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947話 何かがおかしい


〜メグミside〜




 アスタリア先輩の悪巧みで、<闇神>が本物の<糞神>になったところまでは良かった。


 だが……<闇神>を<糞神>に変えた、討伐軍の呪術使いの様子がおかしい。



「(なぜ仲間の武器に小細工を? あの神様達の場合、足の引っ張り合いは"標準仕様"だから、それの延長線かもしれないけど……違和感がある)」


 残念ながら、中級神モドキでしかない僕の能力じゃ、隠蔽されている上級神達のステータスを丸裸にはできないので、詳しい調査は不可能。



 とはいえ……これまでの彼の様子とは、何かが違うというか…………いや、クソ野郎なのは変わらないんだけどさぁ……。


 その"クソ"の方向性のベクトルが、微妙に変化した気がするのだ。



「モンティート先輩・アスタリア先輩。あの神様、おかしくありません?」


「おかしいというか、たぶんカウンターを撃たれたよね。証拠はないけど、そんな感じがする。だよね? アスタリア」


「えぇ、間違いなく何かしらのカウンターが入りました。その詳細は掴めませんけど、"仲間を背中から撃つ"属性が加わった可能性が高いかと」



「アスタリア先輩、それって……標準仕様じゃありません?」


「標準仕様だけど、より節操がなくなった感じ。これまではチームワーク最悪でも、闇神と戦う同格の仲間……という名の駒を、潰したりはしなかったでしょう」


「あっ、なるほどデス。ニュアンスが掴めました」



 証拠を掴めた訳じゃないので確証は持てないが、アスタリア先輩の分析が正しければ、あの呪術をしかけた神様は……


 <闇神>を<糞神>に強制改名できたものの、100%成功したとは言えず、何かしらのカウンター攻撃を受けてしまった可能性が高い。



 そして……カウンター攻撃を仕掛けたのが<闇神>なら、ほぼ間違いなく「同士討ち→自滅」につながる呪いをかけるので……


 ソッチ系統のクソ属性がはね返り強制付与されてしまったのだと、推測される。






「他の上級神達に忠告するべきでしょうか?」


「必要ない。冷たく聞こえるかもしれないけど……闇神にトドメを刺した後、上級神達が元気な状態だと、僕等の予後が悪いからね。ついでに自滅してもらおう」



 口調は穏やかなものの、冷徹な目で上級神達が映るモニターを見つめ、「あえて見過ごし自滅へ誘う」と言ったモンティート先輩。


 アスタリア先輩・ナーティー先輩も頷いており、異論はないようだ。



「分かりました。見なかった事にして、これからも"今まで通り"の対応を心がけます!」


 僕個人の考えとしても、部下を"捨て駒"として雑に扱いコチラを"格下"と見下す上級神達を、好きにはなれない。



 内輪揉めの結果……闇神にトドメを刺せず全滅してしまったら本末転倒なので、そうならぬよう気を配る必要はあるけど……


 "癌"たる闇神さえ滅ぼしてくれれば、彼等の生死はどうでもいいかも。



「できれば、全員<恵のダンジョン>内で滅んでくれるのが理想だよね〜」


「ふふふっ。彼等のエネルギーが全部<恵のダンジョン>のモノになって、メグミ君……強強になりますね。(<働神>が暴走しそうだから、正直勘弁かも)」



 モンティート先輩の隣で目を逸らした、アスタリア先輩の表情に違和感はあるけど、先輩方の言うとおり上級神のエネルギーを丸取りできたらデカイ!


 あまりのクソ加減に"食当たり"してしまうリスクもあるが、あれだけの質と数なら、<農民><小鬼>同盟全員で分けてもウマウマできるだろう。



「とはいえ、上級神が全員死んじゃったら闇神にトドメを刺す奴がいなくなるから……現実的には、半分崩壊くらいがベストですね」


「うん。その為にも、メグミ君は引き続き<働神>モードを継続して、彼等に供物(とありがた迷惑なプレッシャー)を届けてよ」


「(なんか、言外に余計なナニカが……? まぁいいか。)はい! 頑張ります!!」






 討伐軍の目論見どおりとはいかなかったものの……<闇神>の名称が<糞神>に代わり、全体的にウンコっぽくなったのも……また事実。


 これまで(ゲロ便で汚れてはいたものの)黒光りしていた装束は、なぜか生々しいウンコ色になり、全身からウンコ臭が溢れだした。



「マスター。臭気測定装置の針が振り切れました! 全身からウンコ臭がダダ漏れになり、文字どおり"存在ウンコ"と化したのかと」


「監視役のオートマタ達に、ダメージが入っています! サーシャ様の影響で僅かに感情が芽生えているのが、仇となりました!」



 神様達だけの問題で終わるかと思ったら、コチラにも実害が飛んできた。


 まさか感情を持たない機械系モンスターであるオートマタが、ダメージを受けるなんて……どんだけ臭いんだよ。



「すみません。画面からウンコ臭が漂ってきて耐えられないと、クレームが入っています。監視役を、一旦"アンデッド"に変えてもよろしいでしょうか?」


「あぁ、そうしてくれ」



 ウチにいる子達は機械系モンスターであっても、<ゴーレムマスター>ギフト持ちのサーシャが慈しんで育てているため、僅かながら感情の機微がある。


 ゆえにNGなものを無理やりやらせるのは、可哀想なんだ。



 だからと言って、ルノーブル先輩の配下であるアンデッド軍団に監視役を任せるのも、申し訳ないけど……アンデッドなら臭気耐性はあるよね?


 リアルに「画面が臭う」なんて状況、初めての経験だから"大丈夫"とも言えないけど、他に手がないので頼らせてもらいます!

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
概念からして糞を司る神になっちゃったもんな 成りたてでもそれくらいの力はあるか
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