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945話 どっちが糞か




 討伐軍の上級神達が、無意識のうちに"数の利"で優位に立っているからと油断し、戦争中であるにも関わらず警戒を他者に押し付けている……


 という、クソな事実は置いておこう。



 彼等とメグミ達の敵である闇神は、腐っても元「地獄世界No.1の上級神」であり、サンドバッグじゃないため……


 防御体制を確立したうえで時間的猶予を与えれば、強烈な"報復玉"が飛んでくる。



『事あるごとにリソース泥棒してくる<アスタリア>や、嫌がらせとしか思えないミッションを押し付けた<メグミ>も、鬱陶しい! だが……』


 <農民><小鬼>同盟のメンバーに対する不満も溜まっているものの、同格の上級神から攻撃された現在、ヘイトは当然彼等へ向く。


 そして闇神は、闇属性魔法および呪術に関しては討伐軍の上級神達より熟練者であり、扱いに長けていた。



『(奴等は言い争いを続けている。呪術? また仕掛けてくるつもりか!)』


 口からゲロ便を際限なく吐き出し、ミッションルームを穢しながらも、冷静さを取り戻して、反撃するべく"探知"の精度を上げた闇神は……


 上級神達が、彼の「出したてホヤホヤのゲロ便」を供物にして呪術攻撃を仕掛けたことに気付き、怒りで顔を真っ赤に染める。



 しかし……同時に恐怖も感じたため、いつもみたいに猪モードに入るのではなく、冷静に「どうやって対処するか? 報復するか?」と考え始めた。


 もちろん怒りは収まらないため、怒気を鎮めるためにリソース消費を許容して、"感情操作"の闇魔法を自らにかけている。






『(この距離・供物の質なら、私が一から報復の呪いを紡ぐより、相手の攻撃を利用する形で"はね返り"を狙う方がいい)』


 上級神達の会話内容を探知して、次にどんな攻撃がくるかおおよそ察した闇神は、アイテムボックスから「身代わり人形」を取り出し……


 彼等に気付かれぬよう、そっとDNA情報のリンクをおこない懐へ忍ばせた。



『(あれだけ良質な供物が敵の手に渡ってしまった以上、呪いを100%身代わり人形に移して、はじき返すのは不可能だ。一部は受け入れざるを得ない)』


 もうすぐ自分に「<糞神>化の呪い」が飛んでくる。



 その中で、<糞>の"どの要素"なら受け入れられるか……"どの要素"は確実にはじき返さねばならぬか、考えた闇神は……


 呪術の中心人物になるであろう、討伐軍で一番呪術に秀でた上級神が、どんな呪文構成で仕掛けてくるか想定し、静かに"返し"の呪いを組みあげた。



 一連の彼の動きは、平時なら微妙に違和感があって気付けたものの、「口から下痢便ゲロゲロ」のインパクトが強すぎて、影に隠れ目立たない。


 そのため上級神はおろか、油断することなく闇神を監視していた<農民><小鬼>同盟の担当者にも、見過ごされ……


 闇神にとって、「現状とれる最大期待値」で呪いを撃ち返すことに成功する。



<−−− シュッ……シュバッ! −−−>


 それでも供物の質の差で100%撃ち返すことは難しく、闇神は一部の<糞>要素を受け入れ、純粋な<闇>の神ではなくなった。






『(チッ! やはり"排泄"要素を取り除くのは厳しかったか。しかし、供物と相性抜群の糞要素のみの受け入れで済んだ! これで、奴等は自滅する)』


 闇神が仕方なく受け入れたのは、供物として使われたゲロ便と相性が良すぎて、回避するために莫大なリソースを要する状態だった……ウンコ属性。



 こればかりは許容せざるをえず、すでにゲロ便をダンジョンに回収されパンツも汚れた後なので、受け入れ後の被害も限定的と言えた。


『(私の尊厳はズタズタだがな。とはいえ……そんなの今更だし、手に入れた<糞>の力で奴等もウンコ沼に引きこみ、社会的に抹殺できれば十分だ!)』



 <恵のダンジョン>で尊厳を穢されすぎて、もはやプライドのカケラもなくなった闇神でも、はじき返した"糞"要素。


 それは「リアル糞」以外の、性格および運に関わるバッドステータス。



『(私が持っていた奴のDNA情報は、以前コッソリ入手した頭髪のみ。さすがにリアル糞は、相関がなさすぎて返せなかった。だが、くくく……っ!)』


 呪術攻撃を仕掛けカウンターをくらった上級神もまた、闇神と同等に「性格最悪な神」であり、闇神よりクソな部分も多々ある。



 ゆえに……いつか切り札として使おうと思い、機会があるたびにDNAデータを回収し、それを編みこみ作っていた呪い人形一つで……


 アッサリと、「受けたら本当にヤバイ"糞"要素」ははじき返せた。



『(これで奴は、さらに性格がねじ曲がり……集団行動に向かない厄災となる。真に恐れるべきは、身近に潜む"クソ野郎"だからな)』


 望みどおりの報復を終え、僅かながら心が軽くなった闇神は、リソースを解呪に集中投下して、「消化管の逆流現象」解除へ向け動きだした。



 一方、見た目の変化こそないものの……カウンター攻撃を受け、知らず知らずのうちに自らも<糞>野郎になってしまった、呪術の首謀者は……


 それを見守っていた他の上級神達に"攻撃成功"と(無自覚な)嘘をつき、彼等が集うスカベンジャースライムの中で、密かに害悪をふり撒き始める。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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