で、こんなのくらったら……マジで死ぬ!」


 <大地獄>のペナルティーに比べれば……<お尻ペンペン100発>を引き、メグミの前でシバかれるほうがマシだ。



「あれ? 放映……って、アイテムで映像を流すやつだよな? エグい映像とか見せられるのか!? いや……そうか、今回はコレが”当たり枠”なんだな!」


 頼むぞ、<豪運のネックレス>……お願いだ!


 痛い目にあう可能性のない唯一の当たり枠、”無期限放映”を引き当ててくれ!!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 入口の説明が気になる。幸運アイテム・ギフト持ちの方と疑わしい場合は大地獄に変更かな? あとどこに放映するのかな?見せしめにして、おいしいレアギフト狙いにそれの持ち主を傘下にしようとする…
[一言] 面白かったです! これからも頑張ってください!
[良い点]  あえて残忍な選択肢を示して注意をそちらに向けさせ、 本命の選択肢をボヤけさせる手口。実に悪辣で巧妙。
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