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946話 毒餌食ったゴキブリじゃん


〜とある上級神side〜




 他の上級神達に「闇神への呪術攻撃・第二段」を押し付けられたときは、どうなる事かと思ったが……


 私の実力が自己評価以上に優れていた結果、<闇神>は無事<糞神>となり、読み取れるステータスからもウンコ臭が漂うようになった。



 とはいえ……


 9神で取り囲み集団リンチ未遂で私を脅し、供物として提供された「ありがた迷惑なゲロ便」の後始末をさせやがった、性悪野郎共を許すことはできない。



 もちろん短絡的に動いても、今度は"未遂"じゃなくマジで集団リンチされて、非業の死を遂げた私の亡骸を糞尿プールに捨てられるだけなので……


 態度に出す訳にはいかないが、落とし前をつけない事には、私の気分は永久に晴れないだろう。



「(何万年かかっても必ず報復してやる! 性格的には、闇神以上にコイツ等の方が<糞神>じゃないか。コイツ等には、"糞としての死"がお似合いだ!)」


 どういう訳か、<闇神>を<糞神>化した直後から思い切りがよくなり、思考の切れ味が増した気がする。



「(上級神相手に呪術を複数回成功させるという経験を積み、私の神格が上がったのか? もしそうなら、めでたい事だ!)」



 だが、表だって喜ぶ訳にはいかない。






 もし本当に私の神格が上がっており、それが経験由来のものだと上級神共にバレれば……


 奴等は私に呪術を押し付けたことなど無かった事にして、先を争い「闇神への攻撃係」を担うだろう。



「(面倒事は他者に押し付け、役得があると判断すれば自分がやって恩恵を独り占め。そういう腐った連中なんだ。本当に糞野郎だぜ!)」


 だから私は、闇神への攻撃後に実感した"良い変化"を、コイツ等の前で見せる訳にはいかない!



 静かに喜びを享受して、また次の機会があったら同じように"成長の道"を選び、いずれライバルの上級神共より強くなる。


 そして……その時こそ、今回の件の恨みを晴らすべく、コイツ等を呪う絶好のタイミングだ!



「(今はまだ、バレないように些細な嫌がらせをするのが精一杯だが……闇神を滅ぼした後、コイツ等も潰すウィニングロードが、私を待っている)」


 そう思うと、今回の件は"良い転機"になったのかもしれないな。



 怒りは永久に消えないし、ここにいる9神が"クソ"な事実も変わりないが、長い目で見ると「私に課せられた試練イベント」。


 栄光の歴史を彩る短期的な苦難エピソードであると捉え、臥薪嘗胆の気持ちを忘れず動くべきだろう。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 元々クソだった性格により磨きをかけ、真性の自己愛モンスターへと変貌を遂げた、"第二の糞神"は……


 自分が闇神からカウンター攻撃を受け、知らず知らずのうちに呪いの一部を付与されてしまった事に気づかず、"勘違い"を爆発させた。



 たしかに彼は、上級神の中では頭一つ抜ける呪術の腕を持っていたが、闇神と比べると経験が浅く、呪術に対する才能でも劣っていたのだ。


 それに加えて、元々高いプライドが彼の認識を狂わせており……「やったら、やり返される。その際、自分が最も狙われやすい」という事実に気付けない。



 闇神は、ついこの間まで地獄世界でNo.1の派閥主だった猛者なのに、「集団で攻めている」「敵は"落ち目"の敗北者」という認識が先行して……


 無意識下で慢心が生まれ、「何をやっても、やり返されたりしない。自分が狙われるわけがない」と思い込んでしまったのだ。



 ゆえに<闇神>が<糞神>化した時点で、呪術成功を100%確信し、自分の身に起きた変化は"良いものだけ"だと錯覚している。


 実は目立たないものの、彼のステータスにも糞要素が加わったため、入念なチェックをすれば、闇神によるカウンター攻撃に気付けたのだが……


 「そんな事をしたら、不審に思ったライバルに"美味しい果実"を取られる」という欲が、彼の目をさらに曇らせた。






 そして……知らぬ間にクソ属性を背負わされ、「毒餌を食ったゴキブリ」と化した彼は、"巣"であるスカベンジャースライムの中で被害を拡散させる。


 一時的とはいえチームを組んで戦っているにも関わらず、今後のためにライバルのDNAデータを集めだしたのだ!



 またライバルの所有物にも小細工をろうして、内側から上級神チームの足を引っ張る、スパイのような行動までとった。


「(不用心だな。武器の管理はちゃんとしないと、後々祟るぞ)」



 ライバルとはいえ「今は味方」という認識があるため、武器を表に出したまま仮眠をとった体力自慢の上級神を見て、「チャンス」と考え……


 バレない範囲でその武器の摩耗が進むよう細工し、打ち合いの途中で折れる確率を上げたのだ。



「(<恵のダンジョン>内で滅びろとは思わんが、ここを出るまでに手足の一本でも失ってくれれば儲けもの!)」


 彼等は上級神ゆえ肉体の欠損など秒で治せるが、直接戦うときは"再起の可能性"を摘むため、「呪いつきの武器」を使って殺し合う。


 それゆえ味方の武器に僅かなヒビを入れ、負けない範囲で闇神をアシストすれば、後々自分が得できるかもしれない。



 理解していても、味方相手にそれをやって闇神戦の勝率を下げるバカは、これまで流石にいなかったのだが……


 クズ菌に感染した彼は、躊躇うことなくアクセルを踏んだ。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
うーん、ただでさえ高くない勝率を下げるとかなぁ… 烏合の衆もここまでだと一当てで瓦解しかねんな、おい。 まあ、ここはむしろ闇神改め糞神の勝負強さを褒めるべきとこか。
今までメグミに関わって滅んできた連中レベルの思考回路に成り下がってて草
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