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944話 どっちがマシか対決


〜モンティートside〜




 はい、押し付けられました!


 アスタリア……お前さぁ、リソース注入で若返って以降、図太さまで増していない?


 そりゃあ求められれば代筆くらいするけど、昔はもうちょっとお淑やかだったような。



<−−− ギロッ! −−−>


「先輩。NA・NI・KA言いたげな事があるようですが?」


「いえ、何でもないです!」



 容姿は「麗しの巫女」と呼ばれた全盛期の頃まで戻ったけど、図太さはオバサン時代で止まっちゃったんだな……可哀想に。


 いや、本当に哀れなのは尻に叱れる僕等か。


 物怖じしないでズケズケ発言してくれるのは、コチラとしても嬉しいけど、これ以上オバサン化が進むと、逆らったら問答無用で蹴られそうだ。



「(まぁ、アスタリアの狂化は置いておくとして……<闇神>を<糞神>に強制改名する呪い……か。どういう風に話をもっていこう?)」


 メカニズム的に出来なくはないし、供物との相性も良さそうだけど、ぶっちゃけ<恵のダンジョン>内では<闇>よりも<糞>の方が有利だと思う。



 その状況で、わざわざリソースを注いでまで糞神化させる意味……。


 一応献策はしてみるけど、結果として上手くいかなかったときコチラのせいにされぬよう、"責任逃れ"できる言い回しは必須だ。




〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




 アスタリアに睨まれても大して気にせず、飄々と代筆役を務めたモンティートは、献策をまとめた後、すぐさまそれを現地へ届けさせ……


 追加で贈られた"ゲロ便"の破壊力に屈して、涙目になっている上級神達の心に、さらなるダメージを与えた。



〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


お忙しいところ失礼致します。


先程の素晴らしい呪術攻撃を拝見し、一つ良きアイデアを閃いたので、差し出がましいのを承知で献策させていただこうかと。


現在<闇神>は、己の便に呪われているも同然の状態でございます。


また奴の性格も"クソ"であり、供物として使える高純度のゲロ便も手元にある。


ならばいっその事、<闇神>を<糞神>に強制改名させる呪いをかけ、奴の神格に影響を与える……というのは如何でしょう?


直接的な殺傷力こそございませんが、だからこそ呪術に必要なコストも少なく済みますし、重い攻撃より成功率も高まるかと。


改名後についても、<恵のダンジョン>内では<闇>より<糞>属性が優勢になる可能性はございますが、ダンジョン外へ出れば状況は一変します。


それに闇神も、長年上級神として磨いてきた<闇>の技が鈍り、使ったことすらない<糞>属性が強まったところで、すぐには適応できないでしょう。


あくまでも愚鈍なイチ魔王の考えですので、的外れかもしれませんが、少しでも皆様の役に立ちたくて献策させていただきました。


もしご一考のうえで「使える」となった場合、必要な量の供物は何としても確保いたしますので、遠慮なくお申し付けください。



モンティート


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜



 丁寧な言い回しではあるが、へりくだりつつ見事に責任逃れをしており、ついでに叱責の芽も摘んでいる。


 もし「魔王風情が生意気〜」云々とキレ散らかしたら、「申し訳ございません。お詫びとして、追加の供物を……」と畏まった口調で……


 ゲロ便および働神グッズを追加され、その処分方法も(自らの言霊で)狭められるのがオチだ。






 そして、モンティートの予想以上にこの献策はウケた。


 最初こそ"糞"に"糞"を重ねられて、「よりウンコパワーが増した糞神」をイメージしてしまい、絶句した上級神達も……


 改めて冷静に考えた結果、「研ぎ澄まされた闇魔法より糞の厄災が降りかかる方が、まだマシ」と判断したのだ。



『ハァ〜。どちらも嫌だが、すでに"糞"は降り注いでおるしのぉ』


『今更ですよね。これ以上の糞災なんて、あるとは思えない』


『糞の扱いで言えば、闇神よりメグミの方が余程ベテラン。闇神如きが完璧に扱えるモノではないわ!』



 "専門の属性持ち"じゃないにも関わらず、メグミが実質的に<糞神>扱いされ、「闇神は、所詮それより下か二番煎じだろう?」と評されたのもある。


 こういうのは、純粋な強さ勝負じゃないのだ!


 どれだけ相手を貶めコケにできるか……イタズラ心と鬼畜さのバランスが絶妙かが、鍵となる。



 何より魅力的なのが、<恵のダンジョン>を出たあと起こる闇神の戦力低下について、言及されていた点。


 もし<恵のダンジョン>から出て、糞とは無縁な虚無空間で戦う展開になったとき、<闇神>相手じゃ厳しいかもしれないが<糞神>なら何とかなる。


 同じ上級神とはいえ、元々ダントツで秀でていた闇神の長所を、少しでも削げるなら……彼等にとって、「試す価値」はあると言えた。



<−−− プ〜〜ンッ −−−>


 頭で理解したところで、ゲロ便の汚臭に拒否反応を示す身体は、全力でミッション遂行を拒んでいるため、ここから更なる"押し付け合い"が始まるのだが。

読んでくださり、ありがとうございます!


この小説を読んで面白いと思ってくれた、そこの貴方(≧∀≦)

モチベーションUPの為の燃料……ブクマ・評価・感想・レビュー、待ってます!!

作者はお豆腐メンタルなので、燃料に引火させるのはやめてね(・Д・)

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― 新着の感想 ―
だめだ この作者は 止められねえw
献策がモンティートの署名で送られてるけどメグミの署名じゃなくてもいいのですか?(´・ω・`)
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